バンコク。
何回この街に来たのか定かでない。
4冊目のいまのパスポートで12回。
他の3冊は数えたことがない。
常にバンコクでチケットを買うので、
日本を出れば必然的に2回寄ることになる。
いつもならドムアン空港に着き、
空調の利きすぎた到着ロビーを出ると、
むせるような暑熱が出迎えてくれる。
まとわりつくような濃厚な空気に包まれると、
ああ、来たなという気分になる。
しかし今回は空港の中の方が暖かかった。
12月のバンコクはこんなに涼しかっただろうか。
そうだったのかもしれないけれど、
いつもは、タイでもっとも暑い時期に来るので、
今回のように寒いとさえ感じる空気に包まれると戸惑ってしまう。
なんだかタイでないような。
いや、やっぱりタイだ。
通りには様々な匂いがあふれている。
多量の香辛料を使うタイカレーの惣菜から鼻をくすぐる匂いが。
豚肉や鶏肉を煮込む屋台から濃厚なタレの匂いが。
お菓子を焼く屋台から甘いココナッツの香りが。
しかしほとんどは正体不明の匂いだ。
それらが、ひしめきあう屋台から、
時には渾然一体となり、時には行儀よく並んで流れてくる。
ああ、タイだ。
東南アジアはどこへ行ってもたくましい食文化がある。
とりわけバンコクのような大都市はそれが見事に結実している。
この情熱がある限り、タイの経済は安泰だとさえ感じる。
もちろん経済は食だけで形勢されているわけではないが、
そう思えるたくましさなのだ。
街全体に、言い知れぬエネルギーが渦巻いている。
こちらのこころもわくわくしてくる。
この活気に包まれているのが、たまらなく心地よい。
もし、バンコクから屋台が一掃されたら、
この街の魅力も半減してしまうことだろう。
少なくとも僕にはそうだ。
乙に澄ました街よりも、ひっくり返ったような街の、
混沌としたエネルギーがたまらなく好きだ。
屋台に繰り出し、
食を堪能する人々に包まれ、
とても豊かな時間を過ごす。
ここにはたくましいエネルギーが渦巻いているのだが、
時間はゆっくり流れているような気がする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/c6/105b47214d68596da30563768787e48c.jpg)
何回この街に来たのか定かでない。
4冊目のいまのパスポートで12回。
他の3冊は数えたことがない。
常にバンコクでチケットを買うので、
日本を出れば必然的に2回寄ることになる。
いつもならドムアン空港に着き、
空調の利きすぎた到着ロビーを出ると、
むせるような暑熱が出迎えてくれる。
まとわりつくような濃厚な空気に包まれると、
ああ、来たなという気分になる。
しかし今回は空港の中の方が暖かかった。
12月のバンコクはこんなに涼しかっただろうか。
そうだったのかもしれないけれど、
いつもは、タイでもっとも暑い時期に来るので、
今回のように寒いとさえ感じる空気に包まれると戸惑ってしまう。
なんだかタイでないような。
いや、やっぱりタイだ。
通りには様々な匂いがあふれている。
多量の香辛料を使うタイカレーの惣菜から鼻をくすぐる匂いが。
豚肉や鶏肉を煮込む屋台から濃厚なタレの匂いが。
お菓子を焼く屋台から甘いココナッツの香りが。
しかしほとんどは正体不明の匂いだ。
それらが、ひしめきあう屋台から、
時には渾然一体となり、時には行儀よく並んで流れてくる。
ああ、タイだ。
東南アジアはどこへ行ってもたくましい食文化がある。
とりわけバンコクのような大都市はそれが見事に結実している。
この情熱がある限り、タイの経済は安泰だとさえ感じる。
もちろん経済は食だけで形勢されているわけではないが、
そう思えるたくましさなのだ。
街全体に、言い知れぬエネルギーが渦巻いている。
こちらのこころもわくわくしてくる。
この活気に包まれているのが、たまらなく心地よい。
もし、バンコクから屋台が一掃されたら、
この街の魅力も半減してしまうことだろう。
少なくとも僕にはそうだ。
乙に澄ました街よりも、ひっくり返ったような街の、
混沌としたエネルギーがたまらなく好きだ。
屋台に繰り出し、
食を堪能する人々に包まれ、
とても豊かな時間を過ごす。
ここにはたくましいエネルギーが渦巻いているのだが、
時間はゆっくり流れているような気がする。
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