「役職」は、成果に対するご褒美や見返りではありません。
「役職」は、仕事を進めていくうえでの道具であり、武器なのです。
係長よりも課長、課長よりも部長のほうが、
会社の内外で仕事の幅が広がり、進めやすくなります。
会社は、課長の能力があるから課長にするのではなく、
部長の能力があるから部長にするのでもありません。
その「役職」を使いこなしてほしいと期待するから昇格させるのです。
だから昇格して偉くなったと思うのは、大いなる勘違い。
ましてや「役職」をかさに着て威張るのは愚の骨頂。
自分には道具を使いこなす能力がないと言っているようなものです。
また、新聞記事によれば、ある調査で、
最近の高校生の56%が出世したくないと思っているといいます。
そして解答者の70%が、出世すると責任が重くなると考えているそうです。
収入は低くてもよいから、仕事の責任は負わずに、
のんびりと過ごしたいということのようです。
しかし、「仕事に責任がない」ということは、
与えられた仕事を処理するだけで、「自分の裁量で」、
「自由に仕事ができない」ということでもあるのです。
それを自覚せずして、
「やりたい仕事をやらせてもらえない」などと拗ねるのは、
甘ったれ以外のなにものでもありません。
誤解を恐れずに言えば、「役職」というものは、
ロールプレイングゲームでステータスをあげて、
アイテムを入手するようなものなのです。