歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

タイの日清カップヌードル "Minced Pork Flavour"

2009-11-03 22:59:55 | Weblog
 タイ出張中の夜、小腹が空いたので、ホテル近くのセブンイレブンでタイ製の日清カップヌードルを買って部屋で作って食べました。


 タイ語での表記はこちら。


 日本のコンビニでカップめんを購入すると必ず箸を付けてくれますが、こちらにはそんなサービスはありません(しかしどういうわけかジュースを買うと必ずストローを付けてくれます)。さて仕方ないから部屋にあるスプーンで食べるかな、と思って蓋を開けたら、中に折りたたみ式のプラスチック製のフォークが入っていました。これは日本でもやってもよい仕組みかもしれません。
 しかし日本のように蓋をうまく空けることができません。破れないように慎重に空ける必要があります。


 出来上がりはこんな感じ。あまり美味しそうには見えません。カップに載っている出来上がりイメージの写真との落差があまりにも大きいです。実際、味はイマイチでした。タイ人の好みに合わせているため、スパイスの香りが強烈です。

南国での精密加工の問題点

2009-11-03 00:49:37 | 海外ものづくり事情
 こちらはタイ出張中に訪れた、ローカル系プラスチック成形金型メーカーです。


 現場で作業する女性の姿を多く見かけました。日本ではあまり見られない光景だと思います。タイの女性は本当に働き者です。


 さて、この金型メーカーはローカル資本の会社ですが、実質的に経営を行っているのは日本人の方です。技術指導で招かれたのですが、いつの間にやら経営も任されるようになり、請われて副社長を務めることになったのだそうです。社長はこの金型メーカーの親会社の経営に忙しいようで、あまり顔を出さないので実質的に彼が経営者のようなものです。この方から南国ならではのものづくりの難しさのお話をうかがいました。

 タイは今や東南アジアを代表する工業国で、進出している日本企業も多いので、現地でのものづくりには特に支障はないのだろうな、と思いきや、これが結構大変なのだそうです。大変なことはいろいろあるのですが、切削加工では電力事情が大きな問題になるとのことでした。

 頻繁に起こる停電、そしてとんでもない電圧の変動があるので、高性能な工作機械を用意しても機能をフルに使いこなせないとのことでした。例えば、電力のトラブルで頻繁にアラームが出てしまうので、工具の自動交換の機能が備わっていても使うことが出来ず、結局人手でこなさざるを得ないのだそうです。
 停電は落雷によるものが多く、ほかにも工場の近くの電信柱に車が衝突したとか、サルが電線に触れて感電死したことが原因で停電したこともあるそうです。バンコク近郊のこの工場の周辺はとてもサルが出てくるような雰囲気ではないのですが、まだ野生のサルが出没するんですね。また、タイの工業用電力の電圧は380Vなのですが、これが400Vにまで上昇したためにマシンが故障したことがあるそうです。原因は、変電所から遠いところにある会社が電圧を上げろと要求したためなのだとか。日本では信じられないことがまだまだタイでは起こるのです。

 こんな状況であるため、タイの工場では無停電電源装置は必要不可欠です。しかし、常識ではありえないような電圧の変動には無停電電源装置もとても耐え切れるものではありません。
 特に酷いのは、マシンが工具を保持できなくなり、ワーク上に工具がストンと落ちて穴が開いてしまうという例です。穴は溶接で補修し、表面処理で対処できるものもありますが、某自動車メーカー向けの一番型のように表面処理をせずに納品することを要求されるものについては、完全にオシャカになってしまい最初から作り直しになってしまう、とのことでした。これは金型メーカーとしてはたまったものではありません。

 南国は一年を通じて気温の変化があまりないので精密加工に向いている、という話をどこかで聞いたことがありましたが、南国でのものづくりはそんなに甘いものではないようです。