「宇宙博って、未来のある若い人たちが見るものでしょ」
家族から冷たくそう言われ、ひとりで幕張の宇宙博2014に行ってきました。
ひとつの宇宙開発計画を実現するには、長い年月がかかります。
たとえば火星の有人探査計画は、米国は2030年代半ばを目標にしています。
人生の折り返し地点をとっくに過ぎてしまった人たちにとっては、
そのような実際に自分の目で見られるかどうかわからないことよりも、
もう変わることのない歴史や現在の足元のことに興味が向かうのは、
至極、自然なことかもしれません。
でも、幼いころに万博をリアルタイムで体験した万博世代にとっては、
「博覧会」と聞くとなんだか胸がわくわくして行きたくなってしまうのです。
もちろん「万博」とは、大阪で開催された「日本万国博覧会」のことです。
広い会場内には、米国(NASA)と日本(JAXA)の宇宙探査の歴史、
そして将来の計画が実物やレプリカの展示によってわかりやすく説明してあります。
アポロ計画の月面車(レプリカ)
やっぱり実際に見てみないと、写真じゃわからないことがたくさんあります。
たとえばこの月面車のタイヤ。
月面車のタイヤはメッシュなのです。
月面はほぼ真空の世界なので地球のように空気タイヤは使えないし、
重力は地球6分の1だから重い車体を支えるのに、
中身の詰まった頑丈なゴムタイヤである必要もありません。
何より軽量化はロケット打ち上げの基本中の基本です。
こちらはジェミニ宇宙船の大気圏再突入モジュール(レプリカ)
ジェミニ宇宙船(二人乗り)の内部。
窓のようなものはなく、扉を閉めると外は一切見えず、計器に囲まれた狭い空間です。
想像しただけで、閉所恐怖症じゃなくても発狂しそうな空間です。
アポロ計画時代の管制用コンソール。
こんな旧式の機械で人を宇宙へ往還させたのですから、
100年前に犬ぞりで南極点を目指した探検家のようなものでしょうか。
この宇宙博の目玉展示は三つ。
まず一つ目は、スペースシャトルの機首部分のレプリカ(実物大)。
フライトデッキを観ることができます。
スペースシャトルのフライトデッキ。
想像していた以上に室内は狭く、座席も座り心地が悪そうでした。
やはり宇宙開発は快適性よりも、合理性(軽量化)優先なのです。
目玉展示の二つ目は国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」のレプリカ。
こちらはスペースシャトルのフライトデッキとは逆に、
想像していたよりも広い室内空間でした。
やはり長期間滞在することを想定しているからでしょうか。
そして三つ目は、火星探査機「キュリオシティ」のレプリカ。
スペースシャトルと日本実験棟きぼうの室内観覧、
8Kスーパーハイビジョンシアターの視聴は行列ができます。
観覧は時間に余裕をもって出かけたほうがよさそうです。
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