倉野立人のブログです。

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こどもへの支援は継続的に =長野市こどもの体験応援モデル事業=

2023-08-10 | 日記

さきの新聞記事に「子どもの習い事(ならいごと)諦(あきらめ)ないで/低所得者支援  CF(クラウドファンデイング)で寄付募る」の記事が載り、耳目を引くと同時に  長野市が新たに行なう事業との整合性を考えさせられたところです。

 

 

 

記事によると、教育支援に取り組む公益財団法人が 、家庭(親)の経済的状況により スポーツや習い事・キャンプ体験などをあきらめざるを得ない状況になっていることに鑑み、その費用を支援する中で それ(費用)をクラウドファンデイング(不特定からの寄付)で補おうというものです。

この団体の取り組みの背景には、社会に内在する「格差」があることは自明です。

富む者と富まざる者…それが その子女にも影響が及ぼされているのはやり切れないところでありますが、そんな いわばどうしようもない現実に心を砕き、具体的な支援を行なっているのは崇高な取り組みと申せましょう。

この団体の活動詳細までは知るところではありませんが、いわば日(陽)の当たらない子女に「機会」を与える活動が CFの力を借りるなどして継続的に行なわれることを期待するところです。

 

 

ところで、この活動を同義と思われるのが 長野市が行なう「こどもの体験応援モデル事業」です。

 

 

 

このことについては さき(25日付)のブログでも触れたところですが、この度 長野市が「スポーツや文化芸術・自然体験・民間の各種教室など 市や民間が多様な体験プログラムを用意し、そのプログラムの参加に利用できるクーポンを配布することで、子どもたちがプログラムを通じて自分の好きな活動を見つけ、自己肯定感を育みながら成長できる環境を提供するもの」として、こども1人あたり1万円の電子クーポンを配布するものです。

 

 

 

 

私は、今回の公益財団法人の記事と この長野市の事業を重ね合わせたとき「こども支援の継続性」について思わずにおれませんでした。

(これは やはり25日のブログでも触れていますが)世帯の状況(経済的事情)により習い事が憚(はばか)られている世帯の子どもに せめてもの体験をさせてあげようという趣旨自体に異論を唱えるものではありませんが、問題は やはり「継続性」ということに尽きるでしょう。

クーポンを使って習い事を体験「こりゃ面白い」として〝やる気スイッチ〟がはいり「もっとやりたい!」となるも、1万円クーポンが終わった時点で「ハイ、おしまい」というのであれば、自己肯定感どころか 自己否定につながりかねないと思わざるを得ません。

 

この件については、本会議の答弁等で 効果測定を行なうこと・それらを踏まえて継続的に実施を目指すとされており、今後に含みを持たせることになっています。

このことから、この応援事業には「継続性」が欠かせないところであり、事業を実施するなら 一時的な支援に終わらないよう計らうべきことを強調したいところです。

理想と現実の狭間で揺れる子どもらを逆に翻弄することのないよう、事業によって「匂わせ」となり ひいては〝罪つくり〟とならないよう、今後の事業の行方を見守ってゆかなければなりません。

 

記事に載った公益財団法人が 子どもに対し永続的な支援を目指していることを見るにつけ、それに比して長野市の事業が 真に子どもの支援に(永続的に)つながるものになるかどうか、検証してまいります。