kyon's日誌

つれづれに・・・

「蛍草」

2015年11月27日 | 日記
もしかしたら、作者は本来、こういう人情話的な物語が得意な方なのかもしれない・・
書いてる本人もどこかしらワクワクしてたのではないか?
読んでるこちらは何度も泣かされた(^^ゞ
おぃ、何で泣けますんや、ワタシ?!あらあら・・参ったね~(^^ゞ

本の主人公の娘に手を引かれ、ある時は共にハラハラし、ある時はホロホロとほだされ、振り回されてしまいそうな気もするが、
つい手を貸してあげたくなる大人達もまぁ・・・してやられるね(笑)
主人公を取り巻くご縁の出来た大人達が面白い。
何故か勘違いするその呼び名もまた、上手いねぇ~(笑)
み~んな一癖もふた癖もあるような、人生のピンきりを舐めたいやぁ~な先輩であるのに、いつの間にか助太刀三昧(笑)
少女が意を決して世の中の荒波に漕ぎ出でる出逢いの中で、人としての心を学び成長する・・・冒険物語のようにも感じる(^^ゞ
それにさ~、主人公に思いを寄せる青年も実にいい!
あ~いうまっとうな青年には弱いね~オバサンは・・(読む人には分かるだろうけど・・・余談です(^^ゞ)

けれど、とどのつまりには、その懸命さ、真っ直ぐさに打たれてしまうのだから、何だか小気味いい気分にもなり(笑)、渋々ながら、やっぱり放っておけない、その人の心の機微が実に読む側に心地良く文字を追わせてくれる・・
いや、本の話・・・(笑)「蛍草」葉室麟・著。

色々時代物の人情話を読んだりするけど、やっぱり葉室さんなんだねぇ・・
ワタシにはその路線は変わっていないような気がしたなぁ。
真っ直ぐに、真剣に、一生懸命に・・・臆することなく・・前を向いて・・
何より、人の心のアヤを描き出すのが上手い。
絡まっていくようになれど、物語の基本線は変わらない。
途中から先が読めてしまうけど最後まで読まずにいられない・・・楽しかった。

蛍草は万葉集にも歌われる題材らしいけど・・・
ノーマルな視点で言えば、蛍を草にしたらあんな青紫の可憐な花になぞらえられるのかしらね?儚げ・・・というよりは楚々として可憐?のイメージか・・。

ワタシは元々、意外に強い花というイメージがあった。
何処にでも生える・・・いつの間にかそこに咲いてる・・他の草と混じった中に、ポンとそこに青く可憐な露草となって。
柳のように風になびきつ、転んでもそこからまた立ち上がるように咲く・・・
群生するとそれなりに壮観な感じなのだ。
それはコスモスにも感じる。

しなやかな強さ・・・それは主人公の「菜々」かなぁ・・(^^ゞ
出来れば、幾つになっても欲しい強さではあるな・・と。
コメント (4)
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