新宿武蔵野館にて『ハロルドとモード/少年は虹を渡る ニュープリント版』(1971年)を鑑賞しました
38年振りに上映された作品です
(あらすじ)
大金持ちの母親と2人、豪邸に住んでいる19歳のハロルド。
首を吊ったり何度も自殺の真似事をするが、母親は彼に全く関心を示さない。
母親はそんなハロルドに、軍人の叔父の居る軍隊に入るように勧めたり、コンピューターお見合いを勧めたりする。
ハロルドの趣味は、黒い喪服に身を包んで愛車の霊柩車に乗り、見知らぬ人の葬式に出席する事だ。
ある日、同じように他人の葬式に出席している老婆・モードに声を掛けられる。
79歳のモードはいたずら好きで機知に富み、驚くほど行動的であった。
二人で行動する内に、ハロルドは歳の差を超えて彼女の魅力に惹かれていくのであった…
作品の紹介を読むと、この作品は公開当初から、カルト映画としての熱狂的なファンがいた様です。
時代は1970年代、ベトナム戦争を匂わせる台詞やニクソンの写真が飾ってあります。
お金持ちで何不自由のない生活を送るハロルド。
しかし、掴みどころのない空虚を埋める為に、自殺の真似事を繰り返しています。
他人の葬式の最中に、目の前に現れた"自由"に生きる79歳のモード。
死に憧れる19歳の少年と、79歳のおばあちゃんのラブストーリーが始まります。
モードは、執着を捨て、自然を自由を愛し自分に常に正直に生きています
いたずら好きで、行動力の有る可愛らしい女性
とても79歳には見えません
しかし、なぜ彼女がそういう生き方をするのかは、彼女の語る娘時代の話や腕の刺青(ナチスの収容所での管理番号)で、察する事が出来ました。
辛い人生を送ってきたのだろうと…
「新しい体験が出来て楽しい 」それが、彼女の口癖。
「生きること」を心から楽しんでいる人生。
その生き方を見て、死ぬ事ばかり考えていた少年は、「生」の楽しさに気づいていきます。
全編に流れる音楽も、字幕付きで歌詞を読む事が出来て、モードの気持ちをそのまま代弁している様な内容でとても良かったです
話だけ読むとファンタジーな雰囲気に思えますが、70年代の当時は斬新な内容の映画だったと思われるのと、
70年代特有のシュールでブラックな笑いがとても多く、生生しさも前面に出ていて、
色んな意味で見ごたえのある映画でした
本当の自由とは…
社会から束縛された不自由ではなく、自分自身の中で作り出してしまう不自由…
日々忘れがちな事を真っ直ぐ語るモードが素敵でした
印象的だったのは、モードがハロルドと初めて出会った教会での他人の葬式で
「今日の死者は80歳。75歳では早すぎるし、85歳では長生き過ぎる。ちょうどいいわね」
この台詞は、ラストに大きく響いて、モードの潔い生き方を思い知らされます…
しかし、こんなに愛されながら…ってのも幸せな気もします。
19歳の少年と79歳の老婆の交流を通して寓話的に、日々どうやって生きるのか、人を愛するという事の素晴らしさを描いた作品で、
モードという女性の魅力が素晴らしい映画でした
38年振りに上映された作品です
(あらすじ)
大金持ちの母親と2人、豪邸に住んでいる19歳のハロルド。
首を吊ったり何度も自殺の真似事をするが、母親は彼に全く関心を示さない。
母親はそんなハロルドに、軍人の叔父の居る軍隊に入るように勧めたり、コンピューターお見合いを勧めたりする。
ハロルドの趣味は、黒い喪服に身を包んで愛車の霊柩車に乗り、見知らぬ人の葬式に出席する事だ。
ある日、同じように他人の葬式に出席している老婆・モードに声を掛けられる。
79歳のモードはいたずら好きで機知に富み、驚くほど行動的であった。
二人で行動する内に、ハロルドは歳の差を超えて彼女の魅力に惹かれていくのであった…
作品の紹介を読むと、この作品は公開当初から、カルト映画としての熱狂的なファンがいた様です。
時代は1970年代、ベトナム戦争を匂わせる台詞やニクソンの写真が飾ってあります。
お金持ちで何不自由のない生活を送るハロルド。
しかし、掴みどころのない空虚を埋める為に、自殺の真似事を繰り返しています。
他人の葬式の最中に、目の前に現れた"自由"に生きる79歳のモード。
死に憧れる19歳の少年と、79歳のおばあちゃんのラブストーリーが始まります。
モードは、執着を捨て、自然を自由を愛し自分に常に正直に生きています
いたずら好きで、行動力の有る可愛らしい女性
とても79歳には見えません
しかし、なぜ彼女がそういう生き方をするのかは、彼女の語る娘時代の話や腕の刺青(ナチスの収容所での管理番号)で、察する事が出来ました。
辛い人生を送ってきたのだろうと…
「新しい体験が出来て楽しい 」それが、彼女の口癖。
「生きること」を心から楽しんでいる人生。
その生き方を見て、死ぬ事ばかり考えていた少年は、「生」の楽しさに気づいていきます。
全編に流れる音楽も、字幕付きで歌詞を読む事が出来て、モードの気持ちをそのまま代弁している様な内容でとても良かったです
話だけ読むとファンタジーな雰囲気に思えますが、70年代の当時は斬新な内容の映画だったと思われるのと、
70年代特有のシュールでブラックな笑いがとても多く、生生しさも前面に出ていて、
色んな意味で見ごたえのある映画でした
本当の自由とは…
社会から束縛された不自由ではなく、自分自身の中で作り出してしまう不自由…
日々忘れがちな事を真っ直ぐ語るモードが素敵でした
印象的だったのは、モードがハロルドと初めて出会った教会での他人の葬式で
「今日の死者は80歳。75歳では早すぎるし、85歳では長生き過ぎる。ちょうどいいわね」
この台詞は、ラストに大きく響いて、モードの潔い生き方を思い知らされます…
しかし、こんなに愛されながら…ってのも幸せな気もします。
19歳の少年と79歳の老婆の交流を通して寓話的に、日々どうやって生きるのか、人を愛するという事の素晴らしさを描いた作品で、
モードという女性の魅力が素晴らしい映画でした