日本海の海水浴場に「イルカ」が出没し 海水浴客に被害を与えていることが報じられるに接し、思わず 昨日に地域で起こった〝イノシシ被害〟に重ね合わせたところです。
報道によると、17日の「海の日」折からの猛暑によってか 多くの海水浴客が訪れていた福井県美浜町の水晶浜海水浴場で突然「速やかに浜にお上がりください!」とのビーチセーバーのアナウンスが鳴り響きました。
何をと見れば、海上を泳ぐ男性客のスグ後ろを 背ビレを立てた「イルカ」が1頭泳いでいるではありませんか。
この浜では イルカが頻繁に現れ、16日早朝には 約5mの沖合を泳いでいた男性に野生のイルカがぶつかり、男性はろっ骨を複数折る大けがを負ってしまったとのこと。これとは別に、別の男性3人も イルカに噛まれるなどして軽いケガを負ったそうなのです。
専門家によると、この単独のイルカは 群れからはぐれた「はぐれイルカ」ではないか とのことです。
この「はぐれイルカ」の行動には、いくつかの可能性があるようです。
第一には 群れからはぐれた個体が「群れ」を求めて 人に接近しているのではないかとのこと(過去にはクジラの群れに接近した事例もあるそうです)。
第二には「相手より自分が格上である」と、強い行動で示すためにぶつかってきているのではないか、とのこと。いわゆる〝マウント〟を取りにきているのではないか と。
第三には、人にじゃれついているのではないか とのこと。
いずれにしても イルカは高い知能を有していることから、さまざまな行動パターンが考えられるようです。
一方で専門家は「イルカは個体も大きく スピードや力(ちから)も持ち合わせているため、その受けるダメージは 陸上でイノシシやクマにやられるものに匹敵することから、それらと同じくらい危険なものです。」と警鐘を鳴らしています。
イルカは、その体重は100~200kgもある〝巨漢〟で、泳ぐスピードは50~60km/h にも達します。また 泳ぎ回る魚を捕食するため、鋭い歯を持っていることから、イルカにまともにぶつかられたら、人間などひとたまりもありません。また その歯でかまれなどすれば、人の指など簡単に食いちぎられてしまうでしょう。」と警告します。
そのうえで専門家は「海中では 人は陸上以上にハンディがあることから、場合によってはイノシシやクマに出くわしたときよりも被害が大きいことが想定されます。」と
海(水中)の場合は、例えば ぶつかった衝撃で気を失うなどすれば それは直ちに溺死につながることから「遊泳中にイルカを見ても 興味本位で近寄るなどの行為は絶対にしないでほしい。」とのことでありました。
動物(獣)については、テレビ番組などで 人が勝手につくりあげたイメージがあるのではないか と思います。
例えば イルカ。外国の番組「わんぱくフリッパー」の中で、飼い主に慣れ切ったイルカ(フリッパー)が活躍するストーリーや、シーワールドなどのアトラクションで芸をするイルカなどを見るにつけ「イルカは人なつっこく従順な生き物」とのイメージ先行があるのではないか。
また 例えばアライグマ。人気番組「あらいぐまラスカル」の 人なつこく可愛らしいキャラクターから、ペットとして販売されるも その実は非常に獰猛(どうもう)な性質ゆえに人慣れせず、今や捨てられ野生化したアライグマが増加傾向にあるとか。
今回の〝イルカ騒動〟においても、相手(イルカ)は やはり「獣(海獣)」としてのパワーを持ち合わせていることから〝弱者〟の人間は、野生動物に対しては 充分に注意しなければならないということでありましょう。
このことについては、先日 川中島町御厨の寺の境内でイノシシの突進をくらったKさんが 図らずも証明することになってしまいました。
Kさん曰く「相手(イノシシ)は、体長1mそこそこだったけど、その力たるや とても人間なんかが敵(かな)うもんじゃなかった。後ろからドーンと突き飛ばされれば もうそれっきり。ただぶっ飛ばされるだけだったよ。」と、今も やや痛む左腕をさすりながら話してくれました。
文明社会の頂点に居る人間ども。
しかし 素手ともなれば、その存在は非常に弱いものでありましょう。
で あるから、大自然に対し 常に謙虚でなけれなならない。
さまざまな事案が、私たちに教えてくれているのです。