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ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

「精霊の守り人」シリーズ

2007年03月08日 | 本のハナシ

以前から気になっていた「精霊の守り人」シリーズ。
一応児童書の部類になるようです。
でも、評価が高いのは以前から聞いていました。
で、ついに手を出してしまいました。
2月は沖縄宮崎と遠出することが多かったので、移動の時に読みました。

精霊の守り人

偕成社

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まず、一番に、帯の文句にやられました。
「忘れた頃にやってくるのは災害ばかりではない」って。
上橋さんの寡作ぶりを言っているんですが、

ん?この文句、以前読んだことがあるぞ。

そうだ、その時の文はこうだ。
「忘れた頃にやってくる、内田善美と大友克彦」(若い人は知らないだろうな
寡作な作家は、必ず災害と並び称されるのねえ。
私としては、ここに、小野不由美さんの名前も入れたいなあ。

余談はさておき。いや、もう、面白いです。
無意味なくらい美形がぞろぞろ出てきて、キャラクター描写にばかりページを取られる。そんな最近のファンタジーブーム(?)の本とは一線を画しています。
主人公は超人的な強さを見せる女用心棒バルサ。精霊の卵を宿らされた新ヨゴ皇国の皇子チャグム。バルサの幼馴染のタンダ。それぞれファンタジーの世界の中で、それこそ「生きて」います。最近、漫画などの中でキャラクターが生き生きしてる様子を、「キャラが立ってる」なんて言い方をしますが、そんな言い方は許せない思いがするくらい、です。
民俗学が専門だというだけあって、いろんな国が出てくるのですが、リアリティーがあります。古代の韓国や東南アジア辺りを想像させるんですが、各国の空気感が心地いいです。

で、あまりの心地よさに、このシリーズ、一気読みです。
外伝として、チャグムの成長の様子を感じさせる「旅人」シリーズ。
虚空の旅人

偕成社

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本伝は二木真希子 の挿絵ですが、外伝の方は佐竹美保さんです。
二木さんのイメージを壊さず、でも、佐竹さんらしい挿画を提供されているのは、すごいなあ、と思います。コドモコドモしていたチャグムが、皇子としての成長を見せてくれます。

長く続いたこのシリーズも、「天と地の守り人」で最終章となります。
天と地の守り人〈第1部〉

偕成社

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これを読むのは、これからです。なんだか読むのがもったいない気分。
でも、楽しみ。

ファンタジーな物語、それも骨太な物語が読みたい中高生には特におススメなシリーズです。
「指輪物語」で挫折した人も、これは絶対大丈夫ですよ!