報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

ピピ島は壊滅などしていなかった②

2005年07月01日 16時50分49秒 | ●津波後のピピ島
クラビからピピ島への定期便。
案外、ツーリストが乗っている。


船着場から海岸線沿いに1キロほど離れたところにあるバンガロー。
海岸線の目の前だが、津波被害はほとんど受けていない。
芝生が流されただけだ。
背後の山が津波の破壊力を防いだ。


上の写真に隣接するバンガロー。同じく、被害は受けていない。


高台にあるバンガローは、水位上昇による影響さえ受けることなく、
完璧に無傷で残っている。
営業はしているが、ここまで足を運ぶツーリストはほとんどいない。


高台のあちこちにバンガロー群が建っている。
被害を受けなかった建物は、かなりあるはずだ。


山を越えたところにあるロングビーチ。
海岸線にあり、海抜ゼロメートルだが、ここでは膝までしか水位は上昇しなかった。
したがって、ロングビーチのすべての建物は無傷だ。
島全体で多くの建物が被害を免れたにもかかわらず、
メディアは「ピピ島壊滅」という印象を与える報道しかしない。


ピピ島のメインストリート。
復旧され、以前とそれほど変わらない光景だ。
メインストリートを行きかうツーリストは少なく、かなりさびしい。
しかし、毎日何十人かはツーリストが来ている。
今年のオンシーズンには、もう少し賑やかになるかも知れない。


ピピ島のメインビーチ、ローダラム湾。
かつては、世界中から来た観光客で、海もビーチも大賑わいだったが、
いまは静寂そのものだ。
津波はこの海の向こうからトンサイ湾を襲った。


湾の平野部は、いまは荒れた更地となっている。


かつてそこに何があったのかをイメージすることは難しい。