大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

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ピケティと労働組合

2015年01月09日 | 労働者福祉
「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティの対談集の中に、労働組合の役割に触れている部分があります。

Q:高度成長期には、不平等を和らげ、労働者が経済成長の適正な分け前を受け取ることを確保するうえで、労働組合は重要な役割を演じました。
格差が拡大していく中で今後、組合はどのような役割を果たせると思いますか?

A:難しい問題ですね。
過去10年間に、それまで最低賃金を使っていなかった多くの国が、これを使い始めたのは興味深いことです。
米国では1938年に導入されたのですが、最低賃金は長い間あまり上がらないままでした。
現在これを上げようという議論が高まっています。
サービス産業の雇用が増加し、製造業の雇用が減少している世界では、労働組合はかつてのような影響力と効果を持てなくなっています。
でもそれは、労働組合が問題解決の一端を担っていないというのではなく、賃金に影響を与える他の政策も考えなければいけないということを意味しています。
フランスではかつて、組合や労働者は役員会での意見陳述権を持つだけで、議決権は持っていませんでした。
でも今では、ドイツのように新しい法律によって、役員会での一定数の議決権が認められようとしています。

Q:20世紀半ばには、不平等が縮小し、労働組合と政党の両方の形で組織化された労働者階級は、経済的、政治的影響力を持ち、それが平等主義の運動にエネルギーと勢いを与えました。
その組織化された労働者階級の衰退があり、ピケティ氏の提起する資本を民主化するための勢力をどのようにして埋めるのかは非常に困難な状況だと思うのですが?

A:動員や大衆参加の新しい形が今後生み出されるでしょう。
組合と共に未来のために活動できるような、違った形の動員で、私たちがまだ十分に知らないものはあると思います。
情報技術とインターネットの発達は情報伝播の新しい道、そして動員のための新しい道を切り開きました。
私はアイデアや本の力を信じています。



世界的な話題となっているピケティの著書「21世紀の資本」。
そのピケティの講義を独占収録した番組「パリ白熱教室」がEテレで、
本日夜11時より全6回シリーズで放送されます。

1月09日 第1回 「21世紀の資本論」~格差はこうして生まれる~
1月16日 第2回 「所得不平等の構図」(仮)~なぜ格差は拡大するのか~
1月23日 第3回 「不平等と教育格差」(仮)~教育VSスキル~
1月30日 第4回 「資産格差の闇に迫る」(仮)~所得データはこうしてつくられる~
2月06日 第5回 「世襲型資本主義の到来」(仮)~100年前の格差に回帰~
2月13日 第6回 「これからの資本主義」(仮)~グローバル富裕税の可能性~

興味あるかたはぜひご覧になってください。

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