倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

改めて注意喚起「高齢者の栄養失調」

2023-08-14 | 日記

暑い。とにかく暑い。

戸外を歩いていると、アタマがボーっとしてくるような感じです。

市内を移動中に 大型の気温表示計に目をやると、ついに36℃の標示が。

体温の中にいることになります。

 

 

 

私自身、この日初めて「あれ…熱中症?」というような 何ともいえない感覚に陥ったものです。

頭痛というほどではありませんが、頭が重くなるような感覚と 足が前に進みにくくなるような倦怠感。

あと、何というか 電池切れの近い電化製品のような〝動作不良感〟を実感することとなり「こりゃヤバイ」と思い、甲子園球児のクーリングタイムではありませんが 通りがかりのスーパーの休憩スペースに飛び込み しばし身体を冷やしたものでした。

この 言いようのない酷暑。これを乗り切るには、それなりの体力と滋養が必要なようだということを実感し、そのためにも「シッカリ食べてよく寝る」ことが大切であることを再認識したところです。

 

そんな中、従前に栄養士として働いていた方から「今、高齢者の間で「栄養失調」の人が意外と多い」旨を知らされ、この際は みなさんに改めて周知するところです。

で、このこと(栄養失調)が、夏バテ要因の筆頭にもなり ひいては重大な健康被害の要因にもなることを、私たちは思っている以上に深刻に捉えなければならないとのことなのです。

 

高齢者の方々は、食事自体は 朝・昼・夜と 三食を規則正しく摂っておられます。

それなのに、昨今 栄養失調に陥る高齢者が増えているとのこと。

これは「新型栄養失調」とも呼ばれ、厚生労働省の調査によると 70歳以上の5人に1人が該当すると報告されているそうです。

 

 

 

 

新型栄養失調になるのは、食事をしっかり摂っているつもりでも タンパク質やビタミン、ミネラルなど体の滋養の原資となる栄養が足りない「低栄養」が原因とのことです。

戦中戦後の貧しい時代ならいざ知らず〝飽食の時代〟とも言われるこの時代に栄養が足りない高齢者が増えている?不可思議ともいえる社会状況ですが、そこにはいくつかの理由があるようです。

低栄養になる要因の一つに「粗食志向」があるとのこと。
高齢化に伴い「メタボや肥満にならないよう」との〝過剰な心がけ〟によって、また「年寄りはそんなに動かないのだから、たくさん食べない方がイイ」などと言っては〝粗食を良し〟とする思考が低栄養を招くことになってしまうそうです。また、40~50才代の頃の健康診断で指摘されたコレステロールや脂質過剰が意識の中に残っており、年を取っても卵や肉を避ける傾向があり それがタンパク質の不足を招いてしまうことになっているそうです。

食べることは食べても 身体の滋養につながらないもの(品目)がメインとなる食事内容では、その(食事の)効果は充分とはいえなくなってしまう。

そこに加えての要因の2つめに「加齢による消化吸収力の衰え」があるようです。

高齢になると身体の消化吸収力が低下するため、若い人と同じ量のタンパク質を摂っても、効率よく筋肉や血管にすることができなくなってきます。

1日あたり必要とされるタンパク質の摂取量は、高齢者と現役世代の必要量に差は無いそうです。なのに、高齢者の消化吸収量が衰えることで 必然的に体内の滋養が減ってしまうことになってしまうのです。

この 高齢者のタンパク質不足は「フレイルティ(虚弱)」の症状を招くことになり、疲れやすい・力が出ない・持久力が無い といった〝バテる〟状態の要因となるとのこと(夏バテや熱中症の要因)

 

そして、そんな低栄養が 単なる体調不良に止(とど)まらず、認知症や寝たきりのリスクにもつながるそうです。

低栄養によって筋肉が落ち・免疫機能の低下・血管や臓器の劣化の要因ともなり、それは身体の動きを司る脳の働きを鈍らせると同時に、例えばそれら機能低下が歩行時の転倒にもつながり、ひいては骨折・肺炎等の感染症・脳出血・心不全の可能性、それらがやがて認知症や寝たきりになるリスクにもつながるとのことです。

低栄養 侮(あなど)らざるべしというところです。

 

そんな低栄養にならないためには、やはり 魚・肉・卵・乳製品・大豆製品などのタンパク質、さらに タンパク質の合成を促進するビタミンやミネラルを含有する野菜を積極的に摂ることが欠かせない。当たり前のことですが。

 

私も地域を歩く中、食事を〝省略〟する高齢者の方々を少なからず見かけます。

朝はご飯と漬物だけ。昼は素麺(そうめん)だけ。夕飯は菓子パン一つ。これで一日の食事とか。

「そんなんで大丈夫?」と訊くと「オラ もうこんな年を取ったから、そんなに食わなくてもイイんだ。」と笑って応えてくれますが、どう考えても栄養不足でしょう。

 

今や人生100年の時代。

そんな中、人生の仕上げの段階を元気に過ごすよう また現下の酷暑を乗り切るためにも、70・80代を迎えた(超えた)人ほど、タンパク質や野菜をシッカリ摂ってほしい。

酷暑にしんどさを覚えた私からも、先輩方に乞うところです。