とき・11月4日~13日
ところ・アートスペース繭
東京都中央区京橋3-7-10
TEL03-3561-8229
今から30年ほども前、湯布院町(現・大分県由布市)の寂れた旧街道沿いの一角に、小さな古道具屋がありました。「古民藝糸車」というその店の店主だった私は、その古びた家の二階の部屋で、絵を描き、詩を作り、本を読む生活を続けながら、病後の身体の回復を待っていました。そして、時折、九州を巡る旅に出て、古い道具類や民俗資料などを買い集めました。美しい、一枚の藍色の木綿に出会ったのは、そのような日々の中でした。農家の庭先で、燃やされそうになっていたその布は、その家のお婆さんが、隣接する畑で栽培した綿から糸を採り、丹念に織り上げたものだったのです。糸車の回転のように、時代がぐるり、と廻る。いま、掌の中の宝石のようにも思えるそれらの布たちが、「繭」の空間でどのように見えるか・・・楽しみな企画です。(高見乾司)
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高見さんのライフワークともいえる九州の神楽の研究と民俗仮面の収集、その情熱に引き寄せられるように集まった貴重な文化遺産を、散逸させることなく九州の地に残したいという高見さんの思いが、この春ようやく叶い、90点が「九州国立博物館」に収蔵された。昨年一月、焚き火の前でもなお寒い、諸塚村・戸下神楽を訪れた夜、その第一報がもたらされた。高見さん共々「万歳!!といいつつ、そこには星明かりの下、目の前で舞われている創世の神々の意志が働いているに違いないと確信した夜だった。(アートスペース繭・梅田美知子)
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毎年お世話になっているアートスペース繭さんでの企画展です。ここでは、多くの出会いがあり、また古い友人たちとの再会・交流もあって楽しみな場です。お近くの方、ぜひお立ち寄り下さい。
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