報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

地雷撤去現場

2005年07月08日 23時41分05秒 | 写真:アフガニスタン
朝5時、カンダハールの郊外をバイクで案内してもらっていたとき、地雷撤去現場に出くわした。飛込みではあるが、取材を申し込むと、快く応じてもらえた。
その場で取材申請書に記入。
それから、万が一の場合の、血液型を訊かれた。













ここには、日本の援助で浄水場が造られる。
それほど多くの地雷は埋まっていないという。
しかし、存在する以上全区画を「掃除」しなければならない。</di















案内の隊員について歩きはじめると、
「3メートル離れて着いてきてください」
と言われた。
地雷原での心得は、万が一の場合でも、被害を最小単位に抑えるということだ。

















いま思えば、カンボジアでは防爆ジャケットもヘルメットもしていなかった。カンボジアに埋設されている地雷は古いタイプのものが多い。
しかし、アフガニスタンではタリバーンが政権をとる1996年まで全土で地雷が埋設されていた。それだけ地雷の性能も向上している。つまり、探知が難しいのだ。
カンボジアでは、金属探知機で探知した後、すぐに足を踏み入れた。






アフガニスタンでは、金属反応が出なくても、すべての区画を掘り起こす。それが絶対確実な探知方法だが、カンボジアに比べると、同じ広さの区画を「掃除」する時間は何倍にもなる。



























この広大な地域を、手作業で全面「一皮」剥かなければならない。
いつものことだが、考えただけでこちらの気が遠くなる。



地雷撤去、七つ道具。
とてもシンプルだ。



















飛込み取材であるにもかかわらず、地雷原の中まで案内してもらえた。
安全のため、撮影もこのままのスタイルで行わなければならない。
バイザー越しに一眼レフカメラを操作。
画角がさっぱりわからない。
デジタルカメラも液晶面がまったく見えない。



</CENTE 5月とはいえ、日が高くなるにつれ、気温は急速に上昇した。
日を遮るものは何も無い。
防爆ジャケットは意外にも非常に軽い素材で作られていた。
しかし、暑い。
ヘルメットやバイザーの中も、すぐに温度が上昇した。
この状態で、極度に緊張を強いられる作業をするというのは、並大抵ではない。
この日の作業は、朝5時から昼12時までだった。
素人目に見ても、それ以降の気温上昇下で作業をするのは危険すぎる。














DAFA(Demining Agency for Afghanistan )
アフガニスタンの埋設地雷は、推定1000万個。
すべての地雷を撤去する費用は2億ドル。

DAFA隊員の給与は、月100ドル。
「作業の困難さと危険度を考えると、とても割りに合わない」
と隊長は語る。
作業の危険に加えて、アフガニスタンではDAFA隊員が、
反政府勢力のターゲットとして殺害されるという事件も発生している。
この日の帰り道も、わざわざ遠回りをして帰った。

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