23日ですが、渋谷ユーロスペースで「ライク・サムワン・イン・ラブ」を鑑賞しました
この上映前に、加瀬亮さんの舞台挨拶がありました
この日の加瀬さんは、薄い青色に白のラインが入ったラガーシャツ
と、グレーのパンツ
髪型は、アウトレイジビヨンドの公開も近いからか、石原風(笑)
細いのに更に痩せた気もして、端正な感じでした
司会の方と、映画上映前という事もあり、ネタばれしない程度に映画の紹介を
題名が当初は「The End」だったこと、
アッバス・キアロスタミ監督は8割がたジョークだけど、いきなり起こりだす事もあったとのこと、
キアロスタミ監督の作品は好きで、20代の頃に『桜桃の味』を見た、
サクランボの味を思い出して男が自殺をやめるという話だったのだけど、今見るとまた感じ方が違う、
ヒーロー映画を2時間見てその間は楽しいけど、映画館を出た瞬間に遠い存在になる、でもこの監督の映画は、
どこかしら自分を投影する部分があり、近くに感じる、
この主役のおじいさんは、監督自身を投影していると思う、
実は監督は、役者や美術班や撮影班などスタッフに、映画について違う説明をしており、
撮影が終わった後、それぞれに見解が違った、
何処に答えがあるのかと、次の映画の撮影が始まるまで友達と考えていて、
思いつくと深夜でも友達にメールしたりして迷惑がられたり、
そんな事をしている内に、役者としての答えに辿りついた
(この答えについては、上映前という事で教えてくれず
)
映画は、最初はゆっくり進んでいくが、ある基点からジェットコースターのように滑り落ちる、
すごい映画を見ちゃったなという感じ、
ラストシーン、みなさん怒らないでくださいね(苦笑)
ざっと、こんな話を12分程していたでしょうか…
基本的に最初の方は、加瀬さん見る事に夢中で、余り覚えていません(苦笑)
そして、出来れば鑑賞後にお話聞きたかった…
まぁ、生・加瀬さんが見られただけでも良かったけど
映画は…
あらすじ
現役を引退した元大学教授、84歳のタカシは、亡妻に似た若い女性、明子をデートクラブを通じて家に招く。
しかし明子は、タカシの作った手料理にも手をつけず、寝入ってしまう。
翌朝、タカシに大学まで送ってもらった明子は、待ち伏せしていた恋人のノリアキに捉まり非難される。
ノリアキは車で明子を待つタカシのところに来て、明子の婚約者だと伝えた。
ノリアキはタカシを明子の祖父と勘違いしていた。運命の歯車が狂っていく…。
冒頭のバーのシーン、焦点が定まらぬまま進む、これから何かが起こるのを暗示しているように。
上京した祖母を待たせたままバイトに向かう明子、そのタクシー内で聞く祖母の留守電が、とっても切ない。
風俗でのバイトを知っているであろう祖母。
夜の駅で待っている祖母に声を掛けずに、そのままバイトに向かう。
タクシーの中から夜の東京を撮り続ける、これは外国人監督だからか~と思った。
バイト先で出迎えたのは、老人。
妻に似ていると、色々ともてなそうとするのだか、あまり相手にされない。
この老人は、元大学教授で人望も厚いのだが、不思議な隣人のおばさんの話によって、家族と何かしらあり孤独である事が分かる。
明子の彼氏のノリアキ。
中卒がコンプレックスのよう、自動車整備工場を経営してる。
典型的なストーカー、DV男。
この明子という女子大生は、ひたすら流れに流されるまま。
あまり自己主張しない。
そのまわりをグルグル男達が振り回される。
出来事は、たった一晩のこと。
見ていると、後半は時間軸があれっ
って感じもする。
前半、あんなに移動時間がかかってたのに、後半は、もう目的地に着いたの
とか。
3人が3人の孤独を持っている。
正直、不器用な気もする。
嘘を重ねて起こる、衝撃のラスト。
加瀬くんは、怒らないで下さいね、、、と言っていましたが、
ラスト老人はどうなったのでしょうか…
これは、見た人それぞれの答えがある部分だと思います。
私も考える度に別々の思いが湧きます。
ただ、話的にはこれ程ではなくても、普段の日常に有り得る事だと思います。
人は人との繋がりを求めている。
だた、その繋がり方が歪なもので歯車が狂うと、この映画のラストの様になるのでしょうか…
加瀬さんの言う通り、色々と考えさせられる見ごたえのある映画でした。
以下メモ
[映画.com ニュース] 俳優の加瀬亮が9月23日、都内で行われた、イランの巨匠アッバス・キアロスタミの最新作「ライク・サムワン・イン・ラブ」の公開記念トークイベントに、ノベライザーの相田冬二氏とともに出席した。
80歳を超え現役を退いた元大学教授のタカシ(奥野匡)、デートクラブでアルバイトをする女子大生・明子(高梨臨)、明子の恋人ノリアキ(加瀬)の3人が織りなす、真実と虚構が交錯する物語。イタリアを舞台にした前作「トスカーナの贋作」に続き、キアロスタミが故郷イランを離れ日本を舞台に撮影を行った。
加瀬は撮影を振り返り、「突然監督が怒鳴り出したことがあった。僕は意味が分からないから混乱したけど、それは役者が計算で決めてきたことに対して、本当の生理を求めていたのでは。僕に邪念があったので、それを崩して取り払ってくれたのだと思う」と独特の演出に感服していた。さらに、「『1度画面からはけたら20回スクワットしてから出てこい』とか、リハーサルで『おまえの演技は見たくない。ずっとスクワットしていろ』と言われたり。ジョークかと思ってたけど違かった」と明かし、笑いを誘った。
また、「20代前半の時に監督の『桜桃の味』を見た。サクランボの味を思い出して男が自殺をやめるという話だったのだけど、ラストにカメラが引いていくと映画のクルーが映る。僕は良い気持ちに酔っていたので、大変不愉快だと思って映画館を出た記憶がある(笑)。だけどその後もずっとその映画が引っかかっていた。監督は、目の前の現実に対して映画がつながっていなければと、切実に考えて映画作りをしていると思う。そういうことを自分に課しているのでは」と思いをめぐらせていた。
相田氏は、「すごい映画を見ちゃったなという感じ。うまく言葉にできない。それは狂っているということではなく、整合性を求めちゃいけないということ」と分析。また、「キアロスタミは作品によっても見る人によってもイメージが変わる。『キアロスタミ』という固有名詞がない方がビビッドに伝わるのではとも思う」と自身の見解を述べていた。
(映画.com速報)