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映画『ポーラー 狙われた暗殺者』

2022年05月06日 23時09分35秒 | 映画関係

[映画紹介]

冒頭、チリのどこかで、
バカンスを楽しんでいた一人の男が
殺し屋軍団に襲われて、命を落とすところが描かれる。

舞台は転じて、ワシントン州、シアトル。
ダンカンという男が医者の診断を受けていた。
体中傷だらけだが、健康には問題なし。
続いて会計士による資産管理の話。
ダンカンはブラック・カイザー(暗黒の皇帝)と呼ばれる
凄腕の殺し屋で、
引退を2週間後に控えている。
所属する殺し屋請け負い会社は、
50歳定年制で、
800万ドルを越える退職金を
受け取ることになっている。
ダンカンは毎年、どこかに20万ドルを送金している。

そのダンカンに最後の仕事が舞い込む。
断りきれずに、請け負い、
ベラルーシに出かけて、一人の男の命を奪うが、
その時、自分が返り討ちに遇う計画だったことを知る。

実は、ダンカンが雇われていた
ミスター・ブルートの会社は、
引退する殺し屋に支払う金を惜しんで、
引退間近のエージェントを狙って始末していたのだ。
チリの豪邸で殺された男をはじめ、
一月で4人が殺されていた。

殺人者軍団は、ダンカンの持っている家を襲って、
ダンカンを殺そうとするが、
そのどこにも別人が住んでいて、
ダンカンの姿は見えなかった。

実は、ダンカンは小さな町の
湖のほとりの別荘に身を隠していた。
穏やかな老後を過ごす準備をしていたのだ。
そこで、湖の向かいの家に住む、
カミーユという、内向的で孤独な女性と知り合う。

殺人者軍団は、ダンカンが20万ドルを振り込んでいた
銀行を見張り、
ついにダンカンを発見。
夜、ダンカンを襲うが皆殺しにあってしまう。
しかし、カミーユが組織によって誘拐されてしまい、
ダンカンは、カミーユを取り戻すために、
ブルートと交渉を開始するが・・・

引退間近の殺し屋が
命の危険も省みずに、
愛する女性のために戦いを挑む、
という、ありきたりな設定だが、
それをマッツ・ミケルセンの魅力で乗り切る。

ブルートに拘束されたダンカンが、
すさまじい拷問を受けながら、
脱出し、
ブルートの軍団、約50名と対決するあたり、
一体、どうなることやら、とハラハラする。
そして、最後のブルートとの対決でのシーンは、
びっくりするような描写が出て来るが、
それは、どうぞ、観て確認して下さい。

カミーユに請われて、
ダンカンは学校で子供たちのために授業をするが、
それが殺し屋稼業から抜け出せない話なのが
笑わせる。

一旦、話は落着したように見えながら、
まだ時間が残っているので、
何かな、と思っていたら、
最後に一捻りが用意されていた。
ダンカンは、悪夢の中で、
自分が今までしてきた殺戮に対する罪悪感に
責め苛まれているのだが、
その伏線が最後になって生きて来る。

ダンカンの通った後は、
死屍累々たる有り様で、
一体何人命を落としたのか、
数えてみたら、と思いもするが、
まあ、映画だし、元々原作が漫画だから。
ヴィクター・サントス
2012年に発表した漫画「Polar 」が原作

とにかく、マッツ・ミケルセンのファンにとっては堪らない映画。
年老いて引退間近の初老の殺し屋の哀愁
マッツの風貌によく似合う。

監督はヨナス・アカーランド
Netflix オリジナル作品で、
2019年1月25日から配信された。

批評家からは酷評された。
おそらく、ダンカンを襲う殺し屋軍団の描写が
コミカルな上に残酷で、
明らかにタランティーノの影響が見られ、
それと後半の追跡復讐劇との整合性が取れなかったからと思われる。
たが、批評家の酷評にもかかわらず、
観客による支持は高い。

ダンカンが師と仰ぐが、
ポーラーを裏切る、
先輩殺し屋として、
リチャード・ドレイファスがワン・シーンだけ出演する。

 



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