まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

2位を受賞する

2007-06-20 13:50:54 | 学業
6月20日(水)。

月曜と火曜に発表したフランス人グループに、コーヒーブレイクで質問をしたのと、夜食事をしにいったのとで、知人が増え、向こうも気軽に話してくるようになった。イタリアの疫学者、アメリカのUSAID(アメリカ政府の援助団体)職員、スペイン、メキシコ、マダガスカル、トリニダド ドバゴの獣医大学教員、ナイジェリアの博士課程の学生、タイとブラジルの大学教授など、話した人の層もかなり幅が広くなった。

午後は学生の最優秀賞の2人の講演があった。スペイン人女性と、ナイジェリア人男性。さすがに素晴らしかった。

この日はポスターセッションが3時半から始まり、僕は発表がないので気楽に回れた。
この学会では、ダニに対する殺虫剤や寄生虫に対する駆虫薬への耐性が増えている(薬が効かなくなってきている)ことから、伝統的な薬草を見直し、科学的に検証する発表も多かった。一番面白いと思った発表は、タイムやカルダモンなどにも殺虫効果があり、それを検証中という、ニューカッスル大学教員で今回の学会のプレジデントによるものだった。そこでいろいろ質問し、彼とも話をした。

ポスターセッションの後、夜8時からディナーパーティー。
会の始めに、この学会を立ち上げ、軌道に乗せ、長年活躍してきた方々への授賞式があり、次にポスターセッションの授賞式があった。

そこでなんと驚いたことが!
最優秀賞はタイの大学教授で、次に僕の名前が呼ばれた。
133のポスター発表のうち、2位。学生にもかかわらず受賞するなんて。予想も期待もしていなかったので、前に出るのに一瞬足が震えた。賞状と、裏にスペイン語とマヤ語で「豊穣の神」と書かれた盾をもらった。
食事が終わり、飲みモードになると、生バンドが演奏する中プレジデントがやってきて、話をすることが出来た。
僕は疲れたし、離れたところに宿泊していて夜タクシーがなくなると危険なので、11時に帰った。皆は学会パーティーの会場があるホテルに宿泊しているので、安心して1時まで踊ったらしい。

受賞というのは確かに嬉しいけど、僕のような仕事の場合、浮ついた気持ちはすぐ捨てた方がいいと思う。研究対象であるウガンダの人々が今回発表した病気の脅威から解放されたら、大いに喜びたいと思う。それまでには、まだまだたくさんやることがある。