原見岩(トカゲ岩)は、一休みするには丁度良い場所で、展望も良いし
周りに小湿原が有り、時期に来れば、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ
イワイチョウ、オオバツツジ、ミヤマダイモンジソウ、タテヤマリンドウ
ミヤマキンポウゲ、ミネウスユキソウ、オオバギボウシなどと
ニッコウキスゲも咲く。
しかし8月も8日になると、花の盛りも過ぎて、キンコウカが咲き出し
タテヤマリンドウの果穂が開いて、すでに種を流していた。
果穂が開いて、中の種は残っていなかった。
こちらは以前に笠ヶ岳で撮影した種の入った果穂
タテヤマリンドウは、種を雨で流す散布なので、雨の日に果穂を開く
種入りの果穂が開いたら、天気の崩れる前兆と言えるかも。
木道の脇に咲くオトギリソウは、たぶんイワオトギリだろう
正確に見分けるには、葉の表面の黒点や明点の有無と、位置に
よるらしいが、悲しいかな老眼では、そんな小さい点は見えない
もっとも良いのは、太陽に葉を透かして見ると判るのだが、木道の
脇では、下からのぞく訳にもいかないし。
(注 明点とは、色素の抜けた点という事らしい)
と言うことで、一般的な特徴から判断したので、正確ではない
イワオトギリの一般的な特徴、全体の形と花の幅が、株立ちで
やや広い、葉の形が、楕円形で黒点が多い
ただのオトギリソウは、一本立ちで花の幅も狭く、葉の先が細い
披針形で黒点が少ない
と言うことで、株立ちしている、葉が楕円形に近い特徴から
イワオトギリと判断したが、もちろん例外も有るので正確とは
限らない。
トカゲ岩の先は、右前方に至仏山の尾根を眺めながら
登ると、その先は再びジグザグの階段道となる
階段を上りきると、樹林帯の中の道をやや下って、緩やかな
道となる。
樹林帯の間から、至仏山の尾根が時々顔を出す道には
タケシマランの赤い実や、ネバリノギラン、ツルリンドウが
多い。
やがて階段の下に、オヤマ沢の道標がある水場に出る
至仏山1.6Km 鳩待峠2.9Kmの表示があり、標高1980mと記されている
階段の左にある水場は、オヤマ沢の源流の一つであるが
ベテランの登山家に聞いたら、「沢水だから飲まない方が良いよ」
と言うことだった。
それで私も他の人にそのように伝えているし、水も少ない水場である。
私はここで、気化熱で首を冷やす「ひんやりネック」を
水に浸して、暑さ対策と一休みをした。
階段を登り、緩やかな木道を進むと、やがてオヤマ沢田代湿原の入口が
見え、その奥に小至仏山が見えてくる。
7月中旬、花友と笠ヶ岳に行くとき、ピンク色のタテヤマリンドウを
見つけて貰い、驚いて撮影した場所である。
湿原のワタスゲは、すでにピークを過ぎて、みすぼらしい姿であったが
ピークの時は、ローアングルで、ワタスゲと小至仏山をコラボすると
それなりの写真が撮れる。
7月に来れば、イワイチョウ、ワタスゲ、ヨツバシオガマ、タテヤマリンドウ
などの花が見られ、時には池塘から蛙の声もする。
キンコウカに彩られた湿原
オヤマ沢田代湿原の中程に建つ道標、至仏山1.4Km 鳩待峠3.1Km
の表示がある。
ここからほんの一登りで、笠ヶ岳の分岐に出る。
ここから先には、木陰が無いので、この分岐の木陰で一休みしても良い
小至仏山に向かって、樹林帯を抜けて振り返ると、オオシラビソの
樹林帯の上に、端正なピラミッド型の笠ヶ岳が見えた。
樹林帯を抜けて、小至仏山の尾根の東斜面の木道を登ると
古いが木製のベンチがあるテラスに出る。
テラスのそばには、ヒオウギアヤメの群落が有ったが
すでにピークが過ぎていた。
(写真は振り返って撮っているので、登りの時は木道の右側に有る)
ヒオウギアヤメの群落
ヒオウギアヤメとミツバチ、離れていたので望遠で撮影
テラスの山側に、きれいなエゾウサギギクが有った。
エゾウサギギクで吸蜜するミツバチ
テラスの東側の眺望1
鳩待峠から中原山の横田代や、その後ろに連なる那須から日光の山
同方面の展望図
テラスから北東方向の眺望
会津駒や燧ヶ岳、尾瀬ヶ原の赤田代方面も見える
同方面の展望図
テラスのすぐ上に、東に張り出した岩に行く木道が有る
そこも抜群の眺望で、尾瀬ヶ原の眺めが良い場所である。
特にこの辺は小至仏山の登山道でも、花の多い場所で
7月に来れば、お花畑が見られる。
木道の山側に、季節外れのハクサンチドリが咲いていた。
咲いたばかりと見えて、新鮮な感じである。色もいい。
木道の下には、ミヤマダイモンジソウの花が風に揺れていた
雷に追われて、ちゃんと撮れなかったシナノキンバイを探したら
すでに花は終わり、種をつけ始めていた。
種をつけ始めたシナノキンバイ
遠く離れた斜面に、ハクサンイチゲの花が、かろうじて数輪
咲き残っていた。
山側の土手に、やはり季節外れのウラジロヨウラクがひっそりと
咲いていた。
ゆっくりと写真を撮りながら歩いていると、いつの間にか
雲が空を覆い始め、至仏山から下山してくる登山者が多くなった。
注、至仏山への登山道は、地図を眺めれば判るが、鳩待峠から笠ヶ岳分岐
までは、南に湾曲しながらも、基本的には、西向きのコースで
笠ヶ岳分岐から至仏山へのコースは、北向きのコースで、コースの右は
東斜面で、お花畑が多い。
しかし小至仏山から至仏山にかけては、至仏山西面野生動植物保護地域
となっていて、蛇紋岩特有の高山植物が多い貴重な場所である。
また至仏山と、山の鼻を結ぶコースは、東面登山道と呼ばれ、山の鼻からの
登り専用となっている。
そのため、至仏山の山頂直下にある「高天原」と呼ばれるお花畑にも
山頂から下る事ができないので、注意したい。
7月の至仏山は、山の鼻から登って、高天原のお花畑を見ることを
おすすめする。カトウハコベなどは、こちらが見つけやすいですよ。
それに、高天原から眺める尾瀬ヶ原は抜群である。
地図と展望図の掲載には、国土地理院の許可を得ています
「 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)
数値地図50mメッシュ(標高) 及び数値地図10mメッシュ(火山標高) を使用した。
(承認番号 平22業使、第446号) 」
資料追加
参考までに、東面登山道の軌跡と今回の軌跡を合成した地図画像です
尚、特別に記載していないが、展望図やGPSの軌跡図は
杉本智彦さんの開発したフリーソフト「カシミール」と
有料の山旅地図を使用している。
詳しくはこちらをご覧ください
周りに小湿原が有り、時期に来れば、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ
イワイチョウ、オオバツツジ、ミヤマダイモンジソウ、タテヤマリンドウ
ミヤマキンポウゲ、ミネウスユキソウ、オオバギボウシなどと
ニッコウキスゲも咲く。
しかし8月も8日になると、花の盛りも過ぎて、キンコウカが咲き出し
タテヤマリンドウの果穂が開いて、すでに種を流していた。
果穂が開いて、中の種は残っていなかった。
こちらは以前に笠ヶ岳で撮影した種の入った果穂
タテヤマリンドウは、種を雨で流す散布なので、雨の日に果穂を開く
種入りの果穂が開いたら、天気の崩れる前兆と言えるかも。
木道の脇に咲くオトギリソウは、たぶんイワオトギリだろう
正確に見分けるには、葉の表面の黒点や明点の有無と、位置に
よるらしいが、悲しいかな老眼では、そんな小さい点は見えない
もっとも良いのは、太陽に葉を透かして見ると判るのだが、木道の
脇では、下からのぞく訳にもいかないし。
(注 明点とは、色素の抜けた点という事らしい)
と言うことで、一般的な特徴から判断したので、正確ではない
イワオトギリの一般的な特徴、全体の形と花の幅が、株立ちで
やや広い、葉の形が、楕円形で黒点が多い
ただのオトギリソウは、一本立ちで花の幅も狭く、葉の先が細い
披針形で黒点が少ない
と言うことで、株立ちしている、葉が楕円形に近い特徴から
イワオトギリと判断したが、もちろん例外も有るので正確とは
限らない。
トカゲ岩の先は、右前方に至仏山の尾根を眺めながら
登ると、その先は再びジグザグの階段道となる
階段を上りきると、樹林帯の中の道をやや下って、緩やかな
道となる。
樹林帯の間から、至仏山の尾根が時々顔を出す道には
タケシマランの赤い実や、ネバリノギラン、ツルリンドウが
多い。
やがて階段の下に、オヤマ沢の道標がある水場に出る
至仏山1.6Km 鳩待峠2.9Kmの表示があり、標高1980mと記されている
階段の左にある水場は、オヤマ沢の源流の一つであるが
ベテランの登山家に聞いたら、「沢水だから飲まない方が良いよ」
と言うことだった。
それで私も他の人にそのように伝えているし、水も少ない水場である。
私はここで、気化熱で首を冷やす「ひんやりネック」を
水に浸して、暑さ対策と一休みをした。
階段を登り、緩やかな木道を進むと、やがてオヤマ沢田代湿原の入口が
見え、その奥に小至仏山が見えてくる。
7月中旬、花友と笠ヶ岳に行くとき、ピンク色のタテヤマリンドウを
見つけて貰い、驚いて撮影した場所である。
湿原のワタスゲは、すでにピークを過ぎて、みすぼらしい姿であったが
ピークの時は、ローアングルで、ワタスゲと小至仏山をコラボすると
それなりの写真が撮れる。
7月に来れば、イワイチョウ、ワタスゲ、ヨツバシオガマ、タテヤマリンドウ
などの花が見られ、時には池塘から蛙の声もする。
キンコウカに彩られた湿原
オヤマ沢田代湿原の中程に建つ道標、至仏山1.4Km 鳩待峠3.1Km
の表示がある。
ここからほんの一登りで、笠ヶ岳の分岐に出る。
ここから先には、木陰が無いので、この分岐の木陰で一休みしても良い
小至仏山に向かって、樹林帯を抜けて振り返ると、オオシラビソの
樹林帯の上に、端正なピラミッド型の笠ヶ岳が見えた。
樹林帯を抜けて、小至仏山の尾根の東斜面の木道を登ると
古いが木製のベンチがあるテラスに出る。
テラスのそばには、ヒオウギアヤメの群落が有ったが
すでにピークが過ぎていた。
(写真は振り返って撮っているので、登りの時は木道の右側に有る)
ヒオウギアヤメの群落
ヒオウギアヤメとミツバチ、離れていたので望遠で撮影
テラスの山側に、きれいなエゾウサギギクが有った。
エゾウサギギクで吸蜜するミツバチ
テラスの東側の眺望1
鳩待峠から中原山の横田代や、その後ろに連なる那須から日光の山
同方面の展望図
テラスから北東方向の眺望
会津駒や燧ヶ岳、尾瀬ヶ原の赤田代方面も見える
同方面の展望図
テラスのすぐ上に、東に張り出した岩に行く木道が有る
そこも抜群の眺望で、尾瀬ヶ原の眺めが良い場所である。
特にこの辺は小至仏山の登山道でも、花の多い場所で
7月に来れば、お花畑が見られる。
木道の山側に、季節外れのハクサンチドリが咲いていた。
咲いたばかりと見えて、新鮮な感じである。色もいい。
木道の下には、ミヤマダイモンジソウの花が風に揺れていた
雷に追われて、ちゃんと撮れなかったシナノキンバイを探したら
すでに花は終わり、種をつけ始めていた。
種をつけ始めたシナノキンバイ
遠く離れた斜面に、ハクサンイチゲの花が、かろうじて数輪
咲き残っていた。
山側の土手に、やはり季節外れのウラジロヨウラクがひっそりと
咲いていた。
ゆっくりと写真を撮りながら歩いていると、いつの間にか
雲が空を覆い始め、至仏山から下山してくる登山者が多くなった。
注、至仏山への登山道は、地図を眺めれば判るが、鳩待峠から笠ヶ岳分岐
までは、南に湾曲しながらも、基本的には、西向きのコースで
笠ヶ岳分岐から至仏山へのコースは、北向きのコースで、コースの右は
東斜面で、お花畑が多い。
しかし小至仏山から至仏山にかけては、至仏山西面野生動植物保護地域
となっていて、蛇紋岩特有の高山植物が多い貴重な場所である。
また至仏山と、山の鼻を結ぶコースは、東面登山道と呼ばれ、山の鼻からの
登り専用となっている。
そのため、至仏山の山頂直下にある「高天原」と呼ばれるお花畑にも
山頂から下る事ができないので、注意したい。
7月の至仏山は、山の鼻から登って、高天原のお花畑を見ることを
おすすめする。カトウハコベなどは、こちらが見つけやすいですよ。
それに、高天原から眺める尾瀬ヶ原は抜群である。
地図と展望図の掲載には、国土地理院の許可を得ています
「 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)
数値地図50mメッシュ(標高) 及び数値地図10mメッシュ(火山標高) を使用した。
(承認番号 平22業使、第446号) 」
資料追加
参考までに、東面登山道の軌跡と今回の軌跡を合成した地図画像です
尚、特別に記載していないが、展望図やGPSの軌跡図は
杉本智彦さんの開発したフリーソフト「カシミール」と
有料の山旅地図を使用している。
詳しくはこちらをご覧ください