報道写真家から

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ベスラン学校占拠事件から2年

2006年09月08日 21時28分44秒 | ■時事・評論
9月1日はロシアの北オセチアのベスラン学校占拠事件の2周年だった。

”武装勢力”に学校が占拠され、1000人以上が人質になり、ロシアの治安部隊が強行突入し、すさまじい犠牲者が出た。あまりにも衝撃的な事件だった。犠牲者は330人。うち子供が半数と報告されている。

この事件にも不可解な点があり、チェチェン武装勢力の犯行と考えるのは早計だ。

事件からしばらくたってからのテレビ報道をみていたとき、ある母親は、
「救急車で運ばれた娘が、救急車ごと行方不明になった」
と証言していた。
子供を乗せた救急車がどうなったのかは、その後、何の追加報道もなされなかった。いくら大混乱の中とはいえ、救急車が忽然と地上から消えるわけがない。

ロシアでは、政府系の調査委員会とベスラン独自の調査委員会(ベスラン独立調査委員会)が調査を行っているようだ。そして、両者の見解は大きく食い違っている。

占拠犯にはチェチェン人以外のスラブ系の民族も含まれていた可能性が高い。そして、占拠犯の人数も公式発表の倍の60人はいたようだ。公式発表では32人、内31人死亡。しかし、死亡者の中にスラブ系の遺体はなかった。そして残りの占拠犯はいったいどこへ消えたのか?

また、公式発表では、占拠犯が爆弾を爆破したので、治安部隊側が攻撃を開始したことになっている。しかし元人質は、治安部隊から先に攻撃が開始されたと証言している。爆弾のスイッチを踏んでいた占拠犯が次々と撃ち殺されたために、体育館内で連続爆発がおこった。スイッチは、足を離すと爆発するようになっていたことは、当然治安当局は知っていた。

そしてロシア内務省は事件に関する情報を事前に得ていたとも報告されている。

これだけの材料でも、事件の真相の輪郭が描ける。
救急車ごと行方不明になった少女の謎もこれで理解できる。
その救急車に乗っていた少女は、事件の渦中で見てはいけないものを見てしまったのだ。

ロシア政府は、チェチェン人を極悪非道の悪魔にしたてあげたいのだ。




誰が嘘をついているのか?-ベスラン学校占拠事件
http://www.janjan.jp/world/0609/0609030567/1.php
北オセチア学校占拠事件、真実はどこに?
http://chechennews.org/chn/0522b.htm
Independent Beslan Investigation Sparks Controversy
http://www.rferl.org/featuresarticle/2006/08/b841bf15-db81-4d65-96f5-9b10f3ec9d9a.html


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