六枚目のコイン

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幸福についての一考察

2020年09月19日 06時50分55秒 | 未来
世の中には、願望や夢をかなえる方法についてとか、
総じて、
「引き寄せの法則」を奨励するものが、巷では流行っています。
前から心に引っかかっていたことなんですが、
そのことについて、
ひとつ考えを述べてみたいと思います。

最近、
ある人が若くして亡くなりました。
還暦を少し過ぎたばかりの女性でした。
子供さんは二人いて、
それで事業を経営されていたんですね。

というのも、
若くしてご主人を失くして、
その後、奥さんのその女性が、
跡を継いで経営されていたわけです。

これはもう大変だったでしょうね。
家庭を仕事の両方、そして子育て。
はあ、
と思わずため息をつくような人生だったのではないか。

その方は、それこそ本当に、
必死の思いで働き、生きてこられた。
気が付けば、
重い癌に罹られて、
後の段取りもそこそこに、
人生を去っていかれたわけです。

後に残された二人の子供さんは、どうされるのかなあと、
他人ながら、二人の未来を考えたのですけね。
亡くなった女性は、母親として二人がとても心配で、
もう成仏どころではないのではなかろうかと、
そう思ったりしたわけです。

彼女の死をきっかけに考えたこととは、
この方も精いっぱい生きられたわけですが、
彼女の願望・夢を叶えるために、
この引き寄せの法則を、
最高に使われたと思われるんですね。

「引き寄せの法則」のポイントは、
その心の使い方にあるわけです。
深層意識のレベルから、
強い意識でもって、自分のモノにしたいという、
強い欲求を働かせるわけです。
欲しいと思うものを、
それこそものすごい欲求で以て、我がものにしようと引き寄せる。

これって、
実は「貪りの心」なんです。
金がほしい、地位が欲しい、今の会社を繁栄させたい、
子供たちを立派に育てたい。
そのために、
どんどん私が必要なものを獲得するぞ!
そう強く決意をして生きてこられた。

しかし、思ったほどに、必要なものは集まらないために、
もっともっともっとと、
物すごいエネルギーを心に集中させて、
彼女(私たち)は、この社会で生きていくわけです。

そして、挙句の果てに、
癌になって無くなってしまった。
あらゆるものを集めた結果が、
癌になるような条件も一緒に集めて、
結果的に、癌になって、
そして、
願望や夢の達成の途上で亡くなってしまった。

残されたものは、未練と後悔、そして悲しみなど。
その方にとっては、そう言えるのではないか。
亡くなったあと、
実は、
人は死出の旅に就くのです。
死出の旅?
そう、人はこの世を去って、あの世へと向かうのですね。
なぜかというと、
この世は三次元の世界です。
三次元とは、要は物質世界を意味するわけです。
人は肉体を持っているからこそ、
三次元世界に存在できるのですから、
肉体を無くすと、もうこの世に存在することは出来なくなります。

そうすると、
純粋になった意識存在としての私たちは、
行くべきを世界を直感的に自覚して、
次の世界に向かって、歩み始めるのです。

長く住み慣れた我が家を出ると、
そこには広い道があるのです。
見ると、自分と同じように亡くなった亡者が、
数珠つなぎのように列をなして、とぼとぼ歩いています。
真っ暗な世界を、何も見えないので、
亡者たちは前を歩いている人の肩に手をやって、
その肩を頼りに、前に倣って歩いていくのです。

着いたところは賽の河原、
というより、「賽の広場」。
広い広い広場があって、
そこにはすでに無数の先客がいて、
わいわい騒いだり、泣き叫んだり、大声で度怒鳴ったり。

そこで彼らが挑戦しているのは、
賽の広場を飛び越えることです。
際の広場の向こうに横たわっている広い川を
飛び越えて、向こう岸に到達することです。
その向こう岸には、
亡者たちの心の安息があるからです。
向こう岸に至ることで、
初めて、亡者たちの心からの休息が得られるのです。

だから、
みんなは向こう岸を目指して、
その大きな川を飛び越えようとするわけですね。
でも、挑戦する人たちは、ことごとく川に落っこちて、
その三種類の川に沈んでしまうのです。

その川とは、「三途の川」です。
三途の川とは、その川の流れが三種類になっているのです。
ひとつは、貪りの想念の流れを表し、
もうひとつは、瞋りの想念の流れを表し、
もうひとつは、愚痴(おろか)の想念の流れを表している。

その三種類の流れに応じて、
亡者たちは、その川に沈んでいく。
心には重さがあって、
その重さは自身の悪業によるのです。

行きつく先は、阿鼻世界。
その世界で、己の為した悪業や不徳の報いを受けるという。
そして、
ある程度の報いを受けて、
再度、人間としてこの世に生を受けるというのです。

さあ、
こういう生命の実相を受けて、
私たちはこれからも、
同じような人生を生きたいと思いますか?
あなたのこれまで抱いてきた「希望や願望」を、
今後も実現したいと考えますか?

あなたは「本当の幸福」というものを、得たいと思いませんか?
その幸福とは、一回きりの幸福ではありません。
永遠に味わえる幸福です。
何度味わっても、
また同じように味わうことのできる、
尽きない泉の如き「幸福」。
それを、人は甘露という。

それを味わうために、
私たちは、幸福についての価値観を考え直すべきなんです。
何が本当の幸福か?
それについて、考え直さなければ、
もう一度、
同じような人生の結果を得ることになるでしょう。

もう一度、
今度は、本当の幸福を得なければなりませんね。
一度っきりの幸福ではない、
永遠の幸福を味わうために。
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