僕自身は、まだプラウダのように”アル・カイーダは存在しない”とはっきり言い切ることはできない。
しかし、”アル・カイーダは存在しないのではないのか”という視点から世界の出来事とアメリカの対テロ戦争を観察している。そういう命題を設定する必要があるほど不可解な点が多い。
また、「共産主義の脅威」は、意図的に誇張されたものであったとうい事例からも多くを学ぶことができる。91年のソ連邦の崩壊は、僕にはたいへんな衝撃だった。鉄壁の国だと思われていたソ連邦が、まるで途上国並の崩壊の仕方をしたからだ。僕の頭は大混乱だった。ソ連邦の強固なイメージと現実の脆弱さの乖離はいったいどこから来るのか。結局、世界は捏造されたイメージを信じていたのだ。
アメリカは張子のトラのソ連邦を、本物のトラに見せようとしたのだ。政府広報だけでなく、映画やTV、マガジン、小説、コミックなどあらゆる媒体を屈指して、ソ連邦の虚像を作り上げた。ソフト・パワーの影響力は決して侮れない。世界は、張子のトラを本物の人食いトラと信じた。そして、この獰猛なトラからあなた達を守ってあげますよ、と言ってアメリカはまんまと世界を傘下に収めた。
ソ連邦が崩壊しなければ、そのまま「冷戦」は続いただろう。しかし、張子の虎ソ連邦は、必然的に内部から自壊してしまった。アメリカとしては次ぎのトラを用意しなければならなかった。世界が平和になっては、アメリカの支配力は失われ、最終的に没落する。
ソ連邦の崩壊が91年。
第一次湾岸戦争が90年。
これはけっして偶然ではない。
ソ連邦の崩壊を見越して、次の「脅威」がすでに準備されていた。第一次湾岸戦争では、米軍はフセインの眼の前まで迫りながら、なぜかフセインとその体制を倒さなかった。その理由は簡単だ。「脅威」を残しておく必要があったからだ。そして、2003年の第二次湾岸戦争で彼はお払い箱となった。すでに、次の「脅威」が用意されていたからだ。
98年、ケニアのナイロビで最大級の爆弾事件がおこった。(偶然、僕は現場のすぐ近くのレストランにいた。)この爆弾事件を機に、オサマ・ビン・ラディンの名が世界に登場した。
そのビン・ラディンもアフガニスタン戦争で捕らえられることはなかった。ビン・ラディンがCIAと密接な関係にあったことはよく知られている。
世界は、「アル・カイーダ」のボス、ビン・ラディンがどこかに潜んでいることによって、常に「テロの脅威」を感じ続ける。そして、アメリカの存在価値は高まり、覇権は拡大する。「共産主義の脅威」の図式とまったく同じなのだ。
”アル・カイーダは存在しない”と僕に言い切ることはできない。
しかし、疑ってみる価値は十分にあるのではないだろうか。
そしてもし、「アル・カイーダ」が存在しないとしたら、いったい誰が爆弾の計画を練り、実行しているのか。
911事件のあと、ブッシュ大統領は示唆的な演説をしている。
「テロとの戦いは、5年で終わるかもしれないし、50年続くかもしれない」
捏造された「共産主義の脅威」は30年も持続した。
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※BBCドキュメンタリー、「『テロとの戦い』の真相」全三部のストリーム。(字幕なし)
The Power of Nightmares Part I - The Making of the Terror Myth
The Power of Nightmares Part II - The Phantom Victory Myth
The Power of Nightmares Part III - The Shadows In The Cave
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しかし、”アル・カイーダは存在しないのではないのか”という視点から世界の出来事とアメリカの対テロ戦争を観察している。そういう命題を設定する必要があるほど不可解な点が多い。
また、「共産主義の脅威」は、意図的に誇張されたものであったとうい事例からも多くを学ぶことができる。91年のソ連邦の崩壊は、僕にはたいへんな衝撃だった。鉄壁の国だと思われていたソ連邦が、まるで途上国並の崩壊の仕方をしたからだ。僕の頭は大混乱だった。ソ連邦の強固なイメージと現実の脆弱さの乖離はいったいどこから来るのか。結局、世界は捏造されたイメージを信じていたのだ。
アメリカは張子のトラのソ連邦を、本物のトラに見せようとしたのだ。政府広報だけでなく、映画やTV、マガジン、小説、コミックなどあらゆる媒体を屈指して、ソ連邦の虚像を作り上げた。ソフト・パワーの影響力は決して侮れない。世界は、張子のトラを本物の人食いトラと信じた。そして、この獰猛なトラからあなた達を守ってあげますよ、と言ってアメリカはまんまと世界を傘下に収めた。
ソ連邦が崩壊しなければ、そのまま「冷戦」は続いただろう。しかし、張子の虎ソ連邦は、必然的に内部から自壊してしまった。アメリカとしては次ぎのトラを用意しなければならなかった。世界が平和になっては、アメリカの支配力は失われ、最終的に没落する。
ソ連邦の崩壊が91年。
第一次湾岸戦争が90年。
これはけっして偶然ではない。
ソ連邦の崩壊を見越して、次の「脅威」がすでに準備されていた。第一次湾岸戦争では、米軍はフセインの眼の前まで迫りながら、なぜかフセインとその体制を倒さなかった。その理由は簡単だ。「脅威」を残しておく必要があったからだ。そして、2003年の第二次湾岸戦争で彼はお払い箱となった。すでに、次の「脅威」が用意されていたからだ。
98年、ケニアのナイロビで最大級の爆弾事件がおこった。(偶然、僕は現場のすぐ近くのレストランにいた。)この爆弾事件を機に、オサマ・ビン・ラディンの名が世界に登場した。
そのビン・ラディンもアフガニスタン戦争で捕らえられることはなかった。ビン・ラディンがCIAと密接な関係にあったことはよく知られている。
世界は、「アル・カイーダ」のボス、ビン・ラディンがどこかに潜んでいることによって、常に「テロの脅威」を感じ続ける。そして、アメリカの存在価値は高まり、覇権は拡大する。「共産主義の脅威」の図式とまったく同じなのだ。
”アル・カイーダは存在しない”と僕に言い切ることはできない。
しかし、疑ってみる価値は十分にあるのではないだろうか。
そしてもし、「アル・カイーダ」が存在しないとしたら、いったい誰が爆弾の計画を練り、実行しているのか。
911事件のあと、ブッシュ大統領は示唆的な演説をしている。
「テロとの戦いは、5年で終わるかもしれないし、50年続くかもしれない」
捏造された「共産主義の脅威」は30年も持続した。
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※BBCドキュメンタリー、「『テロとの戦い』の真相」全三部のストリーム。(字幕なし)
The Power of Nightmares Part I - The Making of the Terror Myth
The Power of Nightmares Part II - The Phantom Victory Myth
The Power of Nightmares Part III - The Shadows In The Cave
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そういう意味でBBCのドキュメンタリーは本当に画期的だと思います。
DVDになって欲しいですね。
アルカイダの存在も、まず、「アルカイダ」とは(例えば米国がいうところの)とは何か?という問いもありか、と思います。一人あるいはほんの2-3人でも「グループ・集団」と自称している人たちはこの世にたくさんいるかと思います。ただ、司令塔や本部があって、世界中のテロを操作している、実行している・・・という意味での「組織」としては、存在していないのではないでしょうか。そういう意味では、「殆ど実態のないもの」に対して、米国などが恐怖心をあおっている・・・ということは大有りだ、と思ってます。全く、オオアリです!
お返事を書いていたら、たいへん長くなってしまいましたので、『ドルに支配される世界』と題して、独立した記事とさせていただきました。
ご参照ください。
前にコメントしたときにも言っておられましたがなんでアメリカは「脅威」が必要なんでしょうか??
確かにいたほうが
GOOD MEN(U.S.A)
VS
EVIL GUY(Whatever they made up)
という構図ができて世界に「オレが正しい。俺について来い」ってのが言いやすいのは分かるんですがそれがなぜドルの問題とかアメリカの崩壊?にまでつながるのか分からないです。そうでなくてももうアメリカがいないと国が成り立たなくなる国家はいっぱいあると思うのでズルズルと着いてくると思うのですが・・・。特にソ連など冷戦があれば安保理などで都合の良いコトもできないしアンチ派を増やす事になるんだろうなと思ってたんですが・・・
・・難しいですね