くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

まるで小さな清水寺

2014-07-09 22:07:18 | お出かけ

前回に引き続き上野公園の重要文化財です。

上野公園には、上野東照宮のほかにもうひとつ、

戊辰戦争でも関東大震災でも、第二次世界大戦でも焼失しなかった、

江戸時代の貴重な遺構があります。

その姿は、歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれています。

上の絵は歌川広重(1797-1858)が名所江戸百景に描いた上野清水堂不忍池。

上野清水観音堂は、上野の山に東叡山寛永寺を開いた天海僧正が、

1631年(寛永8年)に建立した堂舎です(重要文化財)。

広重の名所江戸百景からわかるように、京都の清水寺がモデルになっています。

これが現在の上野清水堂です。

広重の「名所江戸百景」ほどのスケール観はありませんが、

古色蒼然とした味わい深い建物です。

本堂の前は京都の清水寺と同じように舞台造りになっています。

残念ながら、現在では木が高く生い茂り、不忍池を俯瞰することはできません。

広重の浮世絵にも描かれている、円形に一回転した枝ぶりの松は、

「月の松」と呼ばれ、江戸の庶民に親しまれていたそうです。

元祖「月の松」は明治の初めに台風で失われ、

現在のものは昨年、150年ぶりに復活させた二代目です。

これを作ることのできる造園職人は、もうごくわずかしかいないそうです。

 



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