森の空想ブログ

「空想の森アートコレクティブ展《第一期》」の最終地点/由布院空想の森美術館&芸術新社:漂泊にて①[空想の森アートコレクティブ展<VOL:4>]

今年(2024年)の3月から始まった「空想の森アートコレクティブ展」が第一会場「友愛の森空想ギャラリー(宮崎県西都市)」、第二会場「欅邸(宮崎県日向市東郷)」、第三会場「小鹿田焼ミュージアム渓声館(大分県日田市)」と廻り、場所・空間・展示作品・展示の手法などを変え、参加作家・作品も加わりながら第一期の終着地点「由布院空想の森美術館&藝術新社:漂泊(大分県由布市湯布院町)」へと辿り着いた。

これは文句なしに面白い。

主として古民家を修復・再生しながらアートスぺースとして運営している施設が会場となることから、行く先々の環境や風景、建物の空間構造などとどのように出会い、馴染むかということから作品選定が始まり、会場主・スタッフやアーティストとミーティングを重ねながら展示が開始される。その時点で、新たな鑑賞者や表現者、地元の方々との出会いも始まる。これこそ、地域や環境そのものがアート化してゆくという現代アートの先鋭的な現場であり実験場と把握できるのではないか。「小鹿田焼ミュージアム渓声館」では梅原館長のコレクションを加えて展示替えをし、企画を継続することになったのも、ひとつの方向性といえるだろう。そのような手ごたえを得て、帰着したこの場が次の出発の起点ともなる。すでに参加アーティストも増え続けている。今後の展開を楽しみに観察しながら、展示の報告としよう。

空想の森美術館本館入り口正面に仙道利通「A SIXTH SENS」を置き、第一期空想の森美術館・開館時からシンボル的に展示されてきた「狛犬(個人蔵)」とコラボした。右手に高見乾司「山岳冬景(墨彩)」置いた。再生された古民家、李朝の家具、星野焼茶壷などとの調和が嬉しい。

今後の展示の要点がここにある。

二階展示室。新たに参加して下さった水元博子氏の「南国の赤」シリーズが違和感なく収まった。太くて黒々とした梁(はり)、壁の漆喰の白ととも馴染んでいる。

後藤洋明氏の寄贈による「市村修/アルプハーラの教会」、「阿部金剛/遥かなる由布」。後藤氏とこの企画の主宰者・高見乾司は旧・現代画廊に通い洲之内徹氏の薫陶を受けて育った「気まぐれ美術館」仲間。後藤さんは第一期の空想の森美術館の運営にも関わり、「画中遊泳館」というスペースに作品を提供して下さった縁がある。月報「空想の森から」に「画中遊泳法」というエッセイも連載。これからこの空想の森アートコレクティブにも参加を表明して下さっている。

これまでに紹介した「アートスペース繭」主宰の梅田美知子さんのコレクションから。今後さらに厚みを加えてゆく予定。

*「芸術新社:漂泊」の会場紹介は次回。


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