日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

海運指数、28年ぶり低水準 ばら積み運賃が一段と下落、石炭・穀物の荷動き鈍く

2015年01月31日 | 22.海運業
〔15.1.31.日経新聞:マーケット総合2面〕


 資源や穀物などばら積み貨物のスポット(随時契約)運賃が一段と下がっている。総合的な値動きを示すバルチック海運指数(BDI、1985年=1000)は29日時点で632と、直近の高値を付けた2014年11月に比べ6割下がった。前年同時期に比べて4割安く、28年5カ月ぶりの低水準となった。

 石炭や穀物の荷動きが振るわず、船舶の余剰感が一段と強まっている。世界経済の先行き不安から運賃先物である海上運賃先渡し契約(FFA)も軟調だ。原油安で運航コストが下がったことも「スポット運賃の値決めに反映されている」(国内海運大手)という。

 BDIの値動きを大きく左右する大型船のケープサイズの場合、用船料は1日あたり約6000ドルで前年同期比3割安い。鉄鉱石は世界最大の需要国である中国の輸入量に減速感が出ている。

 鉄鉱石のスポット運賃は代表的な航路であるオーストラリア―中国間で現在、1トンあたり4.2ドル前後。前年同期に比べて4割安い。

 新造船の供給過剰が続く中小型船の市況も振るわない。「石炭の荷動きが停滞している」(商船三井)こともあり、石炭などを主力貨物とするパナマックスの用船料は前年同期の水準を6割下回る。穀物などを運ぶハンディサイズの用船料も5割近く安い。

 1~3月期についても海運各社は「すべての船型で厳しい市況が続く」(川崎汽船)との見方で一致する。川崎汽船の1~3月期のケープサイズ用船料の予想値は8300ドル。従来の予想(1万7千ドル)に比べてほぼ半値に下げた。日本郵船も1万4千ドルから1万ドルに予想値を下方修正した。

 用船料が下がれば海運会社にとってコスト減につながるが、連動してスポット運賃も下落する。トータルの収益では不利に働くことが多い。一般的にケープサイズは用船料で2万5千ドルが採算ラインとされる。

 15年はケープサイズを含めて新造船の就航も一段と増えそうだとの観測が多い。ばら積み貨物の需要が伸び悩めば、海運市況の低迷が長期化する可能性もある。 

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