大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

階層化する日本

2014年01月28日 | 労働者福祉
昨日放映されたNHK「クローズアップ現代」は衝撃的でした。
映像は、貧困状態に苦しむ働く女性たちの実像に迫ります。

不安定な非正規雇用で働く女性の割合は57.5%で男性の2倍以上、しかも単身女性の3分の1が年収114万円未満です。
さらに深刻なのが10代20代のシングルマザーで、20代のシングルマザーの80%が年収114万円未満の貧困状態に置かれています。
必死に生きる若い女性たちが最後に救済を求めるところが寮や託児所を設けている風俗店でした。

朝から晩までアルバイトを3つも掛け持ちする女性も紹介されました。
母子家庭に育った彼女は、将来保育士になるという夢の実現のために、働きながら通信制で学んでいます。
しかし最低賃金すれすれの収入では学費にも満たないため奨学金を利用しています。
解説者はこの奨学金問題にも触れ、将来保育士の年収だけでは奨学金の返済でも苦労するだろうと心配していました。

このような女性も含めてとうとう、非正規労働者は2000万人を超えてしまいました。
ひとりでは食べていけないが二人ならなんとかなるという評論家もいますが、それは実像を知らない勝ち組の理屈かもしれません。
結婚はしても、彼ら彼女らが子供をつくろうという夢は“夢のまた夢”かもしれません。
どうすればいいのでしょうか?

寄付文化のある欧米では教会が大きな力を持っていますが、日本にはそういう文化も育っていません。
行政がどこまで関わるのかも不明なまま、貧困が連鎖していく日本の有り様を見るにつけ社会の荒廃が心配でなりません。
1995年のあの「舞浜会議」を契機にして、経団連が変質し、経団連が目指した柔軟な雇用制度がここまで日本を壊してしまいました。

現在検討中のフードバンク事業も支援策のひとつですが、それは緊急対策のひとつでしかありません。
労働団体も福祉事業団体も、もっともっと根本的なところに私たちが関与できるなにかがありそうな気がします。

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