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クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

賞を辞退した“木村拓哉”。彼の名セリフは? ―1996年(1)―

2006年12月20日 | レビュー部屋
『武士の一分』の主演を務めた“木村拓哉”
第30回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞の受賞を辞退したことが、いま話題になっています。
ナンバー1よりオンリーワンを大切にするSMAPの思想に基づく辞退なのだとか……。
そのスタイルの格好よさは、
まさに“キムタク”ならではだと思います。

1972年11月13日生まれ、千葉県出身。血液型はO型。
周知のようにSMAPメンバーのひとりで、
雑誌『anan』の好きな男ランキングで13年連続1位を獲得するほどの人気ぶり。
山田洋次監督の映画『武士の一分』の主演を務めたことで大きな話題になり、
翌年1月には早速彼主演のドラマ「華麗なる一族」(TBS)が始まります。
「華麗なる一族」は山崎豊子の小説を原作とし、
1960年代を舞台にしているとあって、個人的にとても注目しているドラマです。

さて、このように活躍中のキムタクこと木村拓哉氏ですが、
初主演のドラマは1996年に放送された「ロングバケーション」(フジテレビ)でした。
最高視聴率36.7%を記録し、
このドラマによって彼の人気を不動のものにしたそうです。
当時17歳だったぼくはリアルタイムではなかったものの、
数ヶ月後に再放送された「ロングバケーション」を観ました。
ちょうど、秋の終わり頃だったと思います。
紅葉に彩られた樹木はどんどん冬枯れし、
風は冷たくなる上に人とのいざこざやケンカが重なってどうにも調子がよくないとき、
何気なく観た「ロングバケーション」で瀬名(木村拓哉)の言葉に、
思わず立ち止まってしまったのです。

 何やってもダメな時ってあるじゃん。うまくいかない時。
 そんな時はさ、神様がくれた休暇だと思って、無理して走らない。
 焦らない。頑張らない。

この言葉はいまでも落ち込んでいるときに思い出します。
ときに、悩んでいる友人にこの言葉を掛けてあげると効果的。
実際、これを聞いた南(山口智子)は元気を取り戻していました。

 「自然に身をゆだねる」瀬名が続ける。
 「そしたら?」
 「そのうち良くなる」
 「ほんと?」みるみるうちに、南の瞳が輝き出した。
 「多分」
 「乾杯!」

ノベラズではそのときの南の心を
「どしゃぶりの雨の後に、ぽっかりのぞいた青空を見たような気がしてきた」
と、地の文で表現しています。
そんな感覚になった視聴者(読者)は多いかもしれません。
実際ぼくも気持ちが軽くなったのを覚えています。
なので、キムタクには(勝手に)少し恩を感じている次第です。
(この場合、脚本家の北川悦吏子氏に感じるべきでしょうが……)

ちなみに、「ロングバケーション」の中で、
『犬神家の一族』が間接的に使用されているシーンを見付けました。
第1話、南と瀬名の会話です。

南「あ、あなた東京の人? わかってないなあ。田舎って八つ墓村みたいなのよ。結婚式に花婿に逃げられた娘なんて忌み嫌われて、石投げられて、樽ン中宙吊りにされちゃうんだから」
瀬名「それ、犬神家ですよ」

もう10年前のドラマですが、
『犬神家の一族』が2006年リメイクされたばかりのせいか、
この会話は“旬”の気がします。
キムタクはこの先どのような役を演じていくのでしょうか。
「武士の一分」を機に、時代ものにどんどん進出していって欲しいと思います。
ナンバー1ではなく、オンリーワンの役者として……。

引用文献
北川悦吏子著『ロング バケーション』角川書店

参考Web
ウィキペディア(Wikipedia)

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