報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

ノーマークの人物

2005年12月13日 19時47分17秒 | ■時事・評論
この情報過多の時代に、いったい誰の言葉を信用すれがいいのか、その判断はとても難しい。

僕は、ある金融アナリストのサイトを昨年あたりから、欠かさず読んでいた。とても大胆な分析で、参考になることが多かった。分析が正しいかどうかというよりも、大胆不敵な発想が挑戦的で楽しかった。そして、このアナリストは小泉首相の政策をコテンパンに批判していた。

しかし、911の選挙直前、彼はいきなり「転向」した。しばらくは唖然としたものの、有名であればあるほど、圧力や恫喝も激しいのだろうと理解した。恫喝に屈しないというのはよほどの人物にしかできない。以後、このアナリストのサイトの見出しくらいはたまに見るのだが、以前と違って、タイトルに精彩がない。かつては、タイトルにも気迫があったものだが。

逆に、いままでまったくノーマークだった人もいる。
評論家の森永卓郎という人がいる。オタク系グッズなんかを集めている人。テレビでたまに見たことがあるだけで、どういう人かは知らなかったし、興味もなかった。その森永氏のサイトを、少し前に偶然読んだのだが、こういう人だったのかと、驚きを持って読んだ。


 だが、転向したのは造反議員だけではない。

 テレビに登場する評論家たちを見るといい。総選挙前には、あれほど小泉首相の批判をしていたというのに、自民党が圧勝するや、まるで雪崩のように小泉応援団に変わってしまった。

 私が注目しているのは、ある女性評論家である。総選挙前は歯切れのいい小泉批判をして人気があったのだが、いつのまにか小泉応援団にまわってしまった。

 その結果、何が起きたか。不思議なことに、その直後から彼女がテレビに登場する回数が激増したのである。

 一方で、私は相変わらず小泉首相の政策を批判し続けている。そして、これまた不思議なことに、私に対するテレビの出演依頼は、小泉内閣の支持率に反比例して急激に減っているのである。

http://nikkeibp.jp/sj2005/column/o/07/


僕のブログでリンクしている森田実氏も、テレビ出演等がなくなったということを書いておられる。小泉首相とその政策を批判する者はそういう運命にある。それでも、批判すべきを批判し続ける人こそ信念の人だ。

さっそく、森永卓郎氏のコラムもリンクさせていただいた。森永氏は、いま小泉政権の政策を批判している評論家は、10人ほどしかいないと述べている。実に、お寒い現実だ。

逆の見方をすれば、いまテレビに出て、威勢のいいことを言い放っている人たちの言葉は、ほとんど信用するに値しないと言える。僕は、そのように彼らを見ている。


小泉改革をどう生きるか 森永卓郎氏コラムサイト
http://nikkeibp.jp/sj2005/column/o/index.html