岡山市長選立候補予定者3氏(氏平長親氏、大森雅夫氏、熊代昭彦氏)宛に8月24日に発送していた「
産業廃棄物対策に関する公開質問状」に対し、期限としていた5日までに氏平長親氏から回答が届きました。
質問と氏平氏の回答(青字。下線など原文のまま)、及び私の感想は次のとおりです。なお、他の2氏からの回答はありませんでした。
【質問1】
岡山市内には産業廃棄物処分場が多く、そこには関西圏のナンバープレートを付けたダンプカーも数多く出入りしています。産業廃棄物処分場の操業は環境負荷が大きく、岡山市では、県外からの産業廃棄物も加わって環境が壊され、市民の生活が脅かされています。
私は、岡山市の産業廃棄物対策行政を市民の福祉を守る立場で、より厳正に執行すべきと考えますが、いかがでしょうか。
【質問1】への回答(下線部が回答の中心部分)
私たち、市民本位の市政をつくる会が2013年の岡山市長選挙に向けて発表した政策の「3次案」では、産廃行政に関しては、「第二の柱:豊かな自然環境を生かし、地域経済を発展させ元気な岡山市を」の中で「(6)豊かな自然環境を守り、心安らぐ岡山市をめざします」として、「産業廃棄物対策は、排出する事業者に対し、発生抑制・有害な廃棄物は出さないなどの責任強化を図ります。とりわけ、県外からの持ち込みに対し、抑制の仕組みをつくります。さらに、水源地などに産廃処理施設を設置することができないように位置規制を盛り込むなど「廃棄物処理法」の改正を国に求めます。同時に、岡山市でも厳重な立ち入り監視・調査・指導ができるよう「岡山市産業廃棄物施設の設置に関わる紛争の予防及び調整に関する条例(仮称)」を制定し、違反者への罰則規定を強化します。
としています。
貴職がご指摘の通り、現行では関西圏からの産廃持込みも多く、特に旭川の上流に当たる御津地域には多くの産廃処分場が設置され「産廃銀座」との指摘もされています。私は、これ以上の産廃処分場を岡山市内に作らせないために住民の目線で産廃行政に携わる決意です。
(感想)
私の希望とほぼ合致した回答でした。
なお、私は、産業廃棄物処分場が産業活動圏内に設置されることまで反対しているわけではなく、生活圏内に設置されることが問題だと思っています。
【質問2】
岡山市内でこれまで、産業廃棄物処分場から有害な物質が流出して環境を汚染し、農業や生活が脅かされる事例がありました(2001年6月27日の真星産廃処分場など)。
河川の上流域に設置された産業廃棄物処分場から有害物質が流出した場合は、河川の下流域の多くの市民が影響を受ける恐れがあります。また、焼却施設から有害物質が排出された場合は、大気中に拡散されて多くの市民が影響を受ける恐れがあります。
岡山市産業廃棄物処理施設の設置及び管理の適正化等に関する条例は、設置計画者が関係住民に事業計画及び環境保全調査の内容を説明することを義務付けています(第7条)。
市民の知る権利と意見表明の機会を保障するためには、この「関係住民」に、近隣の町内会だけでなく、産業廃棄物処分場設置予定地から下流域の市民や、大気汚染の影響を受ける恐れのある市民を広く含めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
【質問2】への回答
ご指摘の通り、岡山市の産廃条例では、「(説明会の実施)、第7条 設置計画者は,前条の事業計画書及び環境保全調査書を市長に提出したときは,遅滞なく,規則で定める手続により説明会を実施して,当該事業計画及び環境保全調査の内容について,関係住民に説明しなければならない。」としています。また、関係住民の定義では、「第2条の(定義)で、(8) 関係住民 産業廃棄物処理施設の設置又は産業廃棄物の処分に関し,環境保全上利害関係を有すると認められる者であって規則で定める範囲のものをいう。」として「規則」で範囲を定めています。
※「規則」
第5条 条例第2条第8号に定める関係住民は,次のいずれかに該当するものをいう。
(1) 産業廃棄物処理施設の敷地の用に供する土地及びこれと一体的に使用する土地並びに産業廃棄物の搬入及び搬出のための通路として使用する土地(以下「事業用地」という。)の境界線から500メートルの区域内に生活の本拠がある者,当該区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者及び当該区域内に存する学校に在学する者
(2) 事業用地の境界線から500メートルの区域内にその一部の区域が含まれる町内会(市内に結成された町内会,自治会等で岡山市町内会名簿に登載されているものをいう。)が存する場合,当該町内会の区域内に生活の本拠がある者,当該町内会の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者及び当該町内会の区域内に存する学校に在学する者。ただし,前号に掲げる者を除く。
2 前項に掲げる者以外の者が,「市長に対し当該産業廃棄物処理施設の設置又は産業廃棄物の処分に関し,環境保全上利害関係を有する旨文書で申し立てた場合において,その申立ての内容に相当の理由があると認められるときは,その者を関係住民とみなす。」
貴職のご指摘は、ごもっともだと思います。市民の知る権利と意見表明の機会保障の拡大・強化をどう進めていくか、様々なご意見をもとに検討していきたいと思います。
(感想)
氏平氏は、市民の知る権利と意見表明の機会保障について前向きな姿勢であると思われます。
産業廃棄物処分場の影響は、間接的な影響も考慮に入れれば、全市民に及びます。すべての市民が設置業者の説明会(事業計画及び環境保全調査の内容を説明)に参加でき、意見を表明する機会が保障されるべきだと考えます。