花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

筑波山で行方不明者二人

2012年04月21日 | 登山

筑波山ふれあいの里の春景色

20日、ちょっと撮りたい花が有って、筑波山に登った。
曇り空で気温も低く、御幸ヶ原のかたくり園に行ったら
花は沢山有るのだが、みんな半開き状態で、写す気にもならなかった。

ちょうど居合わせたグループに聞かれたので、片栗やキクザキイチゲは
気温が上がらないと開かない事や、咲くまでの期間が長い事を説明した
一眼レフと三脚を持っていると、花に詳しいと思われているのかもしれない

お目当ての花も、まだ咲いていなかったので、男体山の回りの自然研究路を
歩くことにした。
御幸ヶ原のケーブルカー山頂駅の前は、小学校とおぼしき団体客があふれていた
こんな天気の中でも、彼らだけは元気が良い。
見渡すと、日光の山も霞みと雲に遮られて、何も見えなかった。

自然研究路に入ると、昨年花が咲いたのか、笹竹が一斉に枯れて立ち並んでいる
これほどまでに枯れた竹を見るのは初めてだ。

昭和天皇が頭を下げてくぐったと言う、倒れかかったブナを抜けて登れば
間宮林蔵が立身出世を祈願したという「立身石」に出る。
(誤解されないように付け加えるが、このブナの木を、陛下の行幸のじゃまになる
と切り倒したら、植物学者でもあられた陛下がお嘆きになった事と思う)
この岩の上が第一展望所と呼ばれ、筑波山の南側の山腹から遙かに関東平野まで
見渡せる。
ここから見下ろすと、山腹の垂直分布が見て取れる。
先客の二人のご婦人のじゃまにならないように、脇道の先端に出ると
シキミの花が盛りで、盛んに香りを振りまいていた。

吾国山の片栗群生地では、ブナの若葉が出始めていたが、筑波山ではやっと
芽が出始めたばかりだ。
自然研究路の道ばたには、スミレや片栗がそこかしこに咲いていた。
ミミガタテンナンショウの雄花を見つけて、虫の脱出口を写真に撮った。
穴と言っても、苞の合わせ目の小さな隙間である。
後で見たらピンボケ気味で、イマイチであった

いきなり登山道でも無いところから、中年男性が躍り出てきたのでびっくり
してしまった。
相手も気まずかったのか、挨拶もせずさっさと立ち去ってしまった。
立ち入り禁止の張り紙をつけたロープも、いつの間にか切られて無い。
踏み跡だけが明瞭に広がっている。

やがて第二展望所の手前に有る「あずまや」に立ち寄って一休みした。

ところが、そのあずまやの奥の左右の柱に、写真付きの張り紙が有り
右の柱には行方不明者と書かれた眼鏡をかけた男性の写真が貼ってある。
3月21日から筑波山で行方不明になっているという。

左の柱には、59歳の坂本さんと言う女性が、4月2日正午頃筑波山に
行ったまま行方不明であると、取手警察署の張り紙がしてあった。
服装の特徴なども書いてあるし、名前も書いてあった。

最初は、その張り紙の写真を撮ったので、ブログ載せようとおもった
のだが、個人情報でもあり、掲載に疑問が残るので掲載を見合わせた
未だに発見されていないのか、発見されたのかも不明でもあるし
判断に迷うところだ。

昨年は、地震による落石で女性が死亡しているし、数年前には新潟の
大学の先生が、不審な死亡をしている。
単独で登る場合、たとえ千メートルに満たない山でも、甘く見ては
ならない。
一昨年、ブナ調査で山腹を歩いたが、見た目以上に急斜面が多く、登山道路
から外れると、転落の危険が潜んでいる。
少なくとも、家族にはルートを知らせておくべきだ。


筑波山のケーブルカー社内から


ハルトラノオ、白く見えるのは花弁では無く萼で、5深裂する。
長さは2~3ミリ、雄しべは8個で萼より長く、しゃくは赤い


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