日本は長引く不況で失業者が増え、新卒者の就職率も低下し、
景気回復には、雇用の拡大が必要であると報道されて久しいです。
その一方で、
東日本大震災の復興工事では労働者が不足し、
東京オリンピックの開催準備がこれに輪をかけて、
深刻な労働力不足に陥るとも報道されています。
職に就けない若者や失業者があふれていると言われながら、
ある特定の業種では労働者が足りないと報道されています。
「労働者不足には、外国人労働者を受け入れれば良い」
と言う、政治家や識者と呼ばれる人たちもいます。
でも、それって何かおかしくありませんか?
この状況を正確に言うならば、
「日本には職に就けない新卒者や失業者がたくさんいる。
けれども、建設労働や単純労働などの肉体労働には就きたがらないので、
日本人が嫌がる仕事は外国人労働者に任せればいい」
ということでしょうか。
もちろん、労働者が不足している職種は、
ただ単に仕事がきついだけでなく、正社員でなかったり、
給料が安いうえに、個人で社会保険に加入しなければならなかったりなど、
敬遠されるのは、それなりの理由があります。
だからこそ、政治や行政としてやらなければならないことがあります。
いつまでも小泉政権時の雇用の規制緩和を引きずっていては、
やがて、日本人が嫌がる仕事は外国人労働者に働かせ、
日本人の失業者は社会保障と言う名の税金で食べさせていくという、
本末転倒な状況が生まれます。
私はこれに、まるで古代ローマ時代の、
「奴隷制度」と「パンとサーカス」を見る思いがするのです。