倉野立人のブログです。

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青木島遊園地存廃問題 =各方面から挙がる疑問の声=

2023-04-13 | 日記

未だ大きな社会問題となっておる「青木島遊園地存廃問題」について、(これまでも触れていますが)長野市(市長)は17日からの「原形回復工事」に着手することを表明していますが、その〝手法〟を巡り、さまざまな方面が疑問と懸念の声が上がっていることが伝えられています。

長野市が「区長会からの要望」の体裁を持ちつつも、その実は市が主体となって半ば一方的に廃止に向けて突き進んできた これまでの経緯についてはご案内のとおりですが、ことここに至って やはり一方的に工事(原形回復工事)を進めようとする中、これまでの経過の中で長野市に最も欠けており 今後は遵守しなければならないとされていた「住民への説明責任」について、荻原市長は12日の定例記者会見で「(17日に始まる原状回復工事について)住民説明会は開かず、文書の配布や回覧で済ませる」との考えを示したことが伝えられ、何ら学習をしていない姿勢に落胆させられたのでした。

 

 

 

青木島遊園地存廃問題においては、これまでもさんざんお伝えしているとおり、その(廃止の)進め方について、いわば「△△ありき」の、経過が不透明のまま 市の思惑のままに進める行為、さらには さまざまな事象についての事前説明や あまねく住民を対象にした説明を省いたまま進める行為が多くの批判を招いています。

特に、2022年2月にいったん公園廃止を決めた際 大半の住民への周知を回覧板に止(とどめ)たことが大きな批判を招いたものでした。

で それらのことについては、市長も真摯に受け止め 議会の場では謝罪の意まで示して見せたところでありました。

ところが、いわば事(こと)が佳境に入り 遊園地廃止を悼(いた)む多くの住民(市民)に対し、最も気を遣って対応すべき今の局面においても「住民説明会は開かず、文書の配布や回覧で済ませる」とのことなのです

会見で市長は「住民に確実に情報が届くよう担当課に徹底を指示している」とした一方「廃止の事実は市議会や報道を通じて十分に周知できている」と述べたとのこと。

この発言の中で(市長が)言う「住民に確実に情報が届くよう担当課に徹底を指示している」この聞こえのイイ指示に対し、担当課が行なったことは「回覧板」とのこと。そんなこと(回覧板を回しただけ)で〝住民に確実に情報が届く〟と言える(思っている)のでしょうか。さらに「廃止の事実は市議会や報道を通じて十分に周知できている」については、いわば「これだけ世間が騒いでいるのだから みんな知ってるでしょ」との 当事者意識が欠如した〝他人事の感性〟であると言わざるを得ないところです。

この〝説明責任〟については、遊園地の存続を願う会からの要望書や、区長会の席上でも一部の心ある区長から説明会の開催を求める声が上がったとのことですが、市(市長)は結局 それらの「声」には応じなかったことになります。

 

また、やはり会見で 市長は、遊園地廃止に伴い 利用主体だった隣接の児童センターを近くの青木島小学校内に移し遊び場を確保する計画を示しているものの、原点での進捗について市長は「関係部局に今月中に具体案を出すよう伝えており、それを精査して市としての案を示す」としたとのことですが、これとて 順番が逆と言わざるを得ません。

百歩譲って遊園地を廃止するにしても、廃止してから子どもの居場所を確保するのではなく、子どもの居場所を確保してから工事に着手すべきでありましょう。

 

 

また 別の日の報道では、今回の青木島遊園地廃止問題が、長野市政そのものに対する行政不信を引き起こしかねないとの警鐘が鳴らされており、これは さきの3月議会で私が述べた懸念の意見と全く一致していました。

 

 

 

記事の内容は下記のとおりです。

 今月末での廃止に向け、原状回復工事が17日に迫った長野市青木島町大塚の公園「青木島遊園地」。市の廃止方針を踏まえ、1月には地元住民有志が公園の維持管理を担う「愛護会」を設立する意思を表明し、2月には隣接の児童センターが利用を再開した。だが、荻原健司市長は、愛護会が不在で利用は実質困難―などと、客観事実を無視した説明を続けてきた。存続に向けて動く住民らがまるで存在しないかのように振る舞う市長の態度に、識者は、行政不信を引き起こしかねない―と警鐘を鳴らしている。

 12日、市役所で開いた定例記者会見。公園の廃止理由について、愛護会の不在や利用が実質困難であることなど、当初掲げた廃止理由から変わりがないか―との記者の質問に、荻原市長は「はい、その通りです」と答えた。

 だが、愛護会については近くの青木島小学校の元PTA会長、柳沢勇二さん(66)が1月に市役所で記者会見し、母体となる団体の設立を表明。柳沢さんは10年ほど前から公園の草刈りなどを手伝っており、3月には愛護会設立を市に届けた。

 一方、公園の利用主体だった児童センターは2月下旬から公園の利用を再開。一度に遊ぶ人数を10~20人、遊ぶ時間を20分~1時間に制限するなど工夫し、これまでに苦情は寄せられていないという。

 「理由と現実が食い違い、説明の根拠になっていない」。これまでの定例会見で記者からこう指摘されても、荻原市長は「私が考えるべきことは(公園廃止などの)プランをできるだけ早く実現できるよう進めることだ」などとしてきた。

 こうした市長の態度に、明治大の牛山久仁彦教授(地方自治論、諏訪市出身)は「住民側が異を唱え、解決策を提示しているのに市長が説明を尽くさず『廃止』と繰り返すだけでは住民の納得は得られない」と指摘する。

 3月22日の記者会見では、荻原市長は「本当に、利用は実質困難なのか」との記者の質問に「私としては廃止方針通り進める」とも述べた。質問に正面から答えず、牛山教授は「現市政への不信にとどまらず、行政全体への不信につながりかねない」とする。

 荻原市長は3月の市議会で公園廃止の最終決定を表明したが、住民に直接説明する場は今後も設けない考えだ。住民には公園廃止を伝える文書は配ったが、廃止理由は記載しなかった。

 早稲田大の小原隆治教授(地方自治、木曽郡南木曽町出身)は「公園の存廃を再検討すると表明し改めて廃止を決めたのなら、その理由を住民に説明する場ぐらいは設けるのが市長としての責任だ」と指摘している。

 

青木島遊園地存廃問題を巡っては、これまでも 住民の意向(思い)と市(市長)の考え方(思惑)がかみ合わないまま推移し、ことあるごとに強い疑念と憂慮の声が上げられてきました。

心ある市民は、何より「子どもたちのための環境づくり」を真摯に願い 遊園地の存続に向けて、長野市と正面から向き合って対話を乞い 要望や質問を重ねてきました。

ところが市(市長)は そんな住民(市民)の思いをもて遊ぶかのように、ときに答えをはぐらかし ときに「既に決まったこと」として門扉を閉ざすような対応を重ねてきました。

そんな、市(市長)の いわば不誠実な対応は、今や澱(おり)のように市民の心の中に悪しけく積み重なり、何ともいえない不穏な心情に至っているのです。

 

そんな状況が見えてきた私は、さきの3月議会の「討論」の場で、次のように述べました。

一連の本市の市民対応は、ひいては今後の荻原市政そのものの評価につながると申せます。

手続きだけはルールに則っている形式は保ちながら、実質的には結果ありき・事後報告のスタイルを続けていれば、やがて荻原市政に対する不信感は風船のように膨らみ、やがて破裂することも無いとは言えません。

市行政を進めるうええでの有るべき姿勢・住民自治協議会と、その先におられる市民との関係・合意形成の取り方・問題が発生したときの初期対応の在り方や庁内連携の在り方等々、実に多くの課題を投げかけることになりました。

今回の件を踏まえ、総論・各論に至るまでつぶさに検証し、内省を進めること、もとより本議案においては放課後児童の快適な居場所づくりについて、これ以上子どもたちに我慢を強いることの無いよう強く意見し、討論といたします。

 

このことについては、上の記事で 地方自治に詳しい教授らが同義の論調を発しておられます。

その共通認識は「このまま推移(看過)すれば、それは行政不信につながる」とのこと(懸念)です。

市が行政事業に臨むこと、それが特に 住民の意に反して行なわれるものであるとするならば、市は一層ていねいな説明を行なうべきでありましょう。

しかし今回 市は、それら市民と向き合うことを避ける(逃げる)かのように 説明を省き、回覧板などの実に安易な手法をもって「周知した」と片付けようとしている。

で さらにタチの悪いことに、行政職員は 行政手続きなどのアリバイはしっかりと整え「瑕疵(かし)は無い」と保身だけは固めて事(こと)に臨んでいるのです。

 

残念ながら、多くの市民は 一連の市の取り組みを通じて、長野市の「本質」を見たところであり、それがやがては「行政不信」へとつながる(広がる)ことが大いに憂慮されているのです。

 

果たして 長野市(市長)は、そのことに気づいているのでしょうか。

百歩譲って、悪いと知りながら 敢えて詭弁を弄しているのなら、まだ救いの道はあるところですが「これが正しい」と迷いも無く突っ走っているとするならば、それこそ危険と言わざるを得ないところです。