倉野立人のブログです。

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青木島遊園地廃止問題に感じさせられる〝デジャウ"(既視)感〟

2023-02-08 | 日記

今や 大きな社会問題となっている「青木島遊園地廃止問題」ですが、地元住民の方々の求めに応じて存続要望活動のお手伝いをさせていただく中で、この問題が 実は単なる遊園地存続⇔廃止のことに止(とど)まらず、長野市内での 一見すると別のジャンルと思われる課題と同じ性質を有していることを実感させられています。

いわば〝課題のデジャウ"感(既視感)〟とでも申しましょうか…一見 全く異なるように見える問題の中に、同じ〝影〟が見えるのです。

 

私は今、3件の市民課題に関わっています。

1つは、この 青木島遊園地廃止問題。

2つめは、知的障がい者支援を取り巻く諸課題についての取り組み。

3つめは、公共施設マネジメントにおける施設の存廃や利活用についての取り組み です。

 

1つめの 青木島遊園地廃止問題について は、ご案内のとおり 長期に亘る「音」に関する問題が膠着(こうちゃく)し、遊園地が存続されるか否かの大問題に発展しています。その経過についてはさまざまな評価と分析がされているところですが、この案件の中で、最も重要視されるべきでありながら置き去りにされている点があります。

最も影響を受けているのは、なにいう「子どもたち」なのです。

2つめの 知的障がい者支援を取り巻く諸課題について は、本来 知的障がい者の自立と収入(工賃)アップを図るために存在する障がい者支援施設が、実際には、施設(団体)の維持と そこで働く職員の就業のために存在し、肝心の障がい者への真の支援が置き去りになっている実態がある。

ここでも、最も影響を受けているのが、施設の利用者さん(知的障がい者)なのです。

3つめの 公共施設マネジメントにおける施設の存廃や利活用について は、市(行政)が 総務省の肝いりで進めようとする「公共施設マネジメント」によって公共施設を削減しようとしており、そこには市の業務効率が先立ち、いま施設を使っている利用者の利便性が置き去りになっています。

ここで影響を受けているのが、利用する施設が無くなってしまう 利用者たる市民のみなさんなのです。

 

青木島遊園地廃止問題に関わる中、その通底に横たわる本質的な問題~子どもたちが最も影響を受けることになっている~を再認識したとき、他のジャンルであっても 全く同じ構造的な問題があることに気づかされたのでした。

行政体や団体のなどの組織運営や事業を進めるとき「誰のための組織(事業)か」との基本原理(原則)を見誤ったり、組織にとってプラスになるためだけに腐心することで何が起きるか。

 

肝心の、本来 益(えき)を受けるハズのエンドユーザーが、逆に組織の犠牲にさせられてしまうのです。

この、本来あってはならない悪しき社会状況は 何としても直してゆかなければなりません。

そのために 私たちは何を為(な)すべきか。

事業や組織に関係する全ての者が、現場を知り そこに居(い)る人を知り、どういう思いで活動されているかを知る。

そのうえで、一方の価値観に拠(よ)らず 双方・全体を俯瞰でみたうえで最適な環境を共々に模索し、みんなで結論を導き出す努力を重ねてゆこう。

 

従前にも触れましたが、これから社会状況が複雑かつ厳しさを増す中、であるからこそ 互いを認め、支え合いながら前へと進んでゆかなければならない。

そんな意識を持たず 一方の価値観で物事を進めようとするから、さまざまな問題が発生するのです。