goo blog サービス終了のお知らせ 

倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

長野県のガソリン価格にカルテル(公正取引)違反か? =で あるとすれば許されない事案=

2025-02-06 | 日記

2月5日付の信濃毎日新聞に「長野県石油商業組合・県石油協同組合(以下/組合)」に加盟する 長野市内の複数系列のガソリンスタンド(GS)が、店頭表示価格を揃えるため 値上げ幅や値下げ幅を事前調整している疑いがあることが分かった。信濃毎日新聞はGS間の電話連絡の音声データを入手」との報道がされ、県民の間に激震が走りました。

 

 

信濃毎日新聞デジタル(全文を読むにはログインが必要です)

           ↓

【特報】ガソリンの価格調整か 長野市内のスタンド間、電話連絡の音声データ入手 独禁法抵触恐れ、組合側は関与否定|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト

 

記事によると、信濃毎日新聞記者は 組合の会議で 1月17日の値上げを指示する内容の〝音声〟を入手したとのこと。

それは役員の声で、具体的には「価格は17日から全油種でプラス3円で。」との電話連絡でした。

この連絡を受けた店は、17日から3円の値上げを表示したとのことでした。

なお 17日は、価格抑制のための国による補助金が5円縮小され、市内のガソリン価格が一斉に値上げした日とピタリ一致したのでした。

このことについて 信濃毎日新聞記者が複数のGS関係者に取材すると、価格表示の変更の際には 毎回に亘り他社の関係者から連絡があり「価格は自社では決められない」と答えたうえで「(値上げは)組合の指示だと認識している」とのこと。

さらに驚くべきことに、各店舗のガソリン表示価格は組合関係者によってチェックされており もし取り決めの価格より安く表示されていたときには〝改善〟を求める連絡が来るとのことなのです。

このことについて専門家は「値崩れを防ぐために 事業者同士や業界団体内で連絡を取り合い価格を決める「不当な取引制限(カルテル)を禁じた「独占禁止法」に抵触する可能性がある」と述べていることも併せ伝えられていました。

なお、経済産業省資源エネルギー庁によると、県内のレギュラーガソリン1L当たりの平均小売価格は 昨年8月13日以降22週連続で都道府県別の最高値で推移し、最新の1/27日時点では全国2番目で高止まっている とのことです。

 

このことについて、記者が組合の理事長を取材すると、先ず組合としての関与を否定した上で「価格調整をしている業者があるとすれば遺憾だ」と述べとのこと。さらに組合の専務理事は「組合は関知していないが、事実であれば大きな問題で指導する」とした、とのことです。

これを要約すると「価格調整は各社が勝手にやったこと」との解釈になりますが…。

「よく言うよ。」県民の心の声が聞こえてくるようです。

 

私たち長野県民は、もう長いこと〝ガソリン価格 全国トップクラスの高値水準〟との悪しきレッテルを貼られ 苦しんでいます。

取りわけ長野県は 国内に冠たる「クルマ社会」です。

残念ながら公共交通が不充実の中、人々は移動等の「足」としてクルマに頼らざるを得ないのが現状です。

そのため、クルマを動かすためのガソリン価格は 家計や事業所の経費をモロに圧迫することとなり、厳しいやり繰りに拍車をかけることになっています。

そんな厳しい状況がありながら、県内の業界団体は ガソリン価格を相互に調整し、敢えて高止まりの状態を維持させていたのでしょうか?

さらに穿(うが)った見方をすれば「長野県民はクルマが無ければ生活が成り立たないのだから、いくら高値にしておいても 文句は言っても給油(購入)を止(や)めることはないサ」と たかをくくっているのでしょうか?

もし これが事実なら、到底 許されることではありません。

 

 

このことについて長野県の阿部知事は「報道が事実なら極めて重大な問題だ」としたうえで、今後 組合に対し説明を求めてゆくとしているとのことです。

 

 

 

この「阿部知事の怒りの声」には〝伏線〟があるのです。

阿部知事は 年頭での県内の諸課題に際し、ガソリン等が全国有数の高値にあることを憂慮したうえで 去る1月16日に組合幹部と意見を交わし、官民一体の協議会を立ち上げるなど〝真摯な取組み〟を確認し合っているのです。

 

 

 

その裏で、半ば公然と行なわれていたカルテル違反。

長野県のトップも 欺(あざむ)かれていたということでしょうか。

 

繰り返しになりますが、これら案件に該当する「独禁法」は 事業者同士のカルテルを禁止しており、さらに 事業者団体が会員間の競争を実質的に制限する行為も禁じています。

独禁法に詳しい識者も「ガソリン価格の事前調整は、独禁法の禁止行為に該当する可能性が高い」と断じています。

 

今回のスクープ記事、今後の展開が大いに注目されます。

多くの県民がガソリン価格の高止まり状態に苦しむ中、改善の糸口になるかどうか…。

私の立場においては、長野市消費生活センターを端緒に 調査を進めてゆきたいと考えています。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スキージャンプ 葛西紀明選手... | トップ | 長野県のガソリン価格に「業... »