***吉井和哉的日常生活***

アリ地獄に嵌って14年半 吉井和哉のない生活は、たぶん考えられない

ターナー賞の歩み展

2008-07-07 20:34:16 | その他

本日、仕事はお休みし、六本木ヒルズの森美術館で開催されている
“英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展”に行ってきました。

ターナー賞の過去の全受賞者、計23アーティストの受賞当時の作品が展示されています。

賞の名前は知ってても賞の受賞者が誰であるかも知らない私(恥)には
すんごく刺激的で、且つとまどいを覚える美術展でありました。




デミアン・ハーストの『母と子、分断されて』
本物の牛と仔牛です。
頭から尻尾までまっぷたつで、ホルマリン漬けにされています。
本物とは知らずに、この作品のケースと液体と牛の色の美しいコントラストに
スルスルと近寄り、分断された牛の間に入ってその精緻な造作に(と思い込んで)
感嘆の声を上げた私は阿呆です。
作品素材を確認して愕然。
2頭の牛がこの作品のために殺されたんじゃないことを祈りつつ、
人間の傲慢な食のために親子が引き離され、殺されていることへの痛烈な
メッセージであると勝手に解釈しても、それでもやっぱりこれをアートとして
受け入れられない自分がいました。
これが作り物であったら、もっと素直に感銘し共鳴することが出来たのではないかと。




グレイソン・ペリーの『ゴールデン・ゴースト』
一見すると可愛い壺です。 
でも、そこに描かれているのは、虐待された子供や戦争や紛争で死んでいく子供たちです。
形と絵のギャップがメッセージをよりクリアにしていると感じました。




クリス・オフィリ の『ノー・ウーマン、ノー・クライ』
写真だと分かりづらいのですが、手の込んだ、とてもとても美しい作品です。
近くに座り込んで見続けちゃいました。
ペンダントトップと絵の台になっている球状のものは“象の糞”で出来ています。
クリス・オフィリは初の黒人受賞者だそうで、その逆説的ストレートさ(そんな言葉ないか)
が潔いです。




アニッシュ・カプーアの『Void No.3』
これ凄いですよ。本日一番のお気に入りです。
半球体がお椀状になっていると思われる作品なんですが、近寄って目を凝らしても
球体の中の形状が把握できないんです。
見ていると目眩がしてきて足元がふらつきます。
見る者と半球体の間に別の時空間が生まれてる気がしました。
この作品のタイトルは『at the BLACK HOLE』にすべきでしょう。
いや、ホントに。



映像作品も皆かなり面白いです。





開催期間は今月の13日まで。

目眩を体験してみたい人に特にお薦めです











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