大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

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円安・ドル高の行方

2014年12月01日 | 経済
資源の少ない日本は原材料を輸入し、それを加工組み立てて付加価値をつけて、国内はもとより諸外国に輸出して生計を立てていました。
また国土の7割は緑豊かな温帯雨林であり、山林の所有者が植林をし、製材屋が製材し、建築会社が住宅を建てて、お客さんに提供しました。
お米をはじめとした食料品は、日本人の手により作られたものが、日本人の食卓にのぼりました。

いつしか加工貿易は日本のお家芸となり、巨額な貿易黒字を計上するようになります。
それと並行して円高が進みますが、生産性の高まらない木材や食料品は海外製品に追いやられていきました。
円高は止まることを知らず、加工貿易型の輸出産業は、こぞって海外生産へシフトしていきました。

海外シフトが完了すると、もはや円安に振れても国内回帰はありません。
内需型産業も輸出産業も大きな壁に突き当たったまま身動きがとれません。
いまやドルベースでの日本のGDPは中国の半分になってしまいました。
日本の株価が上がって喜んでいますが、ドルベースでみれば横ばいです。
個人の金融資産もご覧のとおりです。
世界の基軸通貨がドルであることを忘れていると手痛いしっぺ返しがくるやもしれません。
為替レートがドル高一直線になったあの頃、何が起こったのかを思い出しましょう。

過去から私たちは学ばなくてはなりません。
国家戦略を練るためには、人為的に為替が動かされていく現状をなんとか改善しなければなりませんね。

(日経新聞より)

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