大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

数字至上主義の罠

2014年03月07日 | 経済
企業が行き過ぎた資本主義に陥ると、利益最大化の呪縛に囚われてしまい、社員は疲弊化していきます。
本来仕事とはもっと楽しくてワクワクするものであったはずなのに、上層部から割り付けられた数字を達成させるだけで組織のあるべき姿などは見えなくなってしまいます。
仕事の意味や目的も置き去りにされて、数字に追いかけられるだけの毎日ではイノベーションも働く喜びも生まれてはきません。
そうなるとある時を境にして業績は急降下を始めます。
そんな危機をどう乗り切るか、あのスターバックスが再生した物語から私たちが学ぶべきものを見出せます。
スターバックス再生物語 つながりを育む経営
クリエーター情報なし
徳間書店

成長市場主義の陰でスターバックス創業の原点にある一番大切な“思い”“質”の劣化が起きていることを創業者ハワード・シュルツ氏は気づきます。
危機感を募らせたシュルツ氏はCEOに復帰し、戦略的なビジョンと7つの大きな取り組みを示しました。
《ビジョン》
魂を刺激し、育む企業として知られ、世界で最も認められ、尊敬されるブランドを有する優れた企業であり続ける。
《そのための7つの取り組み》
1、コーヒーの権威としての地位を揺るぎないものにする
2、パートナーとしての絆を確立し、彼らに刺激を与える
3、お客様との心の絆を取り戻す
4、海外市場でのシェアーを拡大する…各店舗はそれぞれの地域社会の中心になる
5、コーヒー豆の倫理的調達や環境保全活動に率先して取り組む
6、スターバックスコーヒーにふさわしい創造性に富んだ成長を達成するための基盤をつくる
7、持続可能な経済モデルを提供する

原点に戻って自分たちの価値を確認し、新しい環境に合わせてどうやってビジネスモデルを再構築するかがポイントでしたが、変革前には胸をかきむしるような決断にも迫られました。
そしてCEO復帰後、再び増益に転じますが、後にシュルツ氏はこう総括しています。
「成長は戦略ではない。戦術である。
それを私たちは十分に学んだ。
規律のない成長を戦略としたために、スターバックスは道を見失ってしまったのだ。
しかし、過去の過ちはもう繰り返さない」
成長至上主義・数字至上主義がもたらした修羅場を切り抜けた原動力は、ビジョンであり使命であり“スターバックスらしさ”でした。

各地で労福協が取り組んでいる「労働者自主福祉討論会」はまさにこうした原点を取り戻す運動です。
私たちもロッチデールの先駆者たちが取り組んできた“協同組合の原則”を再び蘇らせましょう。

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