二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第12節 横浜FCvs京都

2014-05-06 | 蹴球

横浜FC●0-2○京都サンガF.C.
       14'大黒将志
       (assist――)
       45'石櫃洋祐
       (assist横谷繁)

■攻撃の幅を広げる三平和司
 ニューバージョンは、右から三平和司、大黒将志、横谷繁の3トップである。時間帯によっては三平と大黒の2トップになり、横谷はトップ下に潜り込む。ちょっと大黒の動き出しの質が異次元すぎてそちらばかり目立ってしまうのだが、この布陣になって以来、三平もなかなかイキイキとしている。彼の場合、大木時代には1トップとしてポストを求められたり、たまに右アウトサイドに貼り付くことを求められたり、なかなか自分にしっくりくる活動域が現れなかった。今は、右~中央という彼本来の力を発揮できるエリアがあって、三平の動きをしっかり理解する横谷と工藤浩平が活動域への球出しを狙っている。新しい布陣になっていろいろポジティブな変化が起こっているが、今まで大黒頼みの1本だったラストパスの選択肢が増えた点も大きな部分。ようやく三平が攻撃に有効に絡めるようになって、攻撃の幅が広がった…という感覚だが、これで三平自身がバッチリ決めてくれれば言う事はない。71分、横谷のラストパスを収めてGKと1対1になった場面、決めなきゃ。試合終了後の大黒曰く「3点目取れていれば終わってたゲーム」。

■攻勢浴びるも守りに安定感
 前半まったくいいところのなかった横浜FCが60分前後から変化して、京都は攻め込まれる時間帯が増えた。横浜FCがボールを速く動かすようになったというか、中盤省略してサイドにスッ飛ばすようになったというか。工藤と中山博貴による2人の運動量でペースを掴んでいたところ、彼らがボールに触れなくなるとともに、横浜FCのペースになった。引き気味になったジャイロはよくカットするも、カットした後にボールを機能しなくなった中盤のところで上手く前に運べないために、すぐまた攻勢を浴びるという我慢の時間帯。ここを酒井隆介とバヤリッツァ中心にしっかり凌げたのは、去年のPO準決勝長崎戦あたりの経験もしっかり生きていたか。こういう我慢の時間帯でも前線からボールを虎視眈々と狙っているのが大黒で、相手からかっさらってチャンス作ってみたり、何なんすかね、この人。敵じゃなくて本当に良かった。


〈京右衛門的採点〉
 オ 6.5 …後半になりようやく守備機会が訪れ、クロスを掴んで零封。出て触れない場面はヒヤッ。
石櫃 6.5 …右から三平を追い越す攻め上がり。トリックFKの〆としてきっちり蹴りこんだ。腰を打って交代。
酒井 7.0 …圧倒的な機動力で広いエリアを封じ、狭い所を通すスルーにもよく反応。
バヤリッツァ 6.5 …終始落ち着きがあり、適切に跳ね返し続けた。ジャイロが落ちてきた時の間合いがもっと良くなれば。
比嘉 6.5 …驚異的な運動量で好守によく顔を出す。後半右に入り背後狙われるも、よく粘った。
ジャイロ 6.5 …安定感ある守りが工藤中山の躍動を支える。後半、相手が中盤省略すると下がりすぎたが、強い。
工藤 7.0 …走りまくってプレスをかけ、カットすれば前に配球。工藤の活動量が多い時間は圧倒できた。
中山 6.5 …猟犬のようにボールを追い、工藤のプレスに連動してよく奪う。攻撃ではミスも目立ったのは残念。
三平 6.0 …前線からいいプレスを見せ、高い位置で起点になった。71分のチャンスを外したのは痛恨。
大黒 7.5 …ボールを引き出す動きは超絶。厳しいマークを外してゴール前に入る動き、J2レベル超越。
横谷 6.5 …中に入ってきてチャンスを作り、最終ラインまでカバー。トリックFKの話し合いを主導するなど戦術眼を発揮。
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福村 5.0 …前で奪いきれず背後を衝かれた場面など、フワフワとしていた。時間が経って何とか落ち着いたが。
駒井 5.5 …相手ペースの中投入。求められた守備面はまずまず。攻撃はキレがあり、2人目を抜こうとして、…奪われた。
有田 5.5 …ゴール前までよく戻って守備で活躍。柔軟な姿勢で、大黒に活かされる術もちょっと見せた。
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バドゥ監督 6.0 …前節の良かった部分をそのまま出せた。相手の戦術変更に対して特に何もしなかったが、凌いだ。