lie to me 3

映画(海外メイン)・洋楽(HR/HM)など日々徒然のハマっているものごとの覚え書き

kill your darlings キル・ユア・ダーリン@新宿シネマカリテ 08/27/14

2014-08-28 12:39:06 | 映画・ドラマ


なんの予備知識もなくデイン・デハーン目当てに観に行ってきました「キル・ユア・ダーリン」。
シネマカリテがDVDスルーだったこの映画を、なんと500円で!かけてくれるというので有り難く。
ビートニク云々もほとんど知らず…ウィリアム・バロウズの名前くらいは知ってたけど。

悲しいことにDVDスルーのせいか公式サイトが存在しないので、せめてトレイラーを貼ります。

Kill Your Darlings Official Trailer #1 (2013) - Daniel Radcliffe Movie HD



〈シネマカリテのサイトよりあらすじ。カリテさんまとめるの上手いなー〉
1944年、ニュージャージー。
名門コロンビア大学に入学したアレン・キンズバーグ(D・ラドグリフ)は、どこまでもお行儀の良い大学の空気に不満を覚え、ルシアン・カー(D・デハーン)、ウィリアム・S・バロウズ、ジャック・ケルアックら知的異端児のグループに引き寄せられていく。
中でもルシアンに対する想いは、自分の創作活動の原動力となり、友情以上のものを強く感じ始めていた。しかし、ルシアンに付きまとう同性愛者デヴィッド・カマラーの存在が二人の間に割って入り、独占欲と嫉妬の渦巻く愛憎劇へと進んでいく…。
そして彼らの創造のための欲求と選択も、重大な過ちを招き、哀しい結末へと向かっていくのだった…。


以下雑感。

正直、おセンチなゲイものだったら寝てしまいそう、と心配していたのですが、まったくもって杞憂でした。
1944年のアメリカ、コロンビア大。
戦争やってるのに、アメリカの大学は活気溢れてるなあ。などと国力の差を思いながら観ていました。
(ジャックの友人が前線からレコードレターを送ってくるのが唯一の戦争描写でしたね。これは最後、つらかったです…)
学生はやんちゃだし、なかでも主役のグループは世の中の閉塞感をぶち破りたくてうずうずしててすごく元気。
当時の(多分)最先端にうるさいジャズに乗ってアングラな酒場でクスリも大麻もやるし、でも文学談義も盛んに。クスリをやるからってジャンキーじみてはいなく、絵面もとても綺麗。

ルシアンはいわゆる「ミューズ」だったんでしょうね。
視線ひとつをとってもとても影響力があり、美人で天然に計算高く、脆く儚いカンジ。デハーンはピッタリでした。
バロウズは可愛かった…おぼっちゃんで、ぼそぼそ喋ってた。
ベン・フォスターってこんな役者だったっけ。と思ったら、「3時10分、決断のとき 3:10 to Yuma」に出てたチャーリー・プリンスか!
そりゃー私のタイプだわー。



アレン・ギンズバークのダニエル・ラドクリフは好演、といっていいのでは。
しかし申し訳ないが、あんまり共感はできない描き方だったような。
アレン・ギンズバークのcomplicatedな家庭環境とルシアン・カーのcomplicatedな恋愛模様がリンクして彼らの友情/愛情をより強固なものにしていったように思えましたがどうかな。
ゲイセックスのシーンではなかなか頑張ったカメラワークでしたが…まああそこは「ルシアンに似た男と寝る」のがテーマなんだろうけど、うっかり体毛関係ばかりが気になってしまったのでいやはや。


アレン視点でものすごいぶっちゃけてみると。
自分(アレン)はルシアンに恋をするけどルシアンは自分だけのものにはならないので、彼に良く似たゆきずりの男とゲイセックスをして気持ちを切り替え、殺人をしてしまったルシアンを切り捨てる(しかもそこは、大学に入ってからスルーしていた病んだ母の意見を即座に取り入れ!)。
という、アレンの大人の階段を上るハナシだったのではー。ちがうか。



ひどいこと書いたので、幸せそうなシーンを。

アレンとルシアン、デヴィッドとルシアン、デヴィッドとウイリアム、ジャックとルシアン、その他もろもろ…愛情友情は美しいけど、それを超えると憎しみや執着になってしまって、さらに決別や裏切りになってしまう。
けして映画や同性愛者だけの話ではなく思えたので、この映画はなんというか身近にも感じられます。
また、若人たちの描写は郷愁も感じさせる…私は大学行ってないけど。
言葉の使い方や言い方が印象的な映画でした。



さてちょっと調べると、このへんは有名人が狭い世界でつるんでいるので映画もいくつも作られていますね。
バロウズの伝記映画がコチラ。
「バロウズの妻 」(2000年) 英題:Beat
カラマー事件(1944年)前後からウィリアム・バロウズがメキシコシティで酔った勢いからウィリアム・テルごっこをして誤って妻を射殺(1951年)まで。
カラマー事件が「キル・ユア・ダーリン」ですね。
こちらではキーファー・サザーランドがバロウズをやっているのですが(ちなみに妻はコートニー・ラブ!)、ルシアン・カーがノーマン・リーダスです!!
うーん、なるほどね…。
ディーン・デハーンとかノーマン・リーダスとか、ちょっとだけ崩れたイメージのシュッとした金髪イケメンがいないといけないんだな。


ということで、ネットでちらっと拾ったルシアン・カーご本人の写真を。


ジャック・ケルアックとルシアン・カー。


バロウズ、カー、ギンズバーグ。



原 題 Kill Your Darlings
製作年 2013年
製作国 アメリカ
上映時間 103分

監督:ジョン・クロキダス
ダニエル・ラドクリフ:アレン・ギンズバーグ
デイン・デハーン:ルシアン・カー
マイケル・C・ホール:デビッド・カマラー
ジャック・ヒューストン:ジャック・ケルアック
ベン・フォスター:ウィリアム・バロウズ
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複製された男@日比谷シャンテ 08/23/14

2014-08-25 11:50:23 | 映画・ドラマ
公式はコチラ。





ジェイク・ギレンホールの一人二役っぷりが見事な作品でした。
そして、最初ものすごーく眠かった!
秘密クラブ的なシーンから始めるのやめよーよ、薄暗くていい雰囲気でうつらうつら…蜘蛛を踏む会合、でよかったのか?

しかし、人物がセリフをしゃべり始め、ストーリーが動き出したら面白い。
ジェイクが一人二役をやっていますが、これは生き別れの兄弟なのか他人のそっくりさんなのかはたまたメタファーの一種なのか。
話も、一貫しているのか不思議SFなのかオチはどうなるのかなー?と楽しく観られました。
オチは…びっくりしたけど。

とりあえず、妊婦の奥さんがめっちゃ美人でした…うーん可愛い。
あとバスでストーカー時のエロ目線が、本当にイヤラシイ!いやだわーこういう男、と思わせる素晴らしい演技でした。いやー、いくらイケメンでもあかんね。


ちなみにタイトルですが、下の「Enemy」はアメリカのタイトル、小説のほうはこちらもアメリカでは「The Double」。
作者はジョゼ・サラマーゴ。
この小説で、ポルトガル語で初のノーベル文学賞を受賞しています。
原題「O Homem Duplicado」。
こうやって見て行くと、エネミーはちょっと趣が違うような。。
ダブル、が一番近くて簡単そうかなー、なんて。





原 題 Enemy
製作年 2013年
製作国 カナダ・スペイン合作
配 給 クロックワークス、アルバトロス・フィルム
上映時間 90分
映倫区分 R15+
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