まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

やってくれるかな?

2007-04-30 10:07:48 | 家族
4月29日(日)。

ここ数日の主夫業から、大切なことを学んだ。
これまで僕は、(経済的にではなく)ヒジョーに恵まれた生活をしていたということが分かった。

平日はもちろん、たまには週末まで研究に没頭し、夜は「運動しないと病気になる」という理由で空手に通い、夜の空いた時間や週末にさらにフランス語とスペイン語の復習をしていた。「社交は重要ですから」と、飲み会にもたまに参加していた。

子供の面倒を見ているじゃないかと思っていたが、短い時間遊んでやり、たまに風呂に入れ、たまに絵本を読んで寝かし付けるくらいだった。家事も、たまに皿洗いをし、さらにごく稀に食事を作るくらいで、掃除機をかけるのは、さらに非常に稀なことだった。

何より難しかったのは、子供が妻になついていて、寝かしておいてやりたいのに、始終妻のほうに行っては遊んでもらおうとすること。言うこともなかなか聞いてくれない。「~しなさい。」と言っても、全く言うことを聞かない。そこで叱ると、また妻のほうに行ってしまう。

妻が快復してきて家事を始めたとき、どうやって子供に言って聞かせているか、違いが良く分かった。

「~やってくれるかな?」「~しようか?」
と言っている。全てにおいて、上手にコントロールしている。

僕も、牧場で働いていた3年半の後半は、牛のコントロールには自信があった。毎日一日中接しているので、大体何を考えているか、どうやったら一番言うことを聞くかよく分かっていたし、牛のほうもよく遊びに来た。

今日、「~やってくれるかな?」「~しようか?」を始めた。
時間をかけて説得し、天馬の嫌いなシャワーにも入れたし、おもちゃも片付けさせたし、なかなか上手に出来た。

そう言えば、スコットランドでは、何かやりましょうかと申し出た時に、よく「ええ、もしそうしたかったら(Yes, if you want.)」と言われる。仕事で、ある作業をしてもらいたい時にも、「Do you want...?」と聞く。

子供に強制させても、嫌なことはやらないし、出来ない。牛だってそうだ。体重があって力があるので、何十頭も扱う時は、いかに牛の気が向くように作業を繋げるかなのだ。子供と牛を一緒にして、と怒られそうだが、僕は牛の面倒を真剣に見ていたのだ。ということで、これからは、牛での経験を子育てに生かして行きたい。