火花 | |
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文藝春秋 |
「僕は面白い芸人になりたかった。
僕が思う面白い芸人とは、どんな状況でも、どんな瞬間でも面白い芸人のことだ。」
熱海の花火大会で前座に呼ばれていた二組の売れない漫才コンビ。
主人公の徳永は熱海の居酒屋で年上の漫才師徳永にぞっこん惚れ込み、弟分として可愛がってもらうようになります。
しかし二人ともなかなか芽は出てきませんでした。
「必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう?
一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないのに挑戦するのは怖いだろう。
無駄なことを排除するということは、危険を回避するということだ。
臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい、リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。
それがわかっただけでもよかった。」
相方が結婚することになりコンビを解消した時に、ネットで中傷する人たちに徳永は心の中でこう呟きました。
芥川賞受賞作「火花」です。
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹氏の作品ですが、異色の作家ということで早くもミリオンセラーの仲間入りです。
主人公徳永と又吉をダブらせながら面白く読ませていただきました。
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