諸塚の山は紅葉の真っ盛りだった。
桂集落と諸塚の山々。右手のこんもりとした森の中に桂神社が鎮座する。
桂神社。毎年、11月初旬に「霜月祭り」が開催される。桂集落は五戸。この五戸が七年ごとに開催される「大神楽」(22番で構成され、全曲で24時間を要する)を伝えている。大神楽の他に、毎年の小さな祭りで三番から五番の神楽が奉納される。
神社に集まってくる人々。
神楽は「宮神楽」「杉のぼり」「八幡様」の式三番が奉納され、昼食をはさんで願成就神楽と願ほどきの神楽で終わる。この「式三番」は能楽の「式三番」や「翁三番叟」と対応していると考えられ、神楽の原初の形とも対応している。村の小さな祭りで奉納されける神楽に古形が残る。
桂神社の裏手は大きな諸塚の山脈である。この山を越えて神楽が伝わったという伝承がある。実際、桂神楽は、諸塚山の北麓にあたる高千穂地方の神楽と共通点が多い。伝わった時代のまま形を崩さずに伝承されているのだとすれば、高千穂神楽の古形がここに残されているとみることができる。
丹念に手入れされた棚田の向こうに、伐採、植林、生育する森という諸塚の「山造り」のすべての工程をみることができる。そしてその森は天然林と混生し「百彩の森」と呼ばれる見事な風景を作り出している。
山の畑。山の尾根付近が畑になっており、ここで採れた野菜が「祭り」や「神楽」の「もてなし」の食材となる。
神社の裏手の森から山へと続く道を歩く。山道の脇にリンドウや野菊が咲いている。
神楽太鼓の音が聞こえてくる。
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田原伸幸
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