倉野立人のブログです。

日々の活動を みなさんにお伝えしています。

〈 より良い品質を 〉

2014-10-29 | インポート
10/28 Tue. [クラちゃんの起床時刻 5:00 AM ]
戦後 最も大きな火山災害となった 「御嶽山噴火災害」 から、はや 1 ケ月が経過しました。
われわれを報道画面・記事に釘づけにし、その後 時間経過と共に伝えられる被害拡大の報に胸を痛めるばかりであった大参事も、発生後 着実に時間は経過し、やがて厳しい冬を迎えようとしています。
現在では、噴火による 直接的被害 が 観光部門などへの間接的被害に広がりつつあり・・・とき ここに至って 冬に向けて 複合的に大きな課題が私たちの前に横たわっています。
今後 私たちは、未発見者の収容に併せて、雪崩・流砂などのハード面の課題、また 経済的影響などのソフト面の課題にも対峙してゆかなければなりません。
「喉元過ぎれば・・・」 とならないよう、現地の方々と同じく 問題意識をもってゆくべき、と 改めて思いをいたすところです。
「果物といえば・・・」 と言われるほどの 果物の王道である 「ミカン」 について、紀伊地方を中心に構成される 主力産地の 「日本園芸農協連」 が、今シーズンの「極早生(ごくわせ)ミカン」の販売を、10月29日をもって中止することが報じられ、耳目を集めました。
報道によると、今年は ミカン農家にとって 「裏作」 の年だそうです。
「裏作」 というのは、果実の〝なり(収穫量)〟の少ない年だそうで、ミカンに関しては、よく採れる 「表作」 と、相反する 「裏作」 の年があるそうです。
そのうえで問題なのは、出荷量の少ない裏作の年は、通常であれば 高値で取引きされるハズなのに、今年の市場価格は、前年比マイナス17%に止まっている とのことでした。
これは、裏作の年にも関わらず 市場への供給量を増やしたこと、そして何より 「無理をして」 裏作の年にも関わらず多くを出荷しようとしたために、製品(ミカン)の糖度・酸度が品質基準に満たないものが散見され、その結果、価格低迷につながってしまった、ということに原因があるそうです。
そこに追い打ちをかけたのが、ミカン産地である西日本が、照度の欲しい8月に長雨による日照不足となってしまった 気象現象でした。
裏作+無理な出荷+8月の日照不足=品質低下⇒市場価格低迷 の 「負のスパイラル」 に陥ったようです。
果実産品においては、他の産地に先んじての市場出荷が 高値取引の必須条件と言われていますが、その〝早さ〟に固執したために、肝心の品質が良くない状況をつくってしまったとすれば、努力したあげく、自らに不利益な状況を招いてしまったことになり、残念という他ないところです。
そういう中で、日本園芸農協連が、自ら自粛の道を選んだのは 「勇気ある撤退」 と言えるのかもしれません。
今回の報道は、こと ミカンに限らず、他の農産品、ひいては あらゆるサービスにもあてはまることと思います。
目先の利益だけを追って、肝心の顧客満足度を損(そこ)ねてしまうことになれば、それは〝点に唾(つば)する〟行為、やがて自分に跳ね返ってくることになるでしょう。
顧客のために より良い品質を維持し 供給し 喜んでいただくことこそが、とりわけ農業者にとっての使命であり、真の満足度向上につながると思えるところです。

Mikan


最新の画像もっと見る

コメントを投稿