報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

バブルもハイパーインフレも国策

2006年01月17日 00時17分02秒 | □経済関連 バブル
日本経済は一見何事もないかのように見えますが、国家財政という視点から見ると、事態は少々違ってきます。すでに償還不能なほど国民から借金していることから、国家財政は事実上破綻していると言えます。ごく一部の専門家を除いて、誰もそのことを言わないだけです。

日本の財政構造は、日本経済の絶頂期に出来上がったシステムです。しかし、バブル崩壊以降、巨額の国債を発行していることから、この構造はすでにまったく機能していないと言えます。国家財政は、国民の金融資産を食い潰しながら賄われてきたというのが実情です。国民の金融資産は有限であり、食い潰された後には何も残りません。

国家の借金も当然返済しなければなりません。永遠に借金をし続けることは不可能です。今回問題にしているのは、日本政府が抱えている莫大な借金を返済する方法があるのか?ということなのです。

これは、製造や商取引など日本経済の活動とはまったく別の問題です。景気に関係なく、国家が償還不能なほど借金を膨らまし続ければ、いつかは財政が破綻します。そしてそれはすでに来るところまで来ているというのが専門家の見解です。

国家が莫大な借金を解決するために執る策は、
①緊縮財政と大増税
②ハイパーインフレ
の二つしかないようです。

懸命な政府なら「緊縮財政と大増税」を選ぶでしょう。しかし現政権は緊縮財政などする気はなさそうです。「小さな政府」というのは単なる見せかけで、まったく緊縮されていません。このような状態では、仮に大増税をしてもほとんど意味がないでしょう。国家債務は減らず、いたずらに国民が苦しむだけです。

「緊縮財政と大増税」をする気がないとすれば、残るはハイパーインフレしかありません。ハイパーインフレとは、勝手に生じるものではなく国策です。国家による借金の踏み倒しです。仮に国家債務を800兆円としても、すでに償還不能なのです。ましてや、1600兆円や2000兆円といった規模なら答えは明白でしょう。

かつて政府は、自らバブルを創造し、それを極限にまで膨らませ、そしてコントロールを失い、破滅を招きました。その結果、莫大な国民の富が失われました。バブルは決して、勝手に膨らんで勝手に弾けたわけではありません。バブルは国策だったのです。誤った国策のため、日本は90年代をまるまる棒にふりました。しかしバブル絶頂期、誰がバブルの崩壊を危惧したでしょうか。

ハイパーインフレも同じです。それは、国家の手によって引き起こされ、バブルの比ではないほどの打撃を国民に与えるでしょう。しかし、誰もそうした危惧を持っていません。

警鐘を鳴らしている専門家は大変少ないです。ほとんどのエコノミストは、日本は安泰であるかのように取り繕っています。しかし腹の内では、国家財政が遠からずたち行かなくなることを知っているはずです。

それを防ぐ方法があるとしたら、国民がその危険性を知ることだと思います。国民が、”ハイパーインフレなんて起こるはずがない”と高をくくっていればいるほど、その危険は増し、それは突然やってきます。バブル崩壊のように。

ハイパーインフレを信じる信じないにせよ、そういうことを言っている奴がいる、ということくらい念頭においても損はないと思います。


※これはコメントへの返信として書いたものですが、長くなりすぎましたので独立した記事としました。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もう一つの手段 (ちゅうたしげる)
2006-01-17 08:34:10


<国家が莫大な借金を解決するために執る策は、

①緊縮財政と大増税

②ハイパーインフレ

の二つしかないようです>



その先には、戦争、戦時統制経済という手段があるようにおもいます。
失礼 訂正 (ちゅうたしげる)
2006-01-17 08:43:14


国家が莫大な借金を解決するために執る策は、

①緊縮財政と大増税

②ハイパーインフレ

の二つしかないようです>



 その先には、戦争挑発、侵略戦争、戦時統制経済という手段に訴える可能性もあるとおもいます。
ちゅうたしげるさんへ (中司)
2006-01-17 22:08:42
この他にも、日本の財政がIMFの管理下に置かれると予測している財政史家もおられます。



またしばらく、ネットのない生活になります。