大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

二宮尊徳伝(13)

2014年10月21日 | 労働者福祉
小渕優子と松島みどりの2人の閣僚がそろって辞任しました。
取り巻きの幹部も含めて、選挙法に関するあまりの無知にびっくりします。
素人ながら私のほうがよほどマシですね。

さて二宮尊徳伝の続きです。
これでも読んで心を清めましょう。

困窮者に対する尊徳の援助のやり方は、無償の供与ではなく年賦償還による貸付でした。
困っている貧乏人ほど借り入れも多く、返済の負担も大きくなります。
尊徳は、その負担を軽くするために村人同士で助け合う方法を考え出しました。
余裕のある者からは援助資金である報徳金への「加入金」を推譲させました。
(推譲とは他人のために推し譲ることです)
極貧の者には“勤倹”によって自立できるよう指導しました。
(勤倹とは報徳仕法を用いた生活指導です)

この相互扶助の考え方を村人たちに理解納得させるために尊徳は根気よく説得を続けました。
「貧困で飢えに迫る者は自らが招いた結果かもしれず、哀れみをかけるには足らないと思うかもしれない。
けれども同じ村に住み、同じ水を飲み、同じ風に吹かれ、病気の時は助け合い、死ねば弔い合い、苦楽を共にしてきたのは一朝一夕の因縁ではない。
たとえ乞食であっても、あるいは財産を失って放浪している者であっても、なお銭一文を施し、米ひとすくいを与えるのが人情の常である。
いわんや同じ村民が死ぬのを黙って見ている道理はあるまい。
あなたたちにはこれを救おうという気持ちがないのか。
同村の者でもその死を救う気持ちがなければ、なんで他国の私たちがこれを救う理由があろうか。
そもそも我らは皆、天の分身ではないか」

尊徳の思想は、何事につけても調和融合をめざすまろやかな思想です。
人間と人間の関係でも、互いに持ちつ持たれつの相互依存関係を維持しようとする考え方です。
しかし特権意識の強かった武士階級にはこの思想はなかなか理解されず、報徳仕法は“上を損して下を益するもの”として毛嫌いされました。
藩政当局の抵抗が大きくて、分度がなかなか確定しないとき、尊徳はこう役人たちに言い放ちました。
「国に分度がないときは、桶に底のないのと同様で、たとえ百万の米やお金があっても、ついに困窮することは必然だ」

武士階級に人気はなくとも農民たちの熱気はいよいよ増してきます。
報徳仕法のやり方と考え方は「仕法雛形」(標準マニュアル)として冊子にまとめられます。

この雛形は手から手へと渡って写し取られ、多くの村々で模範例とされてきました。
仕法の気運はますます広がっていきます。

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