日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

携帯料金 多様化促す 買い替え優遇 焦点 総務省の有識者会議初会合、年内に引き下げ策

2015年10月20日 | PC・モバイル・クラウド
(日経10/20:経済面)
 総務省の携帯電話に関する有識者会議は19日に開いた初会合で、料金引き下げ策の本格検討に着手した。安倍晋三首相の指示を受けた検討作業で、端末や通信会社を定期的に替える利用者が優遇される現在の仕組みを再点検する。利用実態に応じた多様な料金体系を促し負担の公平を図れるかが焦点になりそうだ。年内に具体策をまとめる。

   
有識者会議の初会合であいさつする明治大学の新美育文教授(中央)=19日、総務省

 19日午前10時から総務省で開いた有識者会議は波乱を予感させる展開となった。

 会議のさなかの午前11時すぎ、菅義偉官房長官が首相官邸で開いた定例記者会見で「大手3社が似たような料金設定をしているのは国民から見ても問題だ」と発言。料金下げを具体的に検討するよう強く促したためだ。

 19日の会議はNTTドコモなど携帯3社を呼ばず有識者の意見を聞いた。注目が集まったのは「利用者の行き過ぎた不公平性の是正」(北俊一・野村総合研究所上席コンサルタント)を求める意見だ。

 現在の携帯電話契約の主流は端末と通信契約が一体になっている。この仕組みを前提に端末や通信会社を定期的に替える利用者を優遇する一方、長期利用者に負担を強いている。

 例えば、9月に発売された米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」の新機種「6s」を購入するケース。大手3社による毎月の通信料割引の総額は2年間で6万~7万円(新規契約)に相当する。この結果、端末は実質3万~4万円ほどで手に入る。

 こうした割引の原資になっているのが端末を替えない長期利用者が支払う割高な通信料だ。データ通信や通話の価格を高めに設定し割引原資を捻出している。それぞれの利用実態に応じた料金体系がないため、不公平感の温床になっている。

 海外では是正の動きが進んでいる。米ベライゾン・ワイヤレスは端末価格を通信代と完全に分離する料金プランを打ち出した。英国では端末代と通信代の配分を消費者が選べる。端末を高く買えば通信代が安くなる。これなら長期利用者にも利点がある。

 有識者会議はデータ通信や音声通話の利用が少ない人向けの料金プランがないことも指摘した。高齢者などインターネットや動画をあまり見ない人は、必要以上の料金を支払っているとの指摘があるためだ。格安スマホ事業者の育成も検討課題になっている。

 「携帯料金は本来、既に自由化された分野で、首相や総務省が言及するのには違和感がある」(A・T・カーニーの吉川尚宏パートナー)との声もある。ただ、携帯電話事業が電波という有限の公共の財産を使っている。携帯電話会社が3社に集約されてから事業や料金モデルが横並びになり競争が進まなくなったとの指摘も根強い。

 家計支出に占める携帯料金の比率は2004年の2.5%(月8217円)から、14年には3.9%(1万2279円)に上がった。スマホの普及でデータ通信量そのものが増えている面もあるが、消費低迷と景気失速を警戒する安倍政権のいらだちは強まっている。

 有識者会議の指摘を携帯各社が「自主的な取り組み」として実行に移す展開になる。通信業界では早くもこんなシナリオが浮上し始めた。


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