二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第1節 水戸vs京都

2011-03-05 | 蹴球


水戸ホーリーホック○2-1●京都サンガF.C.


■騎馬隊京都vs鉄砲隊水戸
 大木サンガ初陣。J2の中では抜群に攻撃力がある…との前評判だった。例えれば、武田騎馬隊みたいなもんか(甲府じゃなけど)。対して今日の水戸は、本来の意味での鉄砲隊だった。鉄砲隊は、相手に致命傷を与える部隊ではない。相手を怯ませ、出鼻を挫く。そこに軽兵が突入してこそ、効果のある鉄砲隊なのだ。今日の水戸はまさにパスを早い段階でチェックして、(前評判としての)大きな攻撃力を断つという鉄砲隊だった。大木騎馬隊は柱谷鉄砲隊に怯んだ。短いパス交換で前にボールを運ばなければならないのに、パス交換をするたびにボールを8割方失ってしまうのだ。


■守備は修正可能?
 失点シーンはいずれもセットプレーから。1失点目はCKからアライールの所に飛び込んできたDF加藤の高い打点のヘッドだが、アライールにしてみれば予想外の所から相手が出てきて、競ることすらできなかった感じ。2失点目はクサビのボールを水戸・岡本が意図的なのか、トラップミスなのかわからないが、上手く空白地帯に転がして振り向きざまに決めたビューティフルゴール。どちらも人数は足りてるのにやられていて、人を捕まえきれてない。原因がハッキリしてるだけに修正可能かとは思うが、他にも危ない場面はいくつかあった。守備の“碇”であるはずの秋本が軽いのが気になった。


■気になるパスミスの多さ
 問題は攻撃の方。戦前の予想では戦力的に守備力が劣ると見られていた水戸相手に、決定的に崩せた場面はドゥトラが侵入してシュートを外した1度きりだったと見受けた。パスは繋がる。キープ率も高い。だけどボールが前に運べない…。これは割と深刻だ。鉄砲隊に出鼻を挫かれて、騎馬隊は前に進めない。だけどこの部隊は「騎馬隊は前に進むものだ」とすり込まれている。無駄な突撃を繰り返し、そのたびに撃滅されている様子は、まさに長篠合戦の再現。パスを繋がなければいけない、という意識が強すぎて、みすみすミスパスして逆襲を受けるというシーンが多すぎた。ビエルサチリみたいな攻撃パスサッカーを意識してるのに、肝心のパスを奪われるっていうのでは、話にならない。麺がウリのラーメン屋の麺がのびてしまってるみたいなもんだ。


■活きてないトップ下
 気になったのが、チョン・ウヨンの所。攻撃の組み立ての時に、彼のところをあまりに経由してない。それなら、ポジション下げて秋本の隣に並べて2枚ボランチにした方が良かった…ってくらい。今日みたいに相手の素早いチェックを受けて苦し紛れのパス回ししかできない状況は、おそらく「大木騎馬隊攻略法」として全国の諸大名にインプットされているだろう。今後、ここを乗り越えるためには、チョン・ウヨンの場所をいかに活かすかがカギになる。結局、パスは繋げるが前に運べないので、最後はドゥトラのドリブル頼みになってしまったのは、去年やってたダメダメサッカーと同じで残念だった。キャプテンディエゴも去年みたいにポジション下げる悪癖が。ディエゴに求められているのは、南アジャパンの本田圭佑みたいなプレーだと思うが。サッカーは相手のあるスポーツ。理想は理想として、現実の相手の対策をいかに上回ることができるのか。監督の手腕が問われる。


〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …2失点目はコーチングしてほしかった
内野 5.5 …無難な出来
アライール 5.0 …状況判断に難あり
福村 6.0 …破綻なし。カバーリング力を評価
秋本 4.5 …守るのも攻めるのも中途半端
内藤 5.5 …得点は見事だが、パスミス多かった
中山 5.5 …大過はないのだが、物足りない動き
チョン・ウヨン 5.0 …相手の脅威になる絡み方が少ない
ドゥトラ 5.5 …苦し紛れに個人で打開しようとしたが
ディエゴ 5.0 …下がりすぎ、独りよがりすぎ、の悪ディエゴ
宮吉 5.5 …あらゆる場所に走り回ったが、攻撃の脅威になれず
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中村太 5.5 …チャレンジする姿勢はあった
金成勇 ―
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大木監督 4.5 …理想は見えたが、現実は勝ち点ゼロ