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倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

〝担当者の裁量〟による「障害年金の出し渋り」の無慈悲

2025-05-15 | 日記

数日前の早朝 近隣公園(川中島町 上氷鉋公園)を歩いていると、いずこからか まるで木槌(きづち)を打つような音が周辺に響き渡っていました。

「コンコンコン」実に小気味のイイ乾いた音。まるで打楽器の演奏の如く リズミカルに打奏されています。

ただ、周囲には何のこたぁない雑木が林立するだけで そんな奏者の姿は見当たるはずもありません。

その打音を聴いた私は「もしかしたら…」と思い、耳をダンボにして音の聞こえる方へ歩いてゆくと…そこには ひときわ高い雑木が一本、で「コンコンコン」の音は その木の中程から響いているのが分かりました。

 

 

 

さらに目をこらして見ると、やっぱりいました。

キツツキです。

慌ててスマホを取り出し撮影を試みましたが、私のスマホには望遠などの機能は無く 拡大には限界があります。

後で閲覧・部分拡大してみましたが、判るでしょうか?枝の又の付け根あたりに 丸っこい姿があるのですが…。

 

 

 

後でネット図鑑を見てみると、どうやら「コゲラ」のようでありました。

 

 

 

「そういえば」と 思い出しました。

今年の5月10日~16日は、日本鳥類保護連盟が定めた〝野鳥に親しんでもらう「愛鳥週間」〟です。

この時期は 野鳥たちの子育てシーズン(さきのブログでもカラスの営巣をお伝えしました)のため、野鳥に親しみ 温かく見守ってあげましょう、という趣旨の週間だそうです。

普段は私たちの周囲で空を舞う鳥たち。ときに多様なさえずりで私たちを癒やしてくれるその存在は、何気の無いものではありますが 自然生態系の中では欠かせない存在でもあります。

 

とある早朝に響く小気味のイイ打音を耳にし、その(鳥の)存在感を再認識したところでありました。

 

 

 

 

 

◆「障害者年金」の不支給が前年度の2倍に急増 = 担当者交代に伴う〝出し渋り〟か =

ニュース報道で、障害者に支給される 国の「障害年金」について、2024年度に「不支給」と判定された人が 前年度の2倍以上に急増し、約3万人に上ることが日本年金機構の内部資料で分かったとのこと。

これを受け、知的障害者や親らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」は「報道が事実だとすれば 看過できない」と抗議する声明を出し、厚生労働省に事実確認と結果の公表を求めていることが報じられています。

さらに その不支給増加の要因の一つに、所管の「日本年金機構」の担当部署トップが交代し 機構職員が(不支給の)判定を誘導している可能性があるらしいことも報じられており、そこには何ともいえない〝恣意性〟の匂いが漂っていました。

 

 

報道記事

  ↓

障害年金の不支給急増に抗議声明 知的障害者の全国団体(共同通信) - Yahoo!ニュース

 

 

別の報道によると、2024年度は 日本年金機構に障害年金支給を申請した障がい者さんの6人に約1人が不支給になった計算とのことで、統計のある2019年度以降 不支給の人数・割合とも過去最大になる見通しとのこと。

2024年度に新たに支給申請した人は 約18万と推計される中、(機構の内部資料によると)現時点で不支給とされたのが約17%に上り 前年度不支給の9%を大きく上回っているそうです。

障害年金を巡っては、過去にも判定の公正さが疑問視されたことがあるようです。

約10年前に、精神・発達・知的障害で判定医の審査にばらつきがあることが問題化したことから 機構は対策として精神障害などの「判定ガイドライン」を策定。1~3級の等級を判断する〝目安表〟を作ったうえで「判定医任せでなく、機構が組織として関与する」として 職員による事前審査を導入するなど適正性を図るとしました。

にも関わらず 2024年度は〝目安表〟では(基礎)年金の支給対象に相当するのに、事前審査で「対象外の等級」と判定される事例が相次いだとのことであります。

この不支給傾向の理由について 実務を担う同機構の障害年金センターの複数職員は「センター長が交代して 判定が厳格になった」と話しているとのこと。

さらに 判定医に対する「傾向と対策」を作り、機構側が支給を絞る方向で判断の誘導を図っていたことも明らかになってきました。

要は 担当者(責任者)のサジ加減で支給・不支給が決められ、関係者の共通認識として定められた目安は 半ば形骸化している実態があるということなのです。

収入が少ない障害者にとって、年金を受け取れるか否かは生活そのものを左右します。それが〝担当者の裁量〟でハードルがヒョイと上げられるとすれば、そんな無慈悲なことはありません。

 

そこには 障がい者さんの類別について、最近では 知的障がいに加えて精神障がいや発達障がいなど〝多様化〟が進み それらの方々が申請者の約7割を占める状況があること、身体障がいが数値などで判定しやすいのに対し 知的障がい・精神障がい・発達障がいは、生活の困難さを見極める状況判断の難しさを伴う課題が挙げられています。

担当の判定医も不足し、職員側の意見を追認する状況が少なからずあるとも言われているそうです。

 

そんな中、これは やや穿(うが)った見方ではありますが、国=とりわけ財務省は 国家予算が防衛費などのハード面に割(さ)かれる状況の中、財源の維持のために かかる障害年金などの社会保障費を抑制しようとしているのではないか との〝政府・与党の意向〟も透けて見えるとの論調も示されています。

 

必ずしも 1十1=2にならない障がい者福祉行政。

そんな難しさがありながらも、施策の履行において 担当者(責任者)が変わった途端に巾着(きんちゃく)の紐が急に締めるられるようなことは 実に釈然としないところであり、そんな〝裁量行政〟がまかり通っているところに、障がい者への尊厳なき〝施し行政〟の悪しき実態を見させられたような不快な思いにさせられました。

 

なお このことについては、前掲の不支給急増の報道等を踏まえ 厚生労働大臣が7日の衆院厚労委員会で「早期の実態把握に向けて日本年金機構などに抽出調査を指示した」と答弁したことが報じられています。

 

 

報道記事

  ↓

厚労相、障害年金不支給急増巡り調査指示(共同通信) - Yahoo!ニュース

 

(ただ、その結果〝手のひら返し〟で支給のハードルがいきなり下げられたとすれば、その支給再開自体は喜ばしいものの、それ以前の責任者の判断は いったい何だったの?そんなにいい加減なものだったの?と思わざるを得ないところではありますが)

 

 

・・・・・。

私は「障がい者支援」については 年金や給付金などの〝支給型支援〟の方法がある一方、当事者さんたちが社会の一員として自活できるように 就労支援や場づくりを行なう〝自立型支援〟があると思います。

そのうえで思うのが、今の社会は 障がい者さんを「障害者」と決めつけ、その頸城(くびき)に縛ったままに〝支援〟を限定的にしているのではないか、その固定的な考えが 今回の〝担当者裁量〟を招き、結果 障がい者さんへの支援を頭打ちにしているのではないかとも思うところです。

もっと 社会自体が、障がい者さんへの門戸を開き、広く(社会が)受け入れる努力をすることで、真の障がい者支援が実現するのではないかと思う者の一人であります。

 

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