
上の写真は、県道72号線から見下ろしたもので、左に、トラックで搬入された廃プラスチック類をユンボで整地し、ユンボの重量で押し固めているところが見えます。

中の写真のように、処分場内に黒いパイプが数本立っています。これは、廃棄物の嫌気性発酵を防ぐために地下の集水管に空気を送るためのものだそうです。
同社では、H13年に黒く濁った水(後の調査で、廃石膏ボードの硫酸基と地中の鉄分が結合した硫化鉄が原因とされたそうです)が流れ出して操業を停止し、翌年に再開しています。この黒い水対策に1億5-6千万円かかったそうです(そのとき社長が現社長(前社長は兄)に交替したそうです)。その対策の1つが、このパイプだそうです。

池の中央部では、ばっ気によって水中に酸素を補充しBOD値を下げているそうです。
池の右角(写真の右上)には、活性炭ろ過装置があり、調整池から出る水をこのろ過装置に戻して濁りを取り、調整池に入れているそうです。
また、撮影した地点の近くには「プラズマ廃水処理装置」があり、調整池の水をくみ上げて電流によってCOD値を下げるために使用するするそうですが、当日は作動していませんでした。
これらの装置も、H13年の黒い水への対策として導入したそうです。
この産廃処分場は安定型ですから、地下に集水管を敷設する必要も、廃棄場の下に調整池を造る必要もないはずです。現実には、基準値近くまでのBOD、CODが計測されていて、いつ基準値を超えるかわからない綱渡りのような操業のように思えました。
しかし、排出基準値を超えていなくても、一定量の有害物質が周りの環境に流出し続けていることには変わりなく、足守川流域の住民の健康に悪影響を及ぼす可能性のある施設であると思います。
(追伸)
3段落目に廃棄物中の廃プラの割合(88%~85%)を書いていますが、この廃プラはすべて県外の中間処理業者から搬入されるそうです。つまり、この産廃処分場の廃棄物は、大部分が県外のものだということです。
実際、廃棄物を搬入してきたダンプのナンバーは、京都や姫路でした。
工場などから廃棄されるプラスチック類には、化学薬品や重金属などの付着物があり、大変危険です。関西圏で処分させてもらえないから、こんな遠くにまで運んでくるのか、岡山市民は関西の有害物質入りの水を飲まされる可能性があるのかと思わされました。