空飛ぶ自由人・2

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コロナ後の海外旅行

2023年12月20日 23時00分00秒 | 旅行

コロナで「鎖国」になって歳月がたった。
私もあれほどしていた海外旅行が
はた、と止まってしまった。
海外渡航回数は166、
訪問国は74カ国、
世界遺産は158箇所でストップしている。
(ちょこっと、自慢)
最後の旅行は2020年1月1日帰国の
ロサンゼルスだったから、
そろそろ丸4年の間、海外に行っていない。
飛行機さえ乗っていない。
「空飛ぶ自由人」のブログ題名が恥ずかしい。

しかし、コロナの4年間に、
海外旅行を巡る状況が一変しているようだ。

まず、国際線航空券の値段が高くなった
概ねコロナ前の倍になったという。
ツアーで旅行する方も、
代金の大部分は航空券だから、
ツアーも高くなっている。

たとえば、パリ7日間が
エディハド航空利用でさえ16万3700円。
南回りの乗り継ぎ便など、
かつては5、6万円のツァーがゴロゴロしていた。
ロンドン8日間が32万9千円から58万9千円。
ニューヨーク5日間が18万9800円から55万7800円。
それでも出かけるのは、
コロナ禍で3年以上どこにも行けず、
ウズウズしている人たちが大勢いるからだという。

航空運賃は需給バランスで決まるから、
便数の減少も高値の原因になっている。
2020年は一日平均170便、
2021年は130便、
20222年が191便で、
2023年の成田空港国際線発着数一日329便。
回復したとはいえ、
コロナ前の2019年の一日498便には遠く及ばない。
少ない席数を沢山の客が奪い合えば、
高くなるのは、当然の道理だ。

運航コストも上昇しており、
原油価格の高騰は当然のこと、
コロナ禍で削減してしまった人員確保のコストなどが
経費にそのまま上積みされ、
運賃に反映される。

この高止まり傾向はあと1~2年は続くと思われる。

変化の2番目は、物価、特に欧米の物価上昇

コロナによる供給不足、
ロシアによるウクライナ侵攻、
原油価格の高騰などによってもたらされた世界的なインフレは、
アメリカやイギリスでは概ね8~9%ほどの物価上昇率となっている。
コロナ以前から、欧米の物価は、円換算すると高かったが、
更に今の円安で、
円換算コストは更に上がった。
特に、欧米の飲食店の高さは目をむくほどだ。

物価高だから、ホテルの宿泊料金も高くなる。
ツアーはもろにその影響を受ける。

逆に日本を訪れる観光客は、
物価の安定と円安で、
すさまじい恩恵をこうむっているのが現状だ。

3番目に言えるのは、飛行ルート、飛行時間の変化

原因はウクライナ危機。
以前日本からヨーロッパ方面への直行便は
シベリア上空を通る最短ルートで向かっていたが、
ロシア上空が通過できなくなったことにより、
行きはまず東へ向かってアラスカ上空から北極圏を越えて
欧州へ向かうルートが主流。
昔のヨーロッパ便が、
まずアンカレッジで給油したことを思い出す。

南回りは、
黒海、コーカサス、カスピ海、カザフスタン、中国新疆のシルクロードの辺りを通る。
長いから、当然乗継便になる。

いずれにしても従前より2~3時間余分に飛行時間が必要となっており、
その分の余計なコストは、当然ながら航空会社の経費、
ひいては運賃にものしかかってくる。


                                      そして、4番目は、旅行会社を巡る変化

コロナ前、街角には大小の旅行代理店が林立し、
それぞれが工夫を凝らした独自のツアーを販売していた。
大手と違い、料金も安い。
航空券も、驚くほどお得な格安航空券を紹介してくれたりした。
私も、新橋第一ビルの中にある旅行会社で、
シンガポール航空やマレーシア航空の格安チケットで、
短期のロサンゼルス旅行などをしていた。
小さい会社は小さいなりに、
工夫して対応していたのだ。
そんな気概ある中小の旅行代理店は
コロナで淘汰されてしまった。

というわけで、
航空運賃の高騰、欧米の物価高、円安、
飛行時間、旅行会社・・・
海外旅行をする者にとっては、
今は困った時代に突入している。

考えてみれば、
私はコロナ前に
行きたいところはあらかた行ってしまったので、
幸運と言えば幸運だと思う。
それでも、空港へ向かうバス、
チックイン、出国審査、
ゲートでの待機、搭乗、
機内での出発待ち、
動き始めてのテイクオフでの浮遊感、
等々のときめきは、
もう一度味わいたいと思っている。