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老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

京都の魅力~老舗の銭湯が残る街~

2010年05月16日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

京都極楽銭湯案内―由緒正しき京都の風景 (新撰 京の魅力)

京都極楽銭湯案内―由緒正しき京都の風景 (新撰 京の魅力)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2004-12

私の学生時代(昭和40年代の後半~50年代の初め)、

銭湯は、まだ学生生活に不可欠のものだった。

その後、何年かたって、気が付けば、

学生は、バス・トイレ付きの、ワンルームマンションに住むのが、

当たり前の時代になっていたが、

幸い、京都には、まだまだ老舗の銭湯が数多く残っている。

京都移住後、タオルを肩にでも掛けて、

ゲタを鳴らしながら、

学生時代に通った銭湯にでも行ってみようか、、、。

京の銭湯 本日あります (らくたび文庫) 京の銭湯 本日あります (らくたび文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2008-02

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京阪電車が路面を走っていた頃~「京阪電車100年のあゆみ展」~

2010年04月08日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)
Bトレインショーティー4両セット京阪電車 3000系 (更新前) NO.40
Bトレインショーティー4両セット京阪電車 3000系 (更新前) NO.40
価格:(税込)
発売日:

私の学生時代、

京阪電車は、まだ、鴨川沿いの路面を走っていた。

京阪電車が地下を走るようになった、

というニュースを東京で聞きながら、

なにか大事なものが、

永遠に、失われてしまったような気がしたものだ。

当時、ターミナル駅だった、京阪三条駅前の路上の賑わいや、

南座横の四条通りの踏み切り、

車窓から見える線路沿いの桜、

みんな懐かしい想い出だ。

地上を走る開放感が好きで、

学生時代から、大阪に出かける際は、

かならず京阪電車を使っていたように記憶している。

その京阪電車の100年展、というのが、

京阪百貨店・守口店で、

8日から、開かれているらしい(20日まで)。

沿線風景の写真パネルや鉄道模型、路線図など、

300点を超える品々が展示される、とか。

今回は、どうも、見に行けそうもないが、

後で記念出版物にでもならないカナ~。

【京阪電車・関連グッズ】

トレインシミュレータ京阪電気鉄道(淀屋橋~出町柳) トレインシミュレータ京阪電気鉄道(淀屋橋~出町柳)
価格:¥ 6,090(税込)
発売日:2000-07-19

プラレール S-59 京阪特急8000系 プラレール S-59 京阪特急8000系
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-12-27

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記憶のなかの京都~「百万遍・古都恋情」(その2)~

2009年10月05日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)
百万遍 古都恋情〈上〉 (新潮文庫) 百万遍 古都恋情〈上〉 (新潮文庫)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2009-05-28
百万遍 古都恋情〈下〉 (新潮文庫) 百万遍 古都恋情〈下〉 (新潮文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-05-28

花村萬月さんの、「百万遍・古都恋情」、という長編小説については、

本ブログでも一度とりあげたことがある。

放浪の果て、昭和47年に、京都にたどりついた主人公が、

京都でさまざまな体験を重ねていくという、青春小説なのだが、

京都の市電や、

京大西寮、焼失する前のイノダ・コーヒ、

みゅーず、数々のジャズ&ロック喫茶、

銭湯、書店、映画館、パチンコ屋、○○○○○劇場など、

あの頃の京都に確実に存在し、

今はもう京都の街から姿を消した、

青春スポットが、どんどん実名で出てくる。

まるで、昭和40年代終り頃の京都への、

タイムスリップ小説とでも呼びたくなる本で、

この時代に京都で学生時代を過ごされた方が読み始めると、

止まらなくなることウケアイですよ !!!

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「京都市電物語~思い出のアルバム~」(京都新聞社)

2009年06月09日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

京都市電物語―思い出のアルバム
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-09

本書は、1978年に出版され、当時、大人気となった、同名の書籍の復刻版。

京都の街を走っていた、市電が、こよなく懐かしい方に、オススメ !!

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京都市電の模型~老後の愉しみ~

2009年06月09日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

東京・京橋の八重洲ブックセンターの脇をはいったところに、鉄道模型の店があり、八重洲ブックセンターに寄った帰りなどに、よく覗く。

しかし、やはり、東京のお店のためか、なかなか、私のお目当ての、昔、京都の街を走っていた、電車の模型に、そこで出合うことは、まず、ない。

ところが、最近、楽天を覗いていたら、偶然、京都の市電の模型を見つけた。

【京都市電NⅡ模型】

(↑上記画像をクリックすると、本商品のもっと大きな画像が見れます)

市電だけでなく、薄いグリーンの京都市バス、京阪電車、阪急電車、叡電、嵐電、など、京都の想い出が、交通機関と分かち難く結びついているのは、私だけでは、ないと思う。

こうした、交通グッズを集めて、記憶の中にある京都、を再現していくことも、老後の愉しみにしていることの、1つだ。

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記憶の中の京都~「百万遍・古都恋情」(その1)~

2009年06月06日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)
百万遍 古都恋情〈上〉 (新潮文庫) 百万遍 古都恋情〈上〉 (新潮文庫)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2009-05-28
百万遍 古都恋情〈下〉 (新潮文庫) 百万遍 古都恋情〈下〉 (新潮文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-05-28

花村萬月さんの、青春の彷徨を描いた、「古都恋情」、が文庫本になった。

放浪の果てに辿り着いた、京都で、京大の寮に住み着き送った、奔放な日々を綴った青春文学の巨編。

街全体が、まるで、解放区ででもあったかのような、われわれの世代には、なんとも、懐かしい時代の、京都、が描かれている。

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京大時計台の夜景~「京都大学ライブカメラ」~

2009年03月10日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

京の学生文化を歩く―’60‐’70年代グラフィティ (らくたび文庫) 京の学生文化を歩く―’60‐’70年代グラフィティ (らくたび文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2007-11
昨日、京都新聞のオンライン・ニュースを見ていたら、「時計台記念館や大文字などうつす、京大でライブカメラ稼動」、という記事が出ていた。

確かに、京都大学のホームページを開くと、トップ・ページの右下のほうに、「京都大学ライブカメラ」という囲みがあり、クイックすると、ライブカメラの映像がでてくる。

(→「コントロール開始」のボタンを押すと、「時計台」「大文字」「比叡山」「全景」のなかから、映像を選ぶこともできる)

この特定の情景をリアルタイムで写すライブカメラというのは、結構面白い。

たとえば、真如堂の住職の方のホームページで、真如堂の庭を写し出すライブカメラの映像が観れ、紅葉の発色をチェックしたり、京都気分(京都にいるような気分)に耽ったりと、以前は、よくその画面を覗いていたものだ。

さて、この「京都大学ライブカメラ」に写しだされる映像、三十数年前の学生時代、吉田界隈に住んでいて、昼夜を問わず、時計台の付近を歩き回っていた者としては、なんとも、懐かしい。

(→あの、間の抜けた、子供の描いた花の絵のような、時計盤にライトが灯る夜の時計台の光景を観ると、今でも、なにやら、胸苦しくなってくる)

この「京都大学ライブカメラ」、高校生や受験生などに向けた、大学の広報活動の一環のようだが、

ユーザーはというと、(大学側の意図に反して ?)青春時代のノスタルジーに耽りたい、オジサンやオバサンに集中するかも ?

(追記)

真如堂の住職の方のHPは、「苦沙彌のInternet僧坊」、そのなかの、真如堂の庭がリアルタイムで観れるライブカメラ映像のページは、「Live!! 真如堂 Now!」といいます。一度、是非、覗いてみてください。

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京都の映画館・「東宝公楽」(三条通河原町東入ル)の閉館の記事に想う

2009年02月28日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

京の学生文化を歩く―’60‐’70年代グラフィティ (らくたび文庫) 京の学生文化を歩く―’60‐’70年代グラフィティ (らくたび文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2007-11
京都・三条河原町の交差点から、三条通りを東に行くと、「東宝公楽」という映画館がある。

先日、京都新聞のオンライン・ニュースを見ていたら、どうやら、この三月末で閉館するらしい。

9階建てのホテルができるとのこと。

(同記事によると、この「東宝公楽」、もともと四条河原町の京都高島屋の南にあった「大映公楽」が、1962年に現在地に移転して開館、1972年に現在名に改称したものだった、という)

2006年1月には、河原町通りにあった、「京都スカラ座」も閉館した。

6年前、京都に通うようになった頃には、まだまだたくさんあった、私の記憶の中の京都が、また1つ姿を消していく。

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京都の時間。京都の歩きかた。(その2)

2009年02月20日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

「京都の時間。京都の歩きかた。(その1)」から、続く

先日、「京都の時間。京都の歩きかた。」という本について、どの文章も、人生という時間の堆積によってしかもたらされない芳醇さ、に満ち満ちている、と書いた。

京都の時間。京都の歩きかた。 京都の時間。京都の歩きかた。
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-04

この本には、写真もたくさん収録されているのだが、

通常の京都本(京都案内)と違って、

われわれが京都の街を歩いているときになにげなく眼にする、商店街の自転車や陽だまりの散歩道など、生活者の視点から撮られたものが多く、

視ているだけで、なにやら「郷愁」に誘われたり、「既視感」に襲われたりもする、不思議な写真ばかりなのだ。

著者は、1954年生まれで、私とほぼ同年代。

この本には、私たちの世代にとって、懐かしいと感じる、京都が(文章でも写真でも)ふんだんに収められている。

(追記)

この本に収録されている写真は、伊藤ツヨシ(ニンベンに吉)さんという写真家の方が、著者と、それぞれの地点を歩いて撮影されたもので、

すべて現在の京都の街角の写真なのだが、

私には、なにやら、記憶の中にある三十数年前の京都の情景、のように思えるのだ。

(本書の内容~後半~)

  • 伏見稲荷大社、頂へ
  • 上七軒、郭街をたどる
  • 渡月橋、ボート遊び
  • 鴨川河川敷、見上げて
  • 下御霊神社、やり取り
  • 北白川疎水通、静か
  • 随心院、小野の里へ
  • 大覚寺、大沢池
  • 八幡、深呼吸
  • 二条城周辺、ぐるりと
  • 大映通り商店街、戻る
  • 北山通、そぞろ歩き

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京都の時間。京都の歩きかた。(その1)

2009年02月18日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

今の私の京都という街に対する想いや距離感、にピッタリの、一冊の京都本(京都案内)がある。

それは、イタリア・ルネッサンスの研究者で作家の、澤井繁男(さわいしげお)さんが書いた、「京都の時間。京都の歩きかた。」(淡交社)という本。

京都の時間。京都の歩きかた。 京都の時間。京都の歩きかた。
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-04

京都に26年住んだという著者が、京都の想い出の場所を歩いて綴った散文集で、

通常の京都本や京都案内と違って、場所の選択は、あくまでも、一人称でなされていて、それがいいのだ。

「場所の選択は、私と関わりのあるところ、かつてあったところ‥‥‥。そこには、私の時間があり、私と思い出を共有した人の姿や息づかいが漂っている」

どの文章も、人生という時間の堆積によってしかもたらされない芳醇さ、に満ち満ちていて、

読んでいると、澤井さんが京都で過ごした時間が、あたかも自分(読者)の「京都時間」であるかのように、懐かしいもののように思えてくるから、不思議だ。 

(本書の内容~前半~)

  • 梨木通から大原口突抜町に行く
  • 妙心寺大通院をのぞいてみれば
  • 上御霊前通界隈
  • 半木の道、ぬくもりの残るところへ
  • 水息吹くサワラ(木ヘンに甚)木町通
  • かぐわしき郷、市原野
  • 真如堂から黒谷へ
  • 岩倉川に沿って
  • 山の内のかくれ路
  • 裏寺町通をさまよえば
  • 御蔭通、下宿探し
  • 大宮通、ぶらり
  • 壬生・坊城通、辿る
  • 京都駅前界隈
  • 吉田東通、ふたたび

(「その2」へ続く)

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「二十歳の原点」(高野悦子著)を、三十数年振りで読む

2008年12月30日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

若い人は、ご存知ない方も多いと思うが、昭和40年代後半から50年代の初頭まで、京都で学生時代を過ごした者の、ほとんどが読んだのではないか、と云われる、一冊の、伝説の本がある。

二十歳の原点 (新潮文庫) 二十歳の原点 (新潮文庫)
価格:¥ 420(税込)
発売日:2000

それが、この、「二十歳の原点」。

当時、立命館大学の学生だった、高野悦子さんという方が綴った、1969(昭和44)年1月2日の二十歳の誕生日から、同年6月24日に鉄道自殺を遂げる直前の6月22日までの日記が、昭和46年、新潮社より単行本として、出版されベストセラーとなった。

「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」

この有名なフレーズが綴られている、その本である。

この本は、今、新潮文庫として文庫本化されていて、私が今手元にしているもので、49刷(平成18年8月)とあるから、その後も、細々とは読まれ続けているのだろう。

私は、京都に来る新幹線のなかで、三十何年か振りで、この本を読み返してみた。

このような種類の本に対して、何か述べることは、それがどんな内容であれ、野暮にしか聴こえないからコメントは差し控えるが、

ただ1つ云えることは、高野悦子さんが生きた時代のパラダイム(たとえば、全学バリケード封鎖)は既に古くなっていても、

この本が、若さというものの不安定さを、高野さんがそう意識したか、否かは別として、見事に描き切っている以上、この本は、今後も、読み伝えられていくだろう、ということ。

まもなく、2009年の1月2日、高野悦子さんが、二十歳の誕生日を迎えられてから、40年になる。

生きておられれば、60歳、どんな素敵な初老のご婦人になられていただろう、と思うと誰しも心が痛む。

あらためてご冥福を祈りたい。

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梅原猛先生の講義の想い出

2008年12月04日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

三十年以上も前、水曜日の午後遅く、梅原猛さんの講義が、毎週、京都大学の文学部であった。

当時、梅原さんは、京都市立芸術大学で教鞭をとっておられたのだが、京大には、非常勤講師として、こられていたのだ。

その頃の梅原さんは、既に、「隠された十字架」や「水底の歌」を発表され、梅原古代学のさらなる展開に燃えておられる時期だったのだが、

マルクス主義イデオロギーがまだ全盛の時代だったためか、

講義に出席する学生の数は多くはなく、文学部の狭い教室に学生の姿はマバラだった。

(→私は、文学部の学生でもないのに、その講義には毎週出席していた)

何の講義だったのか、内容は忘れたが、オレンジ色の夕陽が差し込んだ教室の真ん中の通路を、行ったり来たりされながら、なにやら熱っぽく話されていた姿だけは、今でもアリアリと記憶している。

その後、先生は文化勲章を受章されたが、学界の異端児振りは、当時も今も、変わらない。

なにしろ、あれだけ量の仕事をされた方だ。梅原古代学というものの評価が定まるにも、いましばらく時間がかかるだろう。

しかし、学説の当否はともかく、梅原古代学によって、万葉人の世界が、現代人の現前に、色鮮やかに甦ったのは間違いない。

当時次々に出版された先生の著作を読んで、遠くでボンヤリとしか姿が見えなかった万葉人の、息づかいさえ聴こえるようになったと感じた人は、私の同世代には多いハズだ。

たとえば、今、甘樫丘(あまかしのおか)から大和三山や飛鳥の里を見渡すとき、あるいは、藤原京のダダッ広い草野の公園にたったとき、われわれは、現前の風景を、梅原古代学の影響抜きに視ることは、もはや不可能になっている、とすら云える(それを意識する、しないは別としても)。

いつまでも、お元気で、お仕事をお続け頂きたい、かつて直接講義を聞いたものの一人として、切にそう願う。

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫) 隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)
価格:¥ 820(税込)
発売日:1986-02

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青春の土地への回帰~エリアーデの言葉~

2008年12月03日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

小説のたくらみ、知の楽しみ (新潮文庫)
価格:¥ 460(税込)
発売日:1989-04

大江健三郎さんの、「小説のたくらみ、知の楽しみ」、という本を読んでいたら、大江さんが、世界的な宗教学者であるエリアーデの、なんとも魅力的な言葉を、文中に引用しているのを発見した。それは、

「そこを去った者らにとって、‥‥青春をすごした都市は、つねに神話的な都市となる。私にとって、ブカレストは汲みつくすことのない神話学の核心なのだ」

というもの(→大江さんは、エリアーデのフランス語の言葉を英訳した本から引用しているので、日本文は大江さん自身の訳、と思われる)。

私は、学生時代をすごした、そして、その後は特に気にも留めなかった、京都という街が、五十歳を前にした頃から、なんとなく気に掛かり、京都に通うようになった(そして、今は、京都への移住も計画している)のだが、

他の人は、若い頃に住んだ土地というものを、どう思っているのだろう、と疑問に思うことがしばしばあった。

ブカレストは、ルーマニアの都市で、エリアーデは、ブカレスト大学に学んだから、エリアーデにとってのブカレストは、私にとっての京都に当たる。

だから、長文の引用の中に含まれた、短い一文が目に留まったのだが、

それにしても、「そこを去った者らにとって、‥‥青春をすごした都市は、つねに神話的な都市となる」とは、なんと絶妙の言葉だろう、と思う。

エリアーデは、同じ本の中で、以下のようにも言っている(同じく、大江さんの引用)。

「たとえばヴェニスを訪れる時、私はヴェニスへの私の最初の旅を再び生きている。人は、空間に、つまり街や教会や、一本の樹木に、すべての過去を再び見出す。突然に、過去の時が再びかちとられている。人はかれ自身を再び発見する。かれが‥‥二十歳であった時の、‥‥自己とコミュニケイトすることができる。人はかれに会う、かれ自身に会う、かれの時、かれにとって歴史的な瞬間であった二十年前の時と会う」

「私はノスタルジアをつうじて貴重なものごとを再発見する。そして、その仕方によって、私はなにも失なうことがないと、なにものもかつて失なわれたことはないと感じるのだ」

もはや、余計な言葉は不要だろう。

人は、必然的に、青春の土地、青春の時に、戻ってゆくものらしい、たとえ、物理的に、その土地に戻ることがなかったとしても。

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「八坂の塔」と題された絵~笹倉鉄平・カレンダー(2009年)~

2008年11月26日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)
笹倉鉄平 2009年カレンダー 笹倉鉄平 2009年カレンダー
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2008-09-29

そろそろ、来年のカレンダーが気になる季節になってきた。

百貨店や大手の書店では、どこでも、カレンダー・コーナーができている。

今年、真っ先に買った2009年のカレンダーは、笹倉鉄平さんのもの。

笹倉鉄平さんが、1~2年ほど前に京都の絵を何作かまとめて描かれ、青山の近くで個展を開かれるというので、観に行こうと思っていながら、結局、行けずじまいだったことがある。

そのときの個展の案内のパンフレットに載っていた、「八坂の塔」を描いた絵が、如何にもメルヘンチックで、一度大きなサイズで観たい、と思っていた。

大手の書店で、笹倉さんの画集も何冊か見たが、最近の作品のためか、まだ、どの画集にも載っていない。

次の画集がでるのを待つしかないのかな、と思っていたのだが、

先日、よく行く八重洲ブックセンターのカレンダー・コーナーに、笹倉鉄平さんのカレンダーが吊るしてあったので、捲ってみると、1~2月が、その「八坂の塔」の絵なのだ。

目にされた方も多いと思うが、その絵は、庚申堂の方から石畳を上がって行く際に見える、八坂の塔の夜の光景を、紫色を基調に、描いたもので、

前景・左に最近京都でよく見かける観光用の人力車、前景・右に灯の洩れる土産物屋の店内を覗く若いカップル、

中景に、八坂の塔の方へ歩いていく二人の芸者さんの後姿や、若いカップルの後姿などが描かれている。

そして、正面には、月明かりに浮かび上がる、八坂の塔と、塔の先端にかかるかたちで満月が描かれている。

それは、現在の京都の風景をややファンタジー性を持たせて笹倉さんが描いたもの、とも云えるが、

若いとき京都を愛したひとが何十年かたって京都を追憶する際に心に浮かべる心象風景(記憶の中にある京都)を描いたもののようにも見える。

3~12月も、笹倉鉄平ファンには堪らないだろう、ヨーロッパの町の風景画などが続くのだが(そして、私もそれらが好きなのだが)、

私は、多分、月別に日付けが載っている部分を次々に切っていき、

絵の部分は、来年一年を通して、この1~2月の「八坂の塔」でいく(一年中眺めている)、ような気がしている。

(→それほど、この絵は、今の私の京都気分にピッタリと合っているのだ)

これほど、心を捉える絵に出合えることは、人生にそうあることではない。

(追記)

このカレンダーに収録されている6枚の絵のタイトルは、以下の通りです。

  •  1・2月 「八坂の塔」、
  •  3・4月 「ウェディング・イン・ザ・パーク」、
  •  5・6月 「ポンタヴェンの朝」、
  •  7・8月 「カダケス」(このカレンダーの表紙にもなっている絵)、
  •  9・10月 「メソン」、
  •  11・12月 「ルナ・パーク」

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京都のレトロ喫茶店街~「ソワレ」、「フランソワ」そして、「築地」~

2008年09月27日 | 記憶のなかの京都 (昭和40・50年代)

京都カフェ散歩―喫茶都市をめぐる (祥伝社黄金文庫 か 17-1)

京都カフェ散歩―喫茶都市をめぐる (祥伝社黄金文庫 か 17-1)
価格:¥ 800(税込)
発売日:2009-10-13

京都の四条通り(北側)が、高瀬川と交差する辺りに、

阪急電車の河原町駅への降り口があり、

その後ろ(高瀬川西側)に、少し広いスペースがある。

画家の東郷青児ゆかりの老舗喫茶「ソワレ」は、

この西側にあり、

昔は、その北側の高瀬川沿いに「みゅーず」という喫茶店もあった。

桜の季節には、

この世に、これほど贅沢な空間があるだろうか、

などと思ったりもする、そんな一角だ。

「築地」は、「ソワレ」の前を北へ通り過ぎ、一筋目の、

河原町通りに抜ける細い路地にある、

これもまた、老舗喫茶だ。

(→四条を南に少し下がったところにある、「フランソワ」、とあわせれば、ここら辺りを、老舗喫茶店街、と呼べなくはないかもしれない)

先斗町で食事をした帰りや、阪急で帰る知人を送っていった帰りなど、

夜の時間帯、今でもよく立寄る。

「築地」の、メインの喫茶コーナーは二階にあって、

アンティークの調度品や橙色の照明が、レトロな風情を誘う、そんな喫茶店だ。

南側に面した窓に近い席からは、いかにも京都らしい路地が見下ろせる。

【追記】

「築地」の向かいにある家の前には、池田屋事件で有名な、幕末の志士、古高俊太郎の旧宅跡の石碑が建っている(→「京都石碑探偵」)

京都石碑探偵 京都石碑探偵
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2004-12

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